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September 26, 2005

ベストセラー作家の講演会からの学び

今週は、大沢在昌氏・宮部みゆき氏の二人のベストセラー作家の講演会に行ってきた中で、おもしろかった内容をまとめたいと思います。

講演は、ホテルオークラのイベントで、私の修業時代という名前で、600人ほどを集めて開催されていました。私は初めて行きましたが、検索したところ、こういう作家のイベントは、それなりの頻度で開催されているようです。

すなわち、作家を歌手だと考えると、

CD=書籍作品
コンサート=サイン会や講演会

という構図のようです。

こういう、書き物のプロのメンタリティやライフスタイルに興味があったのですが、なぜ、この人たちが成功できたのか、要約すると以下の点になります。

1. 書くことは呼吸すると同じくらいの肉体労働として位置づけ、とにかく量産すること
2. 売れるか、売れないかは時代と合うかどうか、報われるかによるが、それは正直、わからないと割り切ること
3. 自分しかわからないものなど書かず、エンターテイメントのための文学として存在すること

ちなみに、宮部みゆきさんは新潮社だけで1,100部以上、売っているそうです。模倣犯は130万部だとか。

以下その秘密を個別に説明していきます。

1. 書くことは呼吸すると同じくらいの肉体労働として位置づけ、とにかく量産すること

プロは、アイデアがないからかけない、なんてことは言ってはいけないそうです。書くマシンと化して、1時間何枚、というペースを保ちながら、とにかく書き続けること。例えば、大沢氏であれば1時間原稿6枚、宮部氏はもう少し早いとか。

いろいろ考えすぎずに、書くこと=呼吸すること、くらいの気分で、とにかく、書き続けるそうです。

2. 売れるか、売れないかは時代と合うかどうか、報われるかによるが、それは正直、わからないと割り切ること

ベストセラー作家たちにも、次の作品が売れるかどうかは、わからないそうです。たまたま時代背景にあったり、いい顧客に恵まれるとよく売れますし、自分として作品がよかったなぁ、と思っても、売れないときは売れないそうです。

ただ、大事なのは、いろいろとアンテナを張りながら、自分の好きなものをしっかりと定期的にアピールしていくこと、ということでした。

3. 自分しかわからないものなど書かず、エンターテイメントのための文学として存在すること

純文学のように自分が志すものに閉じずに、エンターテイメントとしてのビジネス、エンターテイメントとしての文学に徹してもいいのではないか、と考えることが一つのブレークスルーのようです。

どうしても、文学というと芸術とか、そういうことに偏りがちですが、読む人がいて、楽しむ人がいて、初めてビジネスになる、というのがベストセラー作家たちの発想でした。

とはいえ、お二人とも、OL時代があったり、あるいは月収10万円の時代があったり、いろいろと苦労をしてきたようですが、新人時代に有名作家の代返(大作家の原稿が落ちたときの代替え原稿)などによりチャンスをつかみ、コツコツと今の地位を築いたようです。

私も種類は違いますが、ある意味、物書きに近いビジネスをしているので、とても参考になった講演会でした。

また機会があれば、別の作家のものもいってみたいと思います。皆さんも、機会がありましたら、ぜひどうぞ。

2005 09 26 [2.実体験観察から] | 固定リンク

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コメント

投稿者: koba (Sep 28, 2005, 1:09:47 PM)

ムギさんこんにちは。
 ちょうど私も先日、林真理子さんの講演会へ行ったばかりで、その時感じたことと似ているな、と思い書き込んでみます。
1,2,3のどの項目についても触れてましたが、私がへえ、と思ったのは、ターゲットを明確にした作品作りをしているという点です。エッセイなどもよく書かれる方なので、そのまま本人のキャラクターなのかと思っていたら、たくさんのジャンルの雑誌や新聞に書くためにはそれぞれのターゲットの関心や背景をかなり意識してかからないとすべってしまうとの事。

林さん自身が元コピーライターで広告マーケティングに関わってらした方だからなのかもしれませんが、作家というと夜も昼も無くアイディアとフレーズの融合を頭の中で発酵させているというイメージがあり、どちらかというと閉じた思考回路で執筆していると思っていたので、エンターテイナーとしての要素が大きいこと、しかもコントロールされた労働時間内で作品を仕上げることが身上、というお話にはびっくりしました。
この方はワーキングマザーでもあるわけで、もちろんマネージャーがスケジュール管理をしているとはいえクリエイティブな作業を仕事にしている人が、時間管理の仕方がうまいという話に『結局は、自己管理が出来る人は成功する』ということだろうか・・・・と己を省みることになりました。

投稿者: ムギ (Oct 7, 2005, 7:17:05 PM)

kobaさん、こんにちは。

おもしろい話をありがとうございました。そう、林真理子さんの講演もあるのがわかったので、ぜひいってみたいと思っていたのです。参考になります。

自己管理も一朝一夕にできないので、コツコツとやるしかないですよね。

とりあえず、講演を聞いてから、アウトプットの量を仕事でも増やしてみました。なかなかいい感じです。

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