2007.05.11
善意の輪で落とした財布が返ってきたこと
仕事帰りに、ネイルに寄りました。ふだん、ネイルはなるべく土日に行くようにしているのですが、最近、忙しくて2回予約を変えて、とうとう爪が伸びすぎたので、平日の夜になりました。
ネイルを塗り終わった帰り、あまり爪がちゃんと乾いていないので、カバンのバックルを締めるとせっかくぬってもらったネイルが壊れるおそれがあるため、カバンをしっかり締めずに、斜めがけにして、自転車に乗りました。カバンに余裕がある休日と違って、仕事の資料でカバンはパンパンでした。
そして、そのカバンの入り口の方には、ネイルで代金を支払った財布が入っていました。そして、自転車に乗って帰る途中、カバンからその財布は、路上に落ちました。私はそのまま気づかず、家まで帰りました。
家に帰って、財布を落としたことにも気づかず、子どもたちと晩ご飯を食べていたら、家の電話が鳴りました。午後8時半くらいです。三女が取ったところ、大学院からの電話でした。
大学院では、チューターの仕事をいくつかしているので、こんな夜に電話がかかってきたときには、
「え、なんか私、今日、大学院で仕事があったのに、間違えて家に帰った???」
と、心配しながら電話を取ったところ、ある地下鉄の駅から、大学院の入館カードを拾ったという電話がかかってきて、入館カードに私の名前があったので、電話をしている、ということでした。
ただ、昨今のなぞの個人情報保護のことで、大学院からもその本人がチューターなど関係者であるかどうかなどを言えないので、直接、地下鉄の駅に電話をしてください、ということでした。
もともと、その入館カードは財布に入れているので、あーーー、それでは財布を落としたのかも、と思って聞いたら、駅はそこまで説明はなかった、ということです。とりあえず、落としたらしい本人と連絡を取りたい、ということで「このカードを拾ったらここに連絡を」と書いてあった大学院に連絡したようでした。
大学院の人から電話番号を聞いて、駅に電話をしたら、案の定、やはり財布でした。ただ、向こうも何を預かっているとは言わずに、こちらに、何を落としたと思うのか、その内容は何か、など聞いてきて、財布の形状や入っているはずの金額、カードなどを告げたら、一応、本人だと納得して、返してくれることになりました。届けてくれたのは、女性ですが、名前も告げずに立ち去ってしまったそうです。
その後、地下鉄の駅まで財布を取りに行って丁重にお礼を言って、、無事、帰ってきました。
この話は、整理をすると、下記の3人の善意に支えられて、手元まで財布が戻ってきたわけです。
1. 拾った女性。道で落ちていた財布など、無視をすることもできたのに、わざわざ駅に届けてくれた。名前も告げずに。
2. 地下鉄の駅の人。初め、駅の外の拾得物なので預かりたくなかったということだったのですが、女性が急いでいたので、警察に行かせるには忍びなく、とりあえず、預かったそうです。そして、大学院に電話をしてくれました。
3. 大学院の人。たまたま夜間大学院だったので、その時間帯でもいて、わざわざ名簿を調べて、家まで電話をしてくれた。
一人でもかけていれば、私の手元には財布は戻らず、免許だのキャッシュカードなどの再発行が必要になり、莫大な手間がかかったわけですし、警察に届けられたとしても、連絡が来るまではドキドキしながら、夜を過ごさなければならなかったわけです。
これまで、財布を落としたのはこれで4回目くらいですが、うち、3回はふつうに戻ってきました。日本はしみじみ、なんだかんだいって、善意の人が多い、いい社会なのだと思いました。
万一、このブログを見ている方で、港区の路上で拾った財布を東京メトロの某駅に届けた記憶がある女性がいらっしゃったら、お礼を申し上げたいので、ご連絡ください。