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August 29, 2005

美人の仕組みを科学で考える

なぜ美人ばかりが得をするのか

なぜ美人ばかりが得をするのか

今週は、美人についての科学を解き明かそうとした本を紹介します。

アマゾンの書評でも何人かが指摘していますが、この邦題は、かなりミスリードでして、英語は「Survival of the prettiest」ですから、「美しいものが生き残る」の方がより正確だと思います。

この本からの基本的なメッセージは非常にシンプルで、下記の2つに主として要約されると思います。

メッセージその1
女性に対して「美しい」と感じるのは、男女、民族や文化、年齢の違いなどほとんどなく、「生殖能力が高いと感じる」女性に、人間は無条件に魅力を感じる。

メッセージその2
男性に対しては、女性は「美しさ」よりは「経済的な強さ」をより重視する傾向がある。また、男性が男性を美しい、と感じるのは、群れのリーダーとしてのリーダーシップがあるか、ということを重視する。

具体的には、どういうことなのでしょうか?

本の中では、下記のような様々な事例を紹介しています。

・例えば、女性がもっとも美しい時期は18-24歳くらいですが、これはもっとも生殖能力が高い時期からです。
・肌の美しさや髪の美しさが重視されるのは、健康を測るバラメーターだからです。
・左右対称(シンメトリー)なものを美しい、と私たちが感じるのは、シンメトリーなほど、動物にしろ、人間にしろ、丈夫だからのようです。
・ただし、美人が得ばかりではなく、美人・美男に対しては、周りの期待値も大きく、能力が伴わないと、がっかりされる傾向があります。
・男性は女性を選ぶ際に、美醜で判断するが、女性は男性を選ぶ際に、見かけ以上にどのような制服を着ているか、ということに興味を引かれます。

しかし、内容から言って、微妙だな、と感じたのは、実は、美人・美男だからといって、本人の人生に対する満足度は決して高いわけではない、という話です。

もともと美人を選ぶプロセスが人間のサバイバルから来ているのと同じく、人間は基本的には必ず不満足な状態でもがくようにできていますから、美人には美人なりの不満がいろいろあるわけです。

そして、この本は、最後は「不美人な容貌だけれども、とても魅力的な女性」を紹介して、本を終えています。

人の美醜について評論したり、分析したりすることは、社会学的に、あるいは他の面からタブー視されてきた部分がありますが、基礎知識として一通り持っていると、なるほど、と納得できることが多いので、一読をお勧めしたいと思います。

2005 08 29 [3.お勧めの書籍] | 固定リンク

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» おとなしい性格と恋愛(VOL.7) from 内気な人に幸せを
久しぶりのこのシリーズです(^^;自分が魅力的な人間になれれば、恋愛にも良い進展 続きを読む

受信: Sep 4, 2005, 7:00:13 PM

コメント

投稿者: 円山貫 (Aug 29, 2005, 6:10:46 AM)

先週の続きですが、この本の文脈で「なぜおとこは、クルマを買いたがるのか」はかなり説明できそうです。
「制服」「経済力」「リーダーシップ」「強さ」の指標

だとすると、「おとこにとっての車幻想は、サバイバルに根ざした深いものであり、続く」、と。

ただ、五段階欲求説的に考えると、生存欲求が満たされた状態では、他の欲求も見えてくるので、幻想は相対的に薄れるでしょう。

これは、「美人」でも言えますね。

根源的な欲求であることは認めた上で、相対化して考えられるようになりたいものです。

余談:私にとっての美人は、笑顔のいい人。内面の健康さが素朴に現れるのが笑顔なのだと思います。

投稿者: ムギ (Aug 29, 2005, 6:27:46 PM)

円山さん、こんにちは。

ああ、いいですね。車は狩猟時代における馬の役割をしているのかもしれません。

そうすると、確かに記号として、とても大事ですね。

そう、生存技術が発達してきた今、本当に生存に向いている、という理由だけで美を語る時代は終わっていくのかもしれません。

とはいえ、所詮、人間はサルですからなかなか抜けないような気もします。

素朴な笑顔、いいですねぇ。笑顔の研究もしたいものです。

投稿者: hideto (Aug 29, 2005, 9:59:25 PM)

