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July 17, 2005

マッサージについての考察

今週は、「マッサージ」をテーマに、なぜ今マッサージの値段は1分100円で、今後マッサージチェアに取って代わられるのかどうかなど、ケースを考えてみたいと思います。

まず、ここ数年、マッサージが静かに、着実にブームになっていると思います。ナムコが運営するナンジャパークでは、「りらくの森」というマッサージのテーマパークまでできました。

では、なぜマッサージの需要がいまさらながら増えてきているのか? 私の仮説は以下の通りです。

【需要側の変化】
-インターネット、特にノートパソコンの普及による肩こりの増加
-社会的なストレスの増大
-若年層へのマッサージへの抵抗感の減少
-所得階層の二極化による、マッサージ需要層の増加

実際、私はマッサージに少ない月で5,000円くらい、多い月で20,000円くらい払っている気がします。パターンとしては、ちょっと時間が空いたときにふらーーーっと、通りがかりの店に入ったり、幾つかの行きつけの店に行って、もんでもらう、という感じです。

また、そういう需要の変化に合わせて、上手に供給も伸びてきています。例えば、以下の通りです。

【供給側の変化】
-日本式マッサージ(例:てもみん)、台湾式フットマッサージ(例:烏来)、英国式フットマッサージ(例:Queensway)などのチェーン店の台頭
-マッサージチェアの廉価版の台頭と普及

今回は特に、供給側の仕組みについて、いくつか注目して分析していきたいと思います。

疑問その1-なぜ人のマッサージは1分100円なのか?

まず、不思議なのが、マッサージのプライシングです。多少の大小はあれ、ならすとだいたい1時間で6,000円、30分で3,000円、というのが相場になります。どの方法でも同じです。

そして、実はこのプライシング、ネイルサロンや占いなど、ある程度の人手を必要とする仕事は、ほとんど同じになっています。

多分これは、数か月のトレーニングで人ができるようになる仕事と、ある程度のスペースが必要なときに折り合うギリギリの損益分岐点なのでしょう。

だいたい一人の稼働を一日8時間、稼働率を70%としますと、一人あたりの一日の売上が
6,000円×8hours×70%=33,600円
これを21日かけますと、一月の一人あたりの売上が約70万円です。

福利厚生費を含めた労働分配率を50%とすると、人件費が35万円/月、限界粗利益率が50%となって、一人あたりに必要なスペースがおそらく2-3坪として4-10万円、他にシステム費用や広告宣伝費を考えるとまぁ、こんなものかな、と思います。

従って、これ以上安くするともうからないし、高くすると競争に勝てないので、このバランスで決まってくるのでしょう。

疑問その2-マッサージ器と人の価値はどのようなバランスで決まるか?

それでは、人のコストはこれ以上下がらないとして、マッサージチェアなどのマッサージ器と人はどのように棲み分けていくのでしょうか?

まず、マッサージ器ですが、だいたい以下のような価格帯に分かれています。

1. マッサージチェア・超ハイエンド 30-40万円
最新のセンサーなどの技術が付き、人の手と同じくらいの流れを生み出そうとするものです。

2. マッサージチェア・ハイエンド 20-30万円
1と機能はほぼ同等ですが、量産化によりコストを下げています。

3. マッサージチェア・ローエンド 7-12万円
一世代前の技術を使い、細かい動作はできませんが、人間が強弱や位置を調整することで、最低限のマッサージは可能です。

4. その他肩たたき器・足もみ器など 0.5-1.5万円
部分的なローラーなどです。

マッサージが1時間6,000円ですから、例えば30万円の機械であれば、50時間で損益分岐に達しますので、意外に低いんです。しかも、試してみれば分かりますが、特にハイエンドの機械では、決して使いごこちはわるくありません。

では、なぜ普及しないのか。最大のボトルネックは、「スペースの犠牲」というのがあると思いました。

ハイエンドのマッサージチェアを機会があったら店頭で見てみてください。とにかく、大きいんです。だいたい2畳分くらいのスペースが必要です。日本の住宅事情を考えて、2畳分のスペースをマッサージチェアのために使える家はそんなにありませんよね?

