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September 18, 2005
能力と道具とお金の関係
今週は、人間が本来持っている能力と、道具と、お金の関係について考えたいと思います。
以前、なぜ車をみんな持ちたがるのか、という話をしましたが、要は車を持つことで、自身の足が速くなったような気がして、行動範囲が広がる、という人間の根本的な欲求を満たすためではないかと思っています。
同じように考えていくと、身の回りのものは、いかに自分が持っている本来の能力を、能力自体は上がりにくいので、より近道をして、より上手に使うために、あるいはより魅力的に示すために存在するのか、と考えるとおもしろいかと思います。
たとえば、下記の通りです。
顔をきれいにみせる→→→本人の顔はきれいになかなかならないので、たくさん化粧道具を買う
足を速くする→→→足は速くならないので、自転車・車・タクシーを使う
知識を身につける→→→一朝一夕につかないので、本を読んで語ったり、パソコンでネットで検索する
より広範な能力を身につける→→→自分が一人でするのは大変なので、コミュニティや携帯電話でお友達を作る
そして、仮説としては、おそらく、自分が強みにしたいところと、人よりもかなり弱いところに、その道具をたくさん使うのではないかと思います。
例えば、知識を売りにしている人は、より知識を磨く方向に道具を使い、顔を売りにしている人は、より化粧を磨く方向に使うのではないでしょうか?
逆に、顔にコンプレックスがある人も、なんとか化粧でごまかそうとするでしょう。肉体的な魅力がない人は、よい車を買って、そこを補うかもしれません。
また、英語とダイエットがいつまでも人気があるのは、なかなか道具では代替できないからかもしれません。そのうち、自動翻訳機とかが出てきて、いらなくなったら、英会話学校も人気が下がるのでしょう。
さらに、お金、というのはどうも、その道具を手に入れるための手段のような気がします。すなわち自分の能力を他人に対して優位に立たせようとするため道具を手に入れる、それにはお金がかかりますので、それで装備をする、そしてその装備でまた強くなって、新しいお金を手に入れるわけです。
そうやって考えていくと、あーーーなんだ、ロールプレイングゲームと同じしくみじゃないか、と思うわけです。だからこそ、RPGは疑似人生のやり直しとして、あんなに人気があるのでしょう。
とりあえず、HPとMPが与えられて、せっせと体力をつけ、呪文を覚え、敵を倒してお金とアイテムを手に入れ、再びレベルアップをしていくわけです。
私はそういうわけで、携帯や化粧道具はなくても全く気になりませんが、ノートパソコンと自転車がないと、自分がとてもレベルダウンするので、フィールドに出て行くのは、とても不安です。
さて、あなたのとりあえずの武器は何ですか? また、レベルはどのくらいでしょうか? そんな視点で一度、自分の好きなものや行動パターン、強みなどを見直してみるとおもしろいと思います。
2005 09 18 [2.実体験観察から] | 固定リンク
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コメント
投稿者: 涼風 (Sep 18, 2005, 4:41:47 PM)
ムギさん、こんにちは。新参者なのにいつもお邪魔しています。
>そして、仮説としては、おそらく、自分が強みにしたいところと、人よりもかなり弱いところに、その道具をたくさん使うのではないかと思います。
人よりも弱いところ、コンプレックスをもつところで私たちは努力してしまう、という話を他でも聞いたことがありました。
つまり、私たちは幼いころから「頑張る」ように躾けられていて、それも「駄目な部分」を大人から注意されるので、本来は不得意な分野・コンプレックスのある分野で頑張ってしまうようです。
今回のムギさんのお話もそれと同じことを触れられているように思いました。
僕の場合は学校の成績が悪かったからか、「頭がいい人」への劣等感が強い分、本を読んだりする時間に多くの時間を割いてしまいます。ただ図書館を利用しているので、金額は微々たるものなのですけど。
日本の学校教育だと(どこの国でも似たりよったりだと思いますが)、すべての科目、少なくとも主要5教科全てでいい点をとらないといい学校へ行けないので、どうしても「苦手な科目」を克服するように教師は指導するので、やっぱり苦手な分野を頑張ろうとする癖が身についてしまうのかなぁと感じています。
あと、女性の厚化粧がきれいに見えないのは、おそらく女性自身が一番分かっているわけですよね。でも、コンプレックスがあるからどうしてもやめられないのでしょうか。
いつも面白いお話有難うございます。
投稿者: hideto (Sep 19, 2005, 12:08:18 PM)
ちょっと最近考えてたことに近かったのでよかったです。
RPGで例えられてたので、RPGで例えたいと思います。
能力=レベル、あるいは職業?
