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January 02, 2011
自炊の愉しみ~初日のまとめ
2011年になりました。初日である元旦の夜は何をしていたかというと、ひたすら「自炊」を初体験していました。
自炊とは、自分が買った書籍を、著作権違反とならない私的複製の範囲において、自分で、電子ブックに適するデータに加工することです。
以下、初日体験を綴ります。工作みたいで、いろいろ工夫をして、楽しいです。
ステップ0. 動機と準備編
事の発端は、年末に買ったソニーのブックリーダーが意外と読みやすかったこと。
ソニーブックリーダー使用初日雑感~思ったよりかなりいいです- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!
そこで、ふだん家中に置きっぱなしになっていて、読みかけになっている様々な本を、ついでならこの端末に入れて持ち歩いて、家でのすきま時間はこれまでどおりですが、さらに外でのすきま時間にも読もうかと思ったことです。
書籍の電子化については、自炊ではなく、他炊といわれるような、スキャン代行業者さんに同じ作業を頼むこともできるのですが、自炊については私的な複製である範囲においては著作権上OKだけれども、他炊についてはグレーとなっているため、自炊に特化することにしました。
参考
書籍の電子化、「自炊」「スキャン代行」は法的にOK? ~福井弁護士に聞く著作権Q&A -INTERNET Watch
ステップ1-まずは断裁をマスター
さて、では、どうやって自炊をしようかと思ったときに、参考になったのがこちらの記事でした。
誠 Biz.ID:電子書籍「自炊」完全マニュアル:動画と写真で確認する――裁断&スキャンのコツ(裁断編) (1/3)
なので、この記事を参考に、とりあえず、断裁機(正式には、裁断ではなく、断裁、だそうです)をまずは注文しました。PlusのPK-513Lというものがお薦めということで、値段は3万円前後。
スキャナは迷いましたが、自炊でよく使われているS1500が20枚/分のスピードで、それだったら、同等製品で少し古い型番ですがDR-2050もあるし、他にもDR-150もあるので、とりあえず見送りました。
やってきた断裁機、思ったよりも、大きくて、重いです。しかも、一体ふだん、どこに置いておけばいいやら、という大きさ。噂では聞いていましたが、まさかこれほどの大きさとは。
とりあえず、事務机における大きさでないので、食卓の上に置いて、断裁をしてみました。まずは新書から。
すんごい、簡単にできました。テクニックもなにもいりません。位置を合わせて、レバーを下ろすだけ。驚くくらい切れますので、とにかく、指を切らないように注意しないと、というレベルです。新書1冊分、ほとんど力を入れずに一降りです。ジャキっでおしまい。
すこし大変なのはハードカバー。まずはカバーをベリベリと剥がして、半分ずつ断裁します。
この時は実はがんばって、余白も断裁して手間がかかっていたのですが、あとから気づいたのは、実はPDFの段階で簡単にトリミングができるので、この時点ではとりあえず、バラバラにすればよかったということがわかりました。
とにかく、ホチキスとかしおりにきをつけながら、バラバラにする、それだけです。少なくとも性能のいいカッターがあれば、ここはあんまり、苦労しません。
ステップ2-ドキュメントスキャナーを使いこなそう
バラバラになったページは、ドキュメントスキャナで読み込みます。
ここも正直、決め手はひたすらスキャナの性能です。家にDR-2050という、いまのDR-2510のひとつ前の機種があり、あと、会社にS1500があるので、はじめは新しいものはいらないと思ったのですが、ウェブでカタログを眺めていると、ふと欲が出てきました。
ひとつ上位機種にすると、1分当たり、20枚から40枚に、飛躍的に性能が上がります。だいたいの本は100-200枚ですから、5-10分のものが、2-5分になる計算です。そして、1分20枚ものはふだんから使っていましたが、やはりシュワンシュワンよりもちょっとだけ、考えます。
これから莫大な数の本をスキャンするんだよなぁ、と思ったので、上位機種の据え置き型を買うことにしました。DR-3010cとfi-6130/6140あたりを迷ったのですが、いかんせん、ずっとキヤノンを使い続けていて、ソフトウェアの設定や使い勝手になれているのと、fi-6130ではやや中途半端で、6140では高すぎたので、DR-3010cにすることにしました。
