2010.09.14
再選された菅政権に望む円高対策
本日の投票で、菅首相の再選が決まりました。
再選を受けて、為替市場で円高が加速しています。これは、菅政権はこれまで通りの経済運営を行うのであれば、デフレも、円高も止まらない可能性が高いと市場が考えているからでしょう。
だからこそ、ここで菅政権が強い円高対策を打つことができれば、市場は期待に反する行動に対して「サプライズ」となり、大幅に円高が修正されると考えます。
円高対策については、下記の実行を強く要望します。
1. インフレターゲットの導入による、実質金利の引き下げ
円高が進んでいる背景には、日本の円の実質金利が、例え名目金利が低くとも、物価下落が著しいため、他国の通貨との実質金利差が大きく、円が買われる背景になっています。もし、日銀がインフレターゲットを拒むのでしたら、日銀法改正も行うべきです。
2. 長期国債の買い切りオペなど、日銀による、より実効性ある金融緩和策の実施
これまで行われてきた金融緩和策は、短期の3-6ヶ月の債権をオペの対象としているため、日銀・政府が及び腰だと考え、市場になめられています。真剣に日銀がバランスシートを拡大して、円の供給量を増やす姿勢を見せるためには、長期国債の購入が望ましいと考えます。
3. 財務省による為替介入の実施
テーラー・溝口介入のように、いまやもう、財務省が為替に介入する時期でしょう。投機筋への明確なシグナリングを行って、メッセージを出すべきです。ただし、日銀は介入に対して不胎化を行わないことが条件になります。
もし、ドルを直接買うのが問題であれば、円の競合であるウォンを買うことも視野に入れられるでしょう。
政府の役割が、私たち国民の生活の安定と雇用の創出であれば、過度な円高を放置することが大問題なのは、自明です。一刻も早く、強いメッセージを市場に出すことを心から、望みます。
政局が終わったのですから、政策を実行するフェーズです。
(参考) デフレ脱却国民会議の議論
リンク: 「デフレ脱却国民会議」の緊急シンポジウム、強い宣言とともに終了しました- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!.
リンク: 「デフレ脱却国民会議 緊急シンポジウム」動画がアップされました- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!.