お金=ゴールドとかお金
道具=武器防具
こんな感じでしょうか。
で、能力がないから道具に頼るということは、レベル1で戦えないから強い武器を購入する。
あるいは、攻撃は強いけど回復魔法使えないから、薬草を購入する。
こんな感じでしょうか?
で、能力がないから道具で補うということは、レベル1だから最強の武器防具を購入する、ということですかね。
となると結局、能力は現状維持。
わかりやすく、インターンシップとアルバイトとした場合、アルバイト→お金取得→武器防具購入、インターンシップ→お金なし→経験値たくさん取得とすると。(厳密にはアルバイトでも経験値を稼げそうですが少しということで)
1度お金稼ぎまくって、強力な武器防具を装備してある程度まで進んだことありますが、ラスボス付近では通常のモンスターすら倒せない、なんて状態に陥りました・・・。
ってことで、能力を上げることの方が重要かなぁと思ったり。
ただし、道具を装備できれば、さらに強くなるので、そのへんのバランスをどうするか、あるいは道具を購入するためにお金を稼ぐ行為でもって、能力を上げることができないか、など考え中です。
ちなみに私の基本思考は、苦手なものは捨てる、です。(ぉぃ)
さらに、普通なものは現状維持で、得意なものは放っておく。(だめだめですね・・・)
あ、でも、勉強ダメダメだから、少しは本を読むようになったというのはありますね。(読む習慣すらなかったので面白くて簡単な小説から)
投稿者: ムギ (Sep 19, 2005, 9:58:43 PM)
涼風さん、こんにちは。
なんか、そうなんですよ。産業でも、最低水準がそろっているといい産業と、強みが強いといい産業と両方ありますよね。
困ったのが、デジタルになることによって、優れたものをコピーするのが簡単になって、あまり最低水準がそろっている、ということが強みにならなくなってきたのかなぁ、なんて思っています。
まぁ、とりあえず、やりくてできることしか人間できないので、その中で幸せをつかめばいいのかなぁ、なんて雑ぱくに思っているところです。
そんな感じで納得感はありますか?
投稿者: ムギ (Sep 19, 2005, 10:04:29 PM)
hidetoさん、こんにちは。
いや、たぶんRPGと同じで、経験値がたまると、レベルアップ、本体もしていくんだと思います。
ただ、あまり怖い敵だと倒せないし、逆に弱い敵ばかり相手にしていると、経験値がたまらないし、ということではないでしょうか。
あとはパーティーをくむ、というのも実は示唆深いんですよね。お互いに弱点を補い合うわけです。
というわけで、道具・お金・経験値のバランスを現実でもとっていくのかと思っています。
ちなみに、現実の道具の中には、例えば会社の肩書きとか、資格とかが入るのかもしれません。防御力いくつ、攻撃力いくつ、みたいな。
投稿者: 涼風 (Sep 20, 2005, 9:41:59 PM)
ムギさん、レスしてくださって有難うございます。
「最低水準がそろっているといい産業と、強みが強いといい産業」というのは例えばどういうものをイメージされているのでしょうか。
最近よく言われているのは、企業はもはや管理職のポストを以前ほど用意できないので、「大卒で企業で働いて年収1千万前後を貰う」というストーリーを普通の人は描けないということですよね。
つまり大量生産で利益が上がっている時代では、真面目に働く社員にいい報酬を用意できたけど、商品の差別化が極端に要求される現代だと、単に真面目しか取り柄のない人ではなく、特定の強みをもつサーヴィスを生み出せる人しかいい報酬を得ることができないとよく聞きます。
ただその強みはこれまでのように学校で平均点を取るように教育していると出てこないのかな、と思います。
でも、その人がもっている「強み」というのは、他人に教えてもらうものではなく、いろいろな経験を通じて個々人が発見していくものだから、教育にも限界があるのかも。
子供が普段から自由にものを考える癖がつくような条件付けができればいいのでしょうけど。でもそれが一番難しいのかもしれません。
ちょっとまとまりのない文章になってしまいました。
投稿者: ムギ (Sep 22, 2005, 11:57:24 PM)
涼風さん、こんにちは。
そうですね、イメージしていたのは、例えばアナログ的な製造業とか、仲間内同士のすりあわせが品質を決める機械の組み立て、とかです。
逆に、デジタル技術がしっかりしてくると、複製が簡単になるため、一部の才能がある人がいれば十分、となるわけです。
集団としての知性をどこにもとめるか、ということでいろいろと、その時点に応じた教育方針があるのだろう、と思います。
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