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June 13, 2005

人脈づくりの科学~人脈はほっておくと同質化・劣化する

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人脈づくりの科学 「人と人との関係」に隠された力を探る

今回は、人脈作りについてポイントをまとめた書籍を引用しながら、人的なネットワークについて考えたいと思います。

この本の中では、名刺集めに翻弄することへの警鐘を鳴らし、何が生きた人的ネットワークのコツなのかということを、実施調査を元に科学的に分析しようとしています。

いくつかの考察から、作者が40の原則を打ち立てているのですが、そのうち、おもしろいものをいくつか紹介しますと、以下の通りです。

原則1 未来が感じられる、継続性のあり得る関係こそがネットワークである
原則2 ネットワークは数ではなく質である
原則4 パーソナルネットワークは、自然にゆだねておくと、同質的、高密度になる
原則5 密度の高いネットワークは、情報収集機能が弱い
原則15 異質な他者との接触を重視しよう
原則22 自ら情報を収集し発信するハブに、情報は集まる
原則27 生産性の高い人間は、多数の人を結びつける
原則30 弱い靱帯は情報収集能力に富む
原則34 隙間が多く、風通しの良い関係を構築する
原則36 身動きのとれないネットワークは断ち切り、指数的減退を待つ
原則39 優先的選択に任せておくと、関係は少数に集中し、大多数は関係を持たなくなる

どうでしょう、上記を見ると、なんとなくネットワークの本質のようなものがかいま見えてこないでしょうか?

今、インターネットはGREEやMIXIのような人脈ネットワーク・アプリケーション(Social Networking Service)や、このブログのような人と人をつなげるアプリケーションとして、大きく発達してきています。

一方、これまでのような、名刺交換による伝統的なネットワークも顕在です。他には、携帯電話のアドレス帳のような、緩やかな別のネットワークもあります。

私はインターネットの価値の一つに、上記の本の中でも繰り返し指摘されている、「ネットワークはメンテナンスをしないと、自動的に同質化し、ネットワークの情報収集力の質が劣化する」というリスクを軽減することではないかと思っています。

普段、非常に限られた社会の中で生きているため、どうしても学校・職場以外の人的ネットワークに触れる機会はなかなかありません。

かといって、異業種交流会や合コンでは、効率が悪すぎる。これを補う手段として、ブログでおもしろい人を見つける、GREEやMIXIで知り合う、あるいは普段のオフラインの知り合いをGREEに誘って、関係性を深めるなど、おもしろい使い方ができてくるでしょう。

上記のような使い方は、ここ10年、始まったばかりです。よく、デジタル・デバイドが問題になりますが、本当に問題になるのは、デジタル・デバイドではなく、人脈づくりの加速化がもたらす信賞必罰の加速化と、それによる生産性の多寡ではないでしょうか?

人脈と一言で著していますが、この人とのつながりこそが、今後の生産性を左右し、人生の広がりを左右するような、大きな違いであり、さらにインターネットにより、そのつながりの上手・下手がますます分かれる社会になると考えると、いろいろ恐ろしいものを感じます。

一度、自身のネットワークを棚卸し、かつ、どうやって同質化を防ぎ、より良い情報ハブを手に入れることができるようになるのか、微調整をすることをお勧めします。

その際に、この本の考え方が参考になるかもしれません。

2005 06 13 [3.お勧めの書籍] | 固定リンク

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コメント

投稿者: きよ (Jun 13, 2005, 1:27:29 PM)

こんにちは。毎週かかさず見ています。

この本、私も最近読みました。
そして、この書き込み。まさに私が現在気にしている点をずばりと指摘され・・・

私の場合は、一時ネットワークが充実していたけれど、時代と共に充実度が薄まり、今や閑散として・・・気がついたら、「なんとなく孤独~」という日々をすごしていて、悩んでおります。
振り返ってみると、今までの人脈の上にいろいろ築いていくという過程を踏んでなかったかな、と。

もっと言えば、自分に生産性がないために、人も情報も集まらないのか、と今回の書き込みを見て思いました。

個人的には、安田さんの「弱い靭帯がキーになる」というのに興味はあるものの、弱い靭帯役の人はなんとなくいつでも孤独な感じですよね。

と、個人の悩みをこんなところに書き込んでしまいました。こういうのからして、既に現実世界から離れたところで人探しをしている、という感じですね。
これからも楽しみにしています。

投稿者: ムギ (Jun 14, 2005, 3:25:47 PM)

きよさん、こんにちは。

同じ本を読んだ方に会って、うれしいです。

そうですよね、筆者も弱い靱帯の切れやすさについては警鐘を鳴らしていたと思います。

最近、私は離婚をしたので、これまで、あまり込み入った話をしなかった人と話をする機会が増えてきました。

こういう、私生活の変化に伴うネットワークの変化についてもおもしろいな、と感じています。

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