2007.01.26
アナリストの頃にしていたこと、これからの仕事とのつながり
あと、これまで、コンプライアンスその他の関係から、あえて、アナリストとしての活動の詳細については、ブログでは触れてきませんでした。ですから、日経新聞の株式欄などをよく読んでいる人しか、一般には分からなかったかと思うので、簡単に説明します。
アナリストには何種類かのカテゴリーがあるのですが、私がやっていたのは、セルサイド・アナリスト、という、証券会社に所属して、広く自分の担当である会社の業績の予想、目標株価、その株のレーティング(売りか、買いか)を、レポートやコメントを通じて投資家に提供する仕事です。
私が担当だったのは、当初は通信業界で、その後、メディアとインターネット業界に担当が広がりました。上場している主要な各社には、四半期ごとに1-2回訪問し、レポートを書きます。また、業界全体の新しい動きがあったとき、例えば、無線LANとかSkype、FeliCaのようなものについては、特別レポートも書いてきました。
そのような仕事なので、各担当企業のトップの方と会う機会も多く、また、業界のエキスパートとしての知識も求められ、関連官庁である総務省にもよくおじゃまをしたり、政策のパネルディスカッションに招待されて発言などもしていました。
もっとも、専門性が求められ、その分野については高い知識が蓄積できる反面、常に考えることは株式×情報通信分野、という狭いエリアにレポートも、求められるものも集中するため、私のようにわりと発散系の人間にとっては、はみ出すぎないようにするのがつらい、という一面もありました。
辞めるときに、おつきあいの長いお客様から「独創的なレポートが読めなくなるのは寂しいけれども、窮屈そうだったから、独立するのは応援する」と声をかけていただいて、言い得て妙で、うれしかったです。
いずれにしても、マッキンゼー時代、JPモルガン時代と、いろいろと企業のコアな考え方に深く触れる機会を持っていたことはこれからの財産になると思いますので、そこで得た知見については、少しずつ、わかりやすく、身近な問題に展開していきたいと思います。