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May 29, 2005

無意識認知の力~blinkとオーラとNLP

blink

今週は、これまで私たちがなんとなく感じている、「無意識による認知の力」についてまとめたいと思います。

以前、もう一つのブログでblinkという洋書を紹介しています。このblinkは、意識的な判断よりも速い、無意識層の認知における、人間の瞬時の判断について、さまざまな事例をまとめた意欲的な本です。まだ残念ながら邦訳は出ていません。

blinkの中では、以下のような実例が出てきます。

-2000年前の彫刻というふれこみの美術品について、科学者が1年以上かけてさまざまな分析を行って本物と考えたものについて、美術専門家や彫刻に携わる人たちは、一目見た瞬間に「これはFresh(=新鮮)だ」という違和感を持ち、偽物と瞬時に判断できた。

-トランプのデッキを4つずつまとめて、赤いもの、青いものに分けて、意図的に片方だけにより多くの配当が来るカードをいれた賭をさせると、一般の人は40-80枚めくっていかないと、どちらの方により良いベットのデッキがあるか判断できないのに対し、ギャンブラーは10枚くらいめくったところで、指先が緊張するなど生体反応が出始め、統計上ではわからないくらいのわずかな差のうちに、どちらのデッキが確率が高いのか判断できた。

-経験深い結婚カウンセラーは、5分間、カップルの会話や動作を観察するだけで、95%の確率で、そのカップルが将来離婚するのか否か、判断することができた。

また、最近、おともだちといっしょにはじめたブログで、Carrieさんが女優のオーラというエントリーで、女優さんが現れただけで、その周囲の風景が変わった、という実例を出しています。

そう、私たちは認知を意識層・ことば・論理などでやっていると思っていますが、実は論理による認知はものすごくスピードが遅く、かつ実は不正確です。無意識層の認知力が私たちが判断だと思っていることの大半だったりします。

では、その無意識層による認知の力をどうやったら高められるのか?

これらの研究については、神経言語プログラミング(Neuro-linguistic Programming)という名称で、少しずつ研究が進んでいるところです。しかし、学問自体がまだ1970年代に立ち上がったばかりで、しかもやや成功法則よりであり、まだ完全には一般化していません。

実際、なぜ人間を含めた動物が知性を持つのか、ということについてはまだ解けていない科学上の問題の一つと言われています。

しかし、少しずつですが進んできたのは、これまでわからないということでブラックボックスと考えられていた意識や知性、認知の仕組みについて、少しずつ解明が進んでいる、ということです。

残念ながら、私が学生の頃は、このような話は学校の授業ではほとんど習うことはできませんでしたが、今は書籍でも、インターネットでもとても良い情報がいろいろありますので、コツコツと勉強するととても楽しい分野です。

同じような流れの話として、例えばリスクや確率論の研究があります。確率論が学問として確立していなかった過去においては、リスクは神のぞしる、ということで管理ができないものでした。ところが、確率という概念が生まれ、様々な数式でいろいろな事象のが説明できるようになったことで、病気の予防から金融市場まで、人間にとって有益な手法がどんどん開発されました。

(この辺の話により興味がある方は、ピーター・バーンスタインの「リスク」という本を参照下さい)。

従って、この無意識層における認知の仕組みはいまも研究がどんどん進んでいますし、これからもフォトリーディングなどを含めて、いろいろな応用手段が現れてくると思います。

今、私たちは「オーラをなぜ感じるのか?」「なぜblinkのような瞬時の判断ができるのか?」ということについて、明確な(少なくとも科学的に証明された)答えを持っていません。しかし、DNAやバイオの仕組みがいろいろと解明されるのと同様、無意識認知の仕組みについても、きっとあと10-20年すると、常識になっているのかもしれません。

とても楽しみだと思いませんか?

