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July 13, 2010

「有名」ということについて、考える2つのポイント

ここ数年、サイン会や講演会などで、

「有名になりたいのですが、どうしたらいいでしょうか」

という質問を受けることがあります。

このことについて、ちょっと検索をしてみたのですが、あまりいい答えがないようなので、現状、私が考えていることをブログにまとめておきたいと思います。

とりあえず、有名、を辞書で引くと、このように出てきます。

「広く知られていること。名高いこと。また、そのさま。」
(出所: 「大辞林 第二版」)

すなわち、「知名度が高い」と言い替えることができるでしょう。何らかの理由で、多くの人がその人の名前を少なくとも知っており、その人の性格や活動の一端でも知っている、ということになるでしょう。

そして、その範囲がある一定の特性のある人の間であれば、「知る人ぞ知る」と言うことになりますし、不特定多数の人に知られていると、いわゆる、有名人、です。

私が、この「有名」ということについて、考えるポイントは以下の2つです。

1. 有名になるかどうかは、本人が決めるのではなく、市場原理が決める
2. 有名になることについて、明確なメリットとデメリットがあり、そのバランスを考えないと、けっこう苦しい

以下、順番に説明していきます。

1. 有名になるかどうかは、本人が決めるのではなく、市場原理が決める

この部分、私がたくさんのいわゆる「有名人」の方々と接してきて、つくづく感じることです。もちろん、「有名になりたくて、なりたくて、しかたない」という動機から、有名になった方もいないことはないです。

しかし、より多くの人たちは、「自分の得意な仕事をして、あるいは自分の居場所を探していたら、なんとなく行き着いた先が『有名人』と言われるような仕事だった」という感じです。

有名になりたかったのではなく、そこでしか生きられなかった、という感じなのです。

卑近な例ですが、私も、2007年の時点まで、自分がマスコミに出るようになるということは、まったく考えていませんでした。

本については、2000年頃から何度か訳書に参加をしたり、部分的な著作を書いていたので漠然とはイメージがあったのですが、「本を書く」ということと「マスコミに露出する」ということはまったく違うわけです。

ただ、淡々と、目標に向かって、もっとも効果的なマーケティングは何か、考え抜いて淡々と実行していったら、今に至った、ということになります。

なぜなら、有名、という言葉の定義の通り、不特定多数の人たちが、何らかの形でその人のことを知るわけですから、知るべき需要があり、それにマッチした供給がないと、「有名」という現象は起きないと思います。

ほんとうに、たまたま、です。

なので、「小説家になりたい」「音楽家になりたい」「俳優になりたい」という人たちは多くいますが、焦らず、自分の強みを磨き、市場と向きあいながら、市場に導かれるままに、市場原理を行かしながらタイミングを見計らう方法がお薦めです。市場の方が、見つけてくれます。

そして、その強みというのは、有名になっても、ならなくても、関係なく、続けられるものでないといけないのです。

私は、ものを書くことと、マーケティングをすること、この2つはなによりも大好きです。

お金がもらえても、もらえなくても、ずっと書き続けるし、考え続けるし、いろいろな情報を仕入れて、頭の中で整理していると思います。

マーケティングも、自分のマーケティングだけではなく、人のマーケティングも、市販の商品も、何もかも、気になってしまいます。

「なんでそんなに書くの、本を出すの? ブームに乗じているの? 出版社に乗せられているの? 」と聞かれますが、違うのです。書きたいから、書いているのです。それは、音楽家が音楽を奏でるのと同じことです。

そして、私にとって、書くことというのは、書きっぱなしにすることではなくて、1人でも多くの人にその内容を読んでもらうこと。だからこそ、そのあとのマーケティングがセットになっています。

そんなある意味、ちょっと変わった思いに対して、たまたま市場が反応すると、「有名」ということになるのでしょう。

「わくわく、ドキドキすることを続けていたら、気がついたら、そうなっていた」、有名になる、というのは私にとっては、そんなイメージです。

そして、市場がいったん飽和すると、浮動層が離れることで「ブーム」というのが去り、その後、固定客を十分に育成した人や、あるいはさらに次の市場での需要を満たすことができた人が、「有名で居続けられる人」なのでしょう。


2. 有名になることについて、明確なメリットとデメリットがあり、そのバランスを考えないと、けっこう苦しい

そうはいっても、では、有名になるということは、いいことなのでしょうか。私はよく、「タダ飯はない」ということをいつも繰り返し、繰り返し言っていますが、当然、有名になることで、デメリットも多くあります。

メリットはもちろん、「自分がしたいこと、やりたいことの範囲が広がる」ということです。金銭的なメリットはありますが、単に効率よくお金を稼ごうと思ったら、必ずしも「有名」になる必要はありません。

それよりは、今やっていることについてなにかチャンスをもらいやすい環境になるとか、新しいチャレンジをできる環境にあるとか、さまざまな新しい人との出逢いがある、といったようなメリットの方が大きいでしょう。

そして、デメリットは一般に言われる「有名税」です。プライバシーの侵害、過度の賞賛や過度の批判、知名度を狙って商売をしてくる人たちへの対応、周りの人たちの遠慮など、あげたらきりがありません。実際、自分は相手を知らないけれども、相手は自分を知っている、という状況で生活をするということは、想像を絶する環境です。

だからこそ、「自分がしたいこと、やりたいこと」に対する有名メリットが十分にないと、有名デメリットが大きいため、単に「有名になること」は割に合わないのです。その差し引きで考える必要があります。


私はいま、もうすでに自分のことはあまり客観視できない環境にありますので、他の人と比較をして、どのような状況なのか、十分に数値化できていません。

しかし、せっかくなかなかできないおもしろい体験をさせてもらっているので、自分ができることはできる範囲で、のびのびといろいろなことを試して、いろいろな人とお話しをさせていただいて、そして、いろいろとこれからも観察していきたいと思っています。

ちょっとまだ、思考半ばですが、とりあえず、今考えていることを文字にまとめておきます。またもう少し考えが深まったら、続編を書く予定です。

2010 07 13 [2.実体験観察から] | 固定リンク

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