2011.07.30
鈴鹿サーキットの8耐レース予選に高杉奈緒子さんの応援に行ってきました。そして、私(旧タイトル→日本人から改題)が大型国産バイク離れを起こしている3つの理由。
金曜日は始発の新幹線に乗り、鈴鹿まで日帰りで行ってきました。お目当ては、8耐レース予選に高杉奈緒子さんの応援と、8耐のすごさを自分の目で確認すること。
まずはこちらの動画をご覧ください。
1周5.8キロのコースを、わずか2分ちょっとで1000ccのバイクが駆け巡ります。一番スピードが出るところでは新幹線並みの260キロくらいとか。そして、こちらに熊本のDucatiのチームから出場する高杉奈緒子さんの応援に行きました。
私はバイクに興味を持ったのが今年からであまり詳しくなかったのですが、鈴鹿の8耐はバイクファンにとって夏の最大の祭典で、家族みんなで予選をみながら、遊園地でこどもたちが遊んだり、お父さんはスタンドで応援したりしながら、週末をゆっくりすごすイベントということでした。
なので、バイクのショーブースやウェアなど、多数のお店も出ていて賑わっていましたが、予選初日の金曜日、それでもスタンドその他の客席はまばらでした。最盛期には30万人の訪問だったのに、いまは6万人を切るくらいだそうです。
この日、鈴鹿を案内してくださったのは大野剛史さん。コンサルティング・イベント会社経営の一方、チームモトバムwithヒポポタマスのチームオーナー兼監督でもあり、高杉奈緒子さんのスポンサーでもあります。
ヒポポタマス 代表者プロフィール
大野さんのチームは今回、出場しなかったので、高杉さんは熊本のラベレッツァ スピード&ワイルド7から出場です。ここのチームの特徴はなんといっても、マシンがDUCATI1098Rであること。レースパーツが少なく、エンジンも2気筒なので本当はレースには向いていないのですが、DUCATIが大好きな人たちが集まって、8耐に出場しています。HONDAやYAMAHAのプロチームとはことなり、ほとんどのみなさんがボランティア参加。
1回レースに出ると1,000万以上かかってしまうというこの8耐、それでもバイク好きな人たちが集まって、支えていました。
こちらは、RSタイチさんのブース。選手のスーツを現地で修理します。広報の藤本さんとぱちり。私は手をケガしたばかりなので、RSタイチさん一押しのレース用手袋をひとつこちらで購入させていただいて、指の長さを合わせてくれました。安全は何よりも変えがたい、前回のケガの学習です。
ふたたび、高杉さんのブースに戻ります。予選では1番速い車の115%以内のタイムに入らないと本戦を走ることができません。高杉さんも、第2走者の川原英実さんも無事、タイム合格。本戦に進みます。
とても楽しかったのですが、いろいろと厳しい話も聞きました。
もともとこのようなイベントは、バイクファンの獲得と販促が主たる目的だったのですが、日本ではバイク人口も、バイクの売り上げも右肩下がりです。特に駐車場規制が厳しくなった2006年以降に顕著だそうです。
私は正直に言ってしまうと、いまの日本の大型バイクに魅力を感じませんでした。そのため、前回はアプリリアを選びました。次の大型も日本車は選ばないでしょう。なぜかというと、全体コンセプトが不明確であること、イタリア車などに比べて、やたらと大きくて重いこと、が理由でした。日本人の私でもそう思うのですから、海外でも当然、苦戦しているそうです。
そして今回、このイベントに行って、関係者の方たちに話を聞いて、国産バイクについての違和感、その謎が解けました。もちろん、すべてがそうではありませんが、少なくとも、私がなぜ国産の大型バイクを買えなかったのか、理解できました。
なお、これをすべての一般論に展開したことを謝ります。私の感覚と一致した部分、です。
1. 重い理由
コストダウンと安全性を重視したため、それぞれの部品部品の最適化は図られているが、それを組み合わせるとやたらと大きく、重くなってしまっている。
2. コンセプトが明確でない理由
BMWやDucatiに似たデザインやコンセプトが多く、正直、引きずられている。
3. コストパフォーマンスが悪く感じる理由
内外価格差がかなりあり、アジア向け、ヨーロッパ向けにくらべて、日本向けの価格を何割も高く設定している。
さらに、もっとも重要なのは、バイク好きの人たちが実はあまり設計やコンセプト作りに参加していないそうです。国産バイク会社のチームも何チームも参加していましたが、その人たちはどんなにバイクが大好きでも、そういった設計の上流にはほとんど関わっていないとか。
このままだと消費者のバイク離れが止まらず、結果として鈴鹿をはじめとしてモーターサイクルイベントの予算が縮小され、ますます消費者がバイクを離れるような悪循環が続くのではないかと大野さんは懸念しています。
なお、高杉さんはパナソニック電工さんの社員。会社の上司がとても理解ある人で、レース出場を応援してくれていそうです。
高杉奈緒子さんのような選手がもっともっと活躍できるよう、応援できる社会・業界でありたいです。そのためには、やはり日本人の一人一人がもっと自由に発想し、自由にリスクがとれる環境が必要、そう強く感じた鈴鹿でした。
私も道路行政に非力ながら、国交省の社会資本整備委員会の委員として関わっている身ですので、自分ができること、いろいろと考えて、発言していきたいと思います。
関連URL
高杉奈緒子さんのブログ
勝間和代さん: ☆Naolog
大野剛史さんのブログ
HIPPO大野の雑記帳:RSタイチ藤本さんと勝間先生
この日のその他の写真
2011年7月29日 鈴鹿8耐レース出場の高杉さん応援
【8月2日追記】
このブログは、もっともっと、国内にどんどんバイカーが増え、国内メーカーバイクに魅力的なラインナップが増えてほしい、という気持ちで、あえて書きました。もっともっと、がんばって欲しいからこその、初心者女性バイカーからのことばとして、理解いただけると幸いです。
【10月30日追記】
自分の感覚をすべて、日本人が、に代弁したものはまさしく、こちらのエントリーで私がよくないと言っていたことですので、私が、という文脈にタイトルを訂正させていただきます。
ネット上で「義憤」を表明するときに使う4つの手法をまとめてみました- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!