なぜ大きいのか聞きましたら、マッサージ器はメカトロニクスなので、もみ心地をよくしようと思えば思うほど、センサーやモーター部分が大きくなり、2畳になってしまうそうです。

そうすると、今後のマッサージ市場の進化の方向性は例えば、下記の二つのどちらか、あるいは両方になると思いました。

仮説1 マッサージ器が小さくなる

これまでメカトロが中心だったマッサージ器に、少しずつエレクトロニクスが入ってきて、小型化していくことになるでしょう。そうすると、たとえは価格帯はかわらなくても、新市場ができあがることになります。

仮説2 マッサージの自動販売機が増えてくる

スペースとの稼働率の問題もあるでしょうが、マッサージの性能が上がってくると、人よりもマッサージ器の方が安くなる、というタイミングが来るので、マッサージ器を温泉のようにシェアリングするような、自販機型のマッサージ器が増えてくるかもしれません

とはいえ、いろいろと書いてしまいましたが、ほんとうの解は、「マッサージなど必要ない生活習慣をつけること」なんですが、禁煙セラピーがブームになってきたように、「マッサージ要らずの生活」なんていう本がそのうちベストセラーになるのかもしれません。

今週はマッサージ、という身近な材料を元にどのようなことを想像するか、というケースを取り扱ってみました。ぜひ、このような考え方を、他のテーマでも楽しんでみてください。

2005 07 17 [2.実体験観察から] | 固定リンク

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受信: Aug 27, 2005, 9:08:44 AM

コメント

投稿者: Nancy (Jul 31, 2005, 6:24:23 AM)

こんにちは。ムギ畑の方でお世話になってます。
書き込みは初めてですが、ブログいつも読ませてもらって、
ふむふむと納得したり、ほっとしたりしている私です。

マッサージについての考察、とってもおもしろかったです。
需要側の変化、なるほど、と思いました。
また、なぜその値段なのか、
「高いな~」と感じることはあっても、
計算をしたことはありませんでした。さすがですね。

私は、需要側の変化に、もうひとつ、働く人もだけど、
子どもが忙しくなり、家庭内で、肩たたきや肩もみをしなくなった
ということがあると思いました。

投稿者: ムギ (Jul 31, 2005, 9:18:18 PM)

Nancyさん、こんにちは。

ははは、そうですね。小さい頃、よく親の肩もみや腰マッサージをしたものです。

でも、いまもけっこう子どもたちに密かにやってもらっています。

パソコンやめない限りだめかなぁ、と思っていますが、どうでしょうか?

投稿者: sayaka (Jul 31, 2005, 9:20:30 PM)

この話題、面白いなあと思って、ずっと考えていました。私も最近マッサージ・ショッピングをしていまして、ちょいと結論が出たように思うので、TBさせて頂きますね。

たぶん、仮説2がありそうな方向を示唆していると思うので、では、なぜ家電店にマッサージチェアが置いてあるのか? 実はこれ、購入者拡大よりもユーザー層の開拓じゃあないかと思うんですよ。

と、思わせぶりなことを書いて(^_^;)どうぞ読みに来て下さい。

投稿者: ムギ (Aug 5, 2005, 4:53:26 PM)

sayakaさん、こんにちは。

そうですね、確かに、みんな家電やさんできもちよさそーーーうに座っていました。一人15分まで、という札もついていましたし。

最近はホテルの部屋にも、マッサージチェアをサービスで置いているところが出てきましたね。

またご一緒に、話題をふくらませていきましょう。

投稿者: ティー (Aug 18, 2005, 9:30:06 PM)

むぎさんの分析、おもしろいですね。
トラックバックさせていただきました。

私も足裏マッサージによく行きます。
英国式に行ってましたが、最近は烏来も行ってます。

投稿者: ムギ (Aug 18, 2005, 10:09:35 PM)

ティーさん、こんにちは。

うーらいはけっこう、できた当時からよくいっていました。

当時はうーらいしかなかったので、まさか、あんなにあたって、どんどん同じような店ができるとは思いませんでしたが(笑)。

最近は逆に、英国式に行くようになりました。

また、うーらいも、同じような店がうーらいよりも安く提供していて、たいへんですよねぇ。

とりあえず、最近は娘がもんでくれます(笑)。

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