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August 07, 2005

あなたはコンテンツにいくら払いますか?

今週は、コンテンツに払っていいと思う値段を考えたいと思います。

以前、マッサージの考察で、だいたい、人間へのサービスは1時間6,000円が相場になるわけを検討しました。

また、今週からi-Podへのダウンロードサービスであるi-Tunesへの邦楽解禁がとうとう始まり、話題になっています。

どうも、私たちは雑誌にしろ、音楽ダウンロードにしろ、月額課金にしろ、だいたい100~300円をコンテンツの相場と考えており、それが数千円になった瞬間に、うーーーんとか考えるような気がします。

では、なぜそんな感覚になるのか。こんな計算をしてみました。

まず、私たちにとってもっとも身近なコンテンツ市場はどこか。それは、地上波のテレビサービスです。

このマーケットの大きさが、日本ではだいたい2兆円くらいです。これを1.2億人で割りますと、一人あたり、以下のような金額になります。

-年間17,000円くらい、払っていることになります。
-月額にすると、1,400円。
-一日あたりにするとたったの46円
-1分あたりは、平均視聴時間で割ると、なんとたったと20銭

そう、テレビというのはとんでもなく、実は安いサービスなのです。気づいていましたか?

次の市場は例えば、自分からお金を払うサービスを考えます。

・最近はやりの音楽ダウンロード、こちらも、ようやく1曲150円になりました。これを5分で割ると、同じく1分あたり30円くらい。

・漫画雑誌の相場は200-300円くらい。これで1時間は楽しめますから、同じように1分あたり単価を求めると、約5円。

・ビジネス書や小説について、ハードカバーの書籍を1,500円として、読む時間が3時間とすると、こちらの分時間単価は約8円。

・映画は1,800円で2時間半として、1分12円。

こうやって積み上げていきますと、人にしてもらうサービスが1分100円が相場なのですから、それに対してコンテンツサービスは、1分あたり数十銭から数十円までに収まらないと、サービスとしての競争力がないことになります。

つまり、コンテンツで儲けるというのはとっても、とってもたいへんなのです。

例外として、ものすごくもうかるコンテンツが2つだけあります。それは下記の2つです。

-色物系
-ギャンブル・お金儲け系

上記の2つだけは、お客が払ってもいいと考える分単価が全く違います。だから、競馬新聞も、Hビデオも、商売として成り立つわけです。

無数にくる迷惑メールも、必ず上記2つのどちらかにからんだものではないですか? なぜなら、労力をかけてまでもうかるサービスはこれしかないからです。

ぜひ、身近なコンテンツサービスの分単価ついて、自分がどのくらい払ってもいいと思っているのか、ちょっと計算してみてください。

2005 08 07 [2.実体験観察から] | 固定リンク

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