車でそんな考えが!と、ビックリでした。
ってことは、制服とか車とか興味ない私は生存本能が低いってことでしょうか?(苦笑
ん?満たされてる??
欲求五段階説だと、子孫を残す=生存本能なんですかね?
となると、美人に惹かれて結婚、というのも納得いきます。
で、3年目ぐらいから仲が悪くなるという話を聞きますが、生存欲求が満たされたためにもう必要なくなり、他の欲求へと移り変わってるというのも原因なのかな?
となると、結婚後をうまくするには、恋愛→安全安定の欲求となり、社会的欲求や承認欲求、自己実現の欲求を満たしていく方向修正をすれば、うまく行くようになるんですかね?
なかなか5段階説だけでも、ライフサイクルなどと同じで結構奥が深いっぽいですね。

美人に関しては、まあ一般的なものもありますが、私も笑顔が素敵なのはいいですね~。
あ、だから斎藤一人さんはツヤだして光モノ身に付けて、笑顔で天国言葉を・・・と、妙なところでシンクロしました。
タイトル的にスルーしそうでしたが、しないでよかったです。

投稿者: sayaka (Aug 30, 2005, 8:44:40 AM)

考古学では「道具は身体の延長である」と定義されています。つまり、「手で土を掘る→鍬で土を掘る」「手で水をすくう→容器で水をすくう」「走る→車を運転する」というように、道具は身体の機能を強化してくれる存在だと考えるわけです。

道具の便利なところは、本人の身体を鍛えなくても、いい道具さえ揃えれば自分がランクアップしてしまうところです。だから、オトコは「より速く走る」車を欲しがり、オンナは服やアクセサリーに執着する・・・って考えるとすっきりするでしょ?

あと、hidetoさんご指摘の「3年目の浮気」は、確か夫の育児への協力度でけっこう違ってくるという調査結果がありましたよ。子作りの役目が終わっても、子育てパートナーとしてリサイクルできるところを示すと、女房は惚れ直すのだそうです。あら、でもオトコの方はどうなんでしょう? どうしたら惚れ直すのかな?

投稿者: hideto (Aug 30, 2005, 10:25:44 AM)

なるほど~と思ったので、少し。
子育てパートナーとなることで、子育てへの負担が軽くなる=安全安定の欲求が満たされる、ということですね。
ということでやっぱ、ある程度あてはまってるのかもです。

女性の場合は、う~ん。
学生で未婚なんで、話とか聞いた上での推測ですが、大体美人は3日で飽きると言われてますので(笑)、見た目で結婚した場合にはすごく気をつけなきゃいけなさそうですが。
見た目以外でしたら、家庭のことが安心して仕事に出れるようにできるといいと思います。
それで安全欲求は満たされますし、その上、いつもありがとう、なんて言われたりすると社会的欲求が満たされて、承認欲求も満たされやすいんじゃないかなぁと思います。
そうすれば惚れ直してくれると思いますんで、そこで子育てとか家庭のことを相談すれば、否定される確立はぐっと減ると思います。

まあ、経験がないのであくまで推測ですが・・・。

投稿者: mika (Aug 31, 2005, 4:41:36 AM)

よく読ませてもらっていましたが,初めて投稿します.本を読んでから感想投稿するべきかとも思いましたが,コメントを先にさせてもらうことにしました.
似たような内容で,竹内久美子さんという動物学者の方がエッセイ風にシンメトリーや異性に惹かれるのはなぜか,ということを書かれています.その時にも,少々開眼させられた心持ちでしたので,紹介の本も手に入りしだい読んでみようと思います.是非,機会がありましたらどうぞ.
しかし,文化の発展した今でも,人間の行動は,遺伝子/本能?に大きく左右されてしまうものなのでしょうか.興味深いと思います.

