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北海道中標津で、明治飼糧さんのユーザー会「まきばの会」で講演させていただきました。

北海道、中標津へのディアベル・ソロツーリング。行程の様子は下記などのブログにまとめました。

北海道ひとりツーリング・リアルタイムレポート 第3日午前~北見から中標津へ、そして全行程1350キロ片道終了!! | 勝間和代オフィシャルブログ

そして、なぜ中標津を訪問したかというと、酪農家むけに飼糧を提供している、明治飼糧株式会社さんのユーザー会、「まきばの会」の会長さんである竹下牧場竹下さんが、以前から私の本をたくさん読んでくださっていて、「やればできる」などのセミナーにもご参加いただいた縁で、記念講演にお招きいただいたからです。

ちょうど、今年のロングブレスダイエットの頃から食に目覚め、毎日、大量の食品や栄養の本を読んでいる中、酪農家のみなさんとお話しさせていただく機会をいたただけたのは、とても不思議な気分でしたし、ご縁でした。

竹下牧場では、最新式の厩舎の中で、300頭の乳牛が飼育されています。

中標津は平均気温が寒すぎて、耕作に向かないため、自然と酪農が発展し、いまでは2万5千人の人口に対して350の酪農家がいて、人口より多い牛が飼われているそうです。

牛乳は痛みが早いため、特に生乳は国内で生産・流通していますが、大変な手間隙がかかる一方、飲み物としてあまり価格も上げられないため、乳価が乳業メーカーと酪農生産者と間で決められ、さらに、国からも補助金が出ています。

しかし、それでも、あれだけの設備投資と、あれだけの労力をかけているのに、1日の売上高を聞いたときに、正直、驚きました。コンビニの日販くらいです。そこに、穀物やエネルギー価格の高騰が起こっており、廃業する畜産家も多く、また、新規参入は個人ではまず難しいということでした。

竹下さんは、お父さんが開拓してつくった牧場を引き継いでいますが、お父さんの代でも周りで廃業する畜産家から土地を引き継いでおり、それで規模が大きくなったのでなんとかやっていけるとおっしゃっていました。

まず、飼料は確かに買うものも多いのですが、メインの牧草は自分の牧場で作ります。また、エサとなるトウモロコシも栽培します。

そこに穀物のほか、しょうゆかすやビールかすなどの有機のエサを加えて、牛がもぐもぐたべて、そこから乳が搾れます。

ここには1度に24頭しか入らないので、1回20分くらいで1組終わって、それを何度も何度も繰り返して、そしてそれを朝と晩に行い、さらに畑と牧草の管理があり、出荷があり、と気が遠くなるような作業量です。それを竹下さんご夫妻と数名の従業員だけで行います。

竹下さんのご自宅でいただいた牛乳は朝に取れたもので、あまく、おいしく、それをまた加工したデザートやカフェオレも美味でした。

どこにも、農業や畜産への政策については

「これが解だ」

というものはないのですが、いったいどうしたら、生産者さんの苦労に私たち消費者がもっともっと、報いることができるしくみができるのか、考えていかなければならないと意を強くした次第です。

私たちがもっともっと、食を大事にして、食材を大事にして、そして、高い質のものに適切な価格をつけるしくみを作っていかなければならない、もっともっと食のサポートをしていきたい、そう思う中標津訪問でした。

竹下さん、まきばの会のみなさま、明治飼糧のみなさま、ほんとうによい機会をありがとうございました。

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