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December 23, 2004

ブログとユーザーの流れを考える~その1 ブログランキングの分析から

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ブログとユーザーの流れをブログランキングから考察する

これから少しずつ、ブログとユーザーとのやりとりについての考えをまとめていきます。シリーズ化していこうと思いますが、今回はその第1回です。

山のようにブログがあふれる現在、よいブログを見分けるためにはどうすればいいのでしょうか? また、ブログを書いている立場からすると、どうやっていいユーザーをブログに集めることができるのでしょうか?

とりかかりとして、このブログとおなじカテゴリーの経営・マーケティングのブログランキングに載っているブログを母集団として、簡単な分析をしました。

発見したのは、上位にあるからおもしろいとは限らない、ということです(もちろん、おもしろいものもありますが、玉石混淆です)。

なぜなら、上位のブログの多くは、各ブログの記事の終わりごとに、かなり強くクリックをするようにお願いしているため、あるいはそのブログランキングの意味がわからなくてもクリックするようになっているため、中身にかかわらず上位に来てしまう、ということになります。

「お願い」していないのに上位に来ているブログは3つだけ

同じ経営・マーケティングの中で、

(1)一つ一つの記事にブログランキング・クリックのお願いを入れていない
(2)ブログランキングの意味についてしっかり説明している

という要件を満たすのは、上位30のうち、下記の3つのブログだけでした。みんな、著者ならではの視点と経験があり、おもしろいです。
(あ、一応CD、テープを聴いて勉強しようも該当します(笑))。

クリエイティブソナー/ナレッジは発信者へ
チャレンジ社長!中小企業のオレ流経営
中国・上海での戦い(企業構造改革編)

そして、例外なく、この3つのブログは読み応えがありました。それはそうですよね。訪問者が自主的に判断した上でクリックしてくれているのですから、クリックごとの重みが違うのでしょう。

ブログランキングをクリックさせる、あの手この手

もちろん、ブログは人によって主観が入るのでおもしろい、おもしろくないということはあるのでしょうが、それでも、下記のようなふれこみでブログランキングをクリックさせるのはどうかなぁ、と個人的には思います。

例:ブログランキングの説明が全くないパターン

・今日の人気ブログランキングをチェックする
・今日の1番人気のブログを知りたいあなたはこちら!(毎回、順位が変わってます)
・マーケティングの勉強を無料でしましょう!こちら→◆◆◆
・”もっと面白いblog”を見たい方は こちら をど~ぞ! 
・こっちはどうなってるかな?
・このブログのランキングは何位でしょう?

また、記事ごとのお願い系もたくさんあります。

例:お願い系

・← おひとり、おひとつのクリックが元気の素です。よろしくお願い致します。(^_^.)
・↓おひとり、おひとつのクリックが元気の素になっています。
・経験も成長もランキングもちょっとずつ積み重