本気で早いです。ストレスゼロで、しゅわわーーーーーーん、と読んでいきます。dpiをいくつにするかが難しいのですが、とりあえず、300dpiではやや粗く、600dpiでは遅いしファイルも大きいので、400dpiにいまのところ、設定しています。
というわけで、基本のスキャンは設定はさほど難しくなく
・400dpi
・白黒・両面スキャン (グレイを推奨している記事も多いですが、とりあえず、白黒の方がきれいでした)
でがしがしーーーーーー、と読んでいくだけです。これも、本の裁断がキレイだとほとんど二枚いっしょに読んだり、目詰まりすることもなく、完了します。
最初に50枚しかおけないので、忘れていない限りは継ぎ足しますし、忘れた場合には、分かれてできてPDFファイルをあとで結合します。
本当に難しいのは最適化のところでして、今のところのスキャンの設定を記録しておきます。
-読み込みは詳細設定で
-明るさはかなり、暗め原稿対応に設定(標準だと、意外と文字が薄くしかスキャンできない)
-コントラストは標準
-裏写り防止などはオフ(オンにするとかなりスキャンが遅くなる)
-カラードロップアウトの赤をオン
まぁ、まだ初日なので、完全に最適化できていませんが、最初の消え入らんばかりのスキャンにくらべると、ずいぶんましになりました。
ステップ3-PDFファイルを加工する
できあがったPDFファイルに、以下の2つの加工を施します。
加工1-OCRで文字認識をさせて、あとで検索できるようにする。Adobe PDFの標準機能であります。S1500以上のクラスのスキャナであれば、Acrobatが標準でついてくるので、それを利用すればOKです。
加工2-ソニーの端末のように、小さいもので読むことはここが肝ですが、「トリミング」をして、余白を削っておきます。この時にも、奇数ページと偶数ページを別にトリミングすると、きれいに余白がなくなります。
また、トリミングのときに、大胆に
・ページ番号
・右肩・左肩の章の名前
なども削ってしまうと、より、小さな端末でも見やすくなります。
もともとページ番号は表示されるし、検索があるからどこの章かを肩を見て検索をすることはまずないので、情報としては要らないからです。
ステップ4-端末で読む!!
自炊しても、読まなかったら、本末転倒です。ソニーのリーダーで特に気に入ったのは、OCRしておけば、ノート機能でマーカーつけると、ちゃんとノート一覧に残ること。あとで大事な部分を見直したり、検索するのに超便利です。
この時も、暗さやコントラストをマニュアルで、それぞれの自炊された書籍ごとに調整すると、より読みやすくなります。
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というわけで、初日なので、まだ10冊くらいしかスキャンしていませんが、いい感じです。MDをせっせと作っていた頃を思い出しました。いろいろなところにバラバラと読みかけだったものが、1カ所にまとまるのが、ほんと、いい感じです。当たり前ですが、持ち歩いても、軽いし、本も傷まないし。
ほんと、比喩としては、CDをばんばんとデジタルオーディオプレイヤーに入れる感じとよく似ています。もちろん、断裁機もドキュメントスキャナもお金を出せば出すほどいいものが手に入りますが、そこは、懐具合と頻度との折りあいですね。また、断裁だけなら違法性は低く、その場合はキンコーズなどで100円台でやってくれるはずです。
私も本当はこのクラスが欲しかったのですが
キヤノン:ドキュメントスキャナー DR-6010C 仕様
あまりにもさすがに値段が値段なので、やめました。でも、100枚載せられて、60枚/分なら、うっとり、ですよね。
しばらくは、自炊→読書の日々が続きそうです。一連の作業、慣れると1冊当たり10分~20分です。一番時間がかかるのが、PDFのOCRのところで、そこ以外はほとんど、時間かかりません。
本好きな人は、断裁機とドキュメントスキャナがあればいろいろ楽しめますので、もしよかったら、このお正月、自炊にチャレンジしてみてください。
2011 01 02 [2.実体験観察から] | 固定リンク
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