2011.03.21
本当に必要なのは「ピーク時」の節電
節電関して、電気のしくみがずいぶん浸透してきましたが、それでも、健康を害しかねない過度な節電や、日常活動に支障がある節電もあって、わたし達の生活の質を落としているところがあるので、もう一度、大事なポイントを2つまとめます。
1. 供給のしくみから考えると、電気はほとんど貯められないので、節電は「ピーク時」に使わないようにする、極論すると、そのことが一番重要。(現状では、平日の明るい時間から夕食時にかけての、大量の人間が起きて、動いて、食事をしたりしている時間帯)
2. 他地域からの振り替えは、ほとんど出来ないので、東京電力・東北電力以外の地域の節電は「気は心」くらいの効果しかない。
もちろん、不要不急の電気はすべて、使わない方がいいです。発電所のダメージから、ベースとしての供給量が下がっていますから、その部分は使っていない部屋の電気を消す、使っていない家電の電源を抜く、必要以上の暖房をつけない、冷蔵庫に物を入れすぎない、電気ポットはなるべくつかわない、などは共通です。
しかし、夜中にお風呂から出たときに、寒いのに我慢して自然乾燥して風邪を引くよりは、ドライヤーをかければいいです。暖房も完全に消すと寒いときには、寝しなに数時間だけかけて、朝のまた活動時間帯には消しておく、ということもできます。
逆に、昼食時、夕食時の食事のための電化製品がピークを作るので、ご飯は夜中に炊いておくとか、洗濯やその乾燥も夜中に行う、あるいは食事の時間そのものをずらしてしまう、というのも有効です。
つまり、他の時間にせっせと節電しているのに、夕食時に炊飯器、電子レンジ、電気オーブンなどを一斉に使うようでは、節電の意味が薄れてしまう、ということなのです。どれだけ、一人一人が、電力消費の最大の山を小さくするか、が重要になります。
携帯やその他の充電池の充電は同じく、なるべく夜中に。とにかく、必要なことは「平準化」です。必要のない節電により健康を害しては、元も子もありません。ぜひ、バランスを取ってください。
そして、本当は、東電がリアルタイムで供給と需要を表示すれば、自主的に動けるのですが。より詳しい、情報開示が望まれます。
(3/22追記 東電のホームページで1時間ごとには公開されるようになりました)
電力の使用状況グラフ(当社サービスエリア内)|東京電力
より詳しいしくみは、下記の記事が詳しいので、おすすめします。
「節電すべきか」という疑問に対する回答(地域別) : nori_hara blog
続・「節電すべきか」という疑問に対する回答(東北電力、東京電力地域以外) : nori_hara blog
また、家庭の節電については、こちらのパンフレットがくわしいです(PDF必要)
節電全体については、Wikipediaも目を通しておくことをお薦めします。
節電について、効果がある節電を行いましょう。
-補足-
夜中に余った電力は揚水発電、という形で、水の位置エネルギーに貯めることは出来ます。しかし、東京電力全体ですべての揚水発電を稼働しても、100万kwあるかないかくらい、ピーク時コントロールの方が、停電対策としては有効です。
-補足2-
家庭側だけではなく、企業側の節電も重要で、そのためには、サマータイム、フレックスタイム、休日輪番などいろいろな手段が考えられると思います。この点はまた近いうちに。