ちなみに,スカンジナビア諸国では,男性の家事育児参加率がほぼ100%のようですが,同時に離婚率も高いのですよね.これは生存能力などの原始的要因よりは,社会的要因が高くなっているためかとも思いますが...

ちなみに,ムギさんが,「実は、美人・美男だからといって、本人の人生に対する満足度は決して高いわけではない、という話」に,微妙だなと思われたとのこと,機会があったら少々詳しく聞いてみたいです.

投稿者: ムギ (Sep 1, 2005, 8:14:36 AM)

hidetoさん、sayakaさん、こんにちは。

あーー、いいですねぇ。確かに道具は延長なのですね。こういう、なにか無関係な知識が体系化されていくのは気持ちがいいです。

とりあえず、自分の生存に役立つ人を人間はパートナーに求める、ということでしょうか。

遺伝子系とか動物学系はおもしろいですよね。読み物として、けっこう楽しいです。

最近、珍しく化粧品売り場に行きましたが、女性が美人に見えるようになりたい、というのは本能なのでしょうね。

まぁ、世の中、そこにつけ込んだ商売も多いわけですが(笑)。

金儲け、英語、ダイエットを3大欲望商売と勝手に読んでいますが、ダイエットというよりは、美容、とか健康、と言い換えた方が汎用的かもしれません。

投稿者: ムギ (Sep 1, 2005, 8:26:50 AM)

mikaさん、はじめまして。

確かに、この分野だと、日本だと竹内久美子さんの本が有名ですよね。

翻訳物だと、けっこうこういう、遺伝子もの、と多いです。

所詮、人間はサルだ、ということを考えた研究が結構ありまして、個人的にはその通りかなぁ、と思います。

美人、美男でも、というのは書いたままてのです。世の中には、美人研究とか、金持ち研究とかけっこうあるのですが、わかっているのは、そういう人たちは自分が感じる満足度は決して高くない、ということですね。

宗教では「足を知る」ということで、現状でどうやって満足して幸せになるか、という教義が多いようですか、人間、満足してしまうと発展がとまるので、どんな状態でも満足できないよう、遺伝子がプログラムされているようです。

周りで美人あるいは美男だと思う人たちの話を聞いていても、確かに満足度が高いとも思えませんし。

人間観察は、本当におもしろいです。

投稿者: あおぞら (Sep 4, 2005, 6:58:48 PM)

ムギさん、こんばんは。
生殖能力という根源的な部分で魅力を捉えるとは、面白い考え方ですね。
恋愛に限らず色々と応用できそうな理論ですね。
勝手ながらトラックバックとブログの紹介をさせてもらいました(^^)/

投稿者: ムギ (Sep 4, 2005, 10:26:34 PM)

あおぞらさん、こんにちは。コメントありがとうございました。

そうですね、この考え方はけっこうあって、サル学を人間に当てはめたりする書籍も多く出ています。

ぜひ、何冊か興味があったら、他の物も手に取ってみてください。

投稿者: U2QMS (Nov 13, 2005, 1:15:12 PM)

>>人間、満足してしまうと発展がとまるので、どんな状態でも満足できないよう、遺伝子がプログラムされているようです。

言ってることはおなじですが
「人間、必ず現状に対する欲求がでてくるようにプログラムされている。その欲求による結果のひとつが発展と呼ばれている」
ということかなぁ、と思います。
こういう観察の結果が、宗教における

>>宗教では「足を知る」ということで、現状でどうやって満足して幸せになるか、という教義が多いようです

という現象になっているのではないかと。

投稿者: ムギ (Nov 15, 2005, 11:47:45 PM)

U2QMSさん、こんにちは。

そうですね。いわゆる成功した、と言われている人たちと会話をすると、まだまだ欲求があるのでびっくりします。

でも、その方が、種として全体に発展するのでしょうか?

そうすると、幸せな人が増えると実は全体では発展しない?

パラドックスを考えるとおもしろそうですね。

投稿者: 通りすがり (Feb 28, 2011, 1:07:03 AM)

テレビでも笑えますが、ネットでも笑えるんですね。

配慮も詰めも甘すぎだよ、おばさんwww

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