2005 05 29 [3.お勧めの書籍] | 固定リンク

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» 28冊め:Blink from ティーの本のページ
M. Gladwell, Blink: The Power Of Thinking Without Thinking, Time Warner Book, 2005, 277 pages. ISBN 0-316-17232-4 読もうと思った理由 ・Time誌で紹介されていた。 ・同じ著者の「The Tipping Point」がすごくおもしろかったので、  この本も読んでみようと思った..... 続きを読む

受信: Jul 14, 2005, 8:12:43 AM

コメント

投稿者: まっち (May 30, 2005, 11:17:17 AM)

コミュニケーションツールの切り口(やや成功法則より)からのNLPの本を以前読んで
「ふーん」という感じで本棚に放っておいたのですが、最近、奥が深そうに思えてきた
ところでした。もうひとつぐらいきっかけがあれば(苦笑)、掘り下げてみたいと思います。

投稿者: moto (May 30, 2005, 12:23:24 PM)

興味深い示唆をありがとうございます。
今、センスの有無といったようなことで片付けていることが仕組がわかることで学習できることになるのかもしれませんね。

投稿者: ムギ (May 30, 2005, 4:56:07 PM)

まっちさん、こんにちは。

そう、NLPはなんか、=成功する暗示方法、みたいな感じで歪んでいますが、言っていることはおもしろいです。

ちょっといま、NLPの専門書にチャレンジしていますので、腹落ちしたら、また何か記事を書きますね。

ぜひ、その棚の本、読みこなせたら教えてください。

投稿者: ムギ (May 30, 2005, 4:58:09 PM)

motoさん、こんにちは。

そうなんです。右脳、とかセンス、とかで片付けてしまっていたブラックボックスが、少しずつわかろうとしています。

考えれば考えるほど、人間はコンピュータよりはるかに優秀ですから、もっともっと能力を上手に理解し、使いこなしたいですね。

投稿者: IKE (May 30, 2005, 11:14:59 PM)

こんばんは、ムギさん。
IKEと申します。

NLPについては、本を読んだりしないでいきなり
体感しています。
成功法則寄りというのは、マーケティングを考慮したからで、
もうちょっと認知されてきたら変わるような気がします。
数学の確率論も、そもそもギャンブルの世界で生まれたものですし。

NLPが無意識を扱っているとすれば、
それを本であらわすというのは難しそうですね。
本でNLPはどこまで理解できるんでしょう。

IKE■

投稿者: ムギ (May 30, 2005, 11:26:17 PM)

IKEさん、こんにちは。

コメントありがうございました。すごい、セミナー通っているんですね。

確かに、NLPは非言語の部分が多いので、文章では難しいかもしれませんが、できないことはないと思います。

リスクとギャンブル
NLPと成功法則

おもしろい対比ですね。

やはり、何か実利がないと学問は進まないと言うことでしょうか(笑)。

投稿者: かんじきうさぎ (Jun 6, 2005, 11:13:13 AM)

ムギさん、こんにちは。某所ではお世話になっております。
こちらのブログもいつも楽しく拝見させていただいております。(ココログ仲間ですね^^)
私の娘は自閉症圏と言われておりますが、自閉症という障害は、認知の偏り(あるいは普通の人と認知のしかたに違いがあるとも言われています)が行動や思考に影響していると言われているようです。
それで、このblinkという本のご紹介をとても興味深く思いました。私は英語が読めないので、邦訳が出るのを心待ちにしております。
自閉症についての研究も人類の歴史からいくと比較的新しいようで、学ぶことが多くて、ほとんど趣味のようになってきています(笑)

投稿者: ムギ (Jun 6, 2005, 5:52:58 PM)

かんじきうさぎさん、こんにちは。コメントありがとうございました。

認知の仕方が違う、そういうことなのですか。きっと、みんな、1人1人実は認知の仕方は違うのでしょうね。
そして、一定以上違うと症候群と呼ばれるのでしょうか?

共感覚も同じですし、それをたぶんむりやりおなじプロトコルにまとめたのがことばだし、そのことばにしても日本語をはじめ、いろいろな言語があるのでしょうね。

blinkの翻訳はおそらく、他のケースを考えると、今年いっぱいくらいには出るのではないでしょうか? もっとも、あれを全部日本語にすると、量がすごくなるので、多少例をはしょるのではないかと思います。

アスペルガーその他については、多少勉強したことがありますが、まだまだ心や脳の問題は知らないことだらけです。

またいろいろと情報交換させてください。

投稿者: nagomi (Jun 26, 2005, 6:35:51 PM)

こんにちは!初めて書き込みします。nagomiです。
NLPは創始者であるリチャードバンドラーのトレーナーコースまで修了しまして、これでも一応、米国NLP協会認定トレーナーです。2002年の5月からプラクティショナーコースを受講したことにより、人生の転機をむかえ、夢の実現に向けて、日々、いきいきわくわく過ごさせていただけるようになりました。

NLPは、
理解というよりも、感じること、体で学んでいく感じが私はしております。現在、トレーナーとして、プラクティショナーコースを再受講中です。

私は、大阪の某女性トレーナーより学びました。NLPよりも、その方から何かを学びたかったのが、動機です。せっかく学ぶなら、トレーナーコースまで終えられることを、私は強くお勧めしている一人です。(^^)

日本国内での、クリスティーナのトレーナーコースも合わせて修了すると良いらしいのですが、私には、まだお金も時間も巡っていない現状です。(^^)

ごめんなさい、すっかり長くなってしまいました。
では、失礼します。

投稿者: ムギ (Jun 28, 2005, 9:33:33 AM)

nagomiさん、はじめまして。コメントありがとうございました。

なるほど、やはりNLPは体感が重要なんですね。確かに学問の性質から考えると、そのような気がします。

NLPは現実の生活で、どんなことが役に立ったか、もしよかったら教えて頂けますか?

ぜひまたいろいろとお話しをさせてください。

投稿者: nagomi (Jul 3, 2005, 8:01:45 PM)

レスありがとうございます。嬉しいです。

現実の世界で、役に立ったのは、

 自分に本当の意味で素直になることができるようになった

ということでしょうか。

自分の中の蓋をしてあるモノ、コト。

無いことにしてしまっていたモノ、コト。

気付かされ、自然と「有る」こととして自分で認め、実現する機会に恵まれ、実現する力を養うことができるようになってきました。

私は、他にも潜在意識関連のトレーニングを受け、ティーチャー、トレーナーもさせていただいています。そうする中で、自分自身も、どんどん肩の力が抜けてきたな~って感じています。NLPから少し離れましたけれども、こんな感じです。

とてもあたたかく、やさしい気持ちになることができます。(^^)

天職に恵まれ、そうしたら幸せな家庭も欲しくなってきた今日この頃です。

今後ともよろしくお願いします。
 

投稿者: ティー (Jul 14, 2005, 8:16:54 AM)

はじめまして。ティーと申します。
むぎさんのブログ、おもしろいですね。
Blinkは私も読んだので、トラックバック
させていただきました。
今後もむぎさんのブログを楽しみにしてます。

投稿者: ムギ (Jul 14, 2005, 1:59:21 PM)

ティーさん、はじめまして。

コメントとトラックバック、ありがとうございました。

blink、洋書売り場で平積みになって売られるようになってきましたね。ああいう本は、書きたくとも書けないので、やられたーーー、という感じがします。

私は物書きとプレゼンテーションが本職なので、ブログもその延長、あるいはドラフト書き、と言う感じでネタ帳として使っている感じです。

ティーさんの洋書も、けっこう私が読んだものが多く、おもしろくブログを読んでいました。

また、遊びに行かせてください。

投稿者: ティー (Jul 14, 2005, 8:56:02 PM)

むぎさん、私のブログを見て下さって、ありがとうございます。
3月のフォトリーディングに続いて、7月にジーニアスコードを受講したのですが、受講を決める時に、むぎさんのページが役立ちました。フォトリーディングは効果絶大という感じですが、ジーニアスコードはまだ占いみたいで、ぴんときません。30日のハイシンクタンクをとりあえずやっている所です。
またよろしくお願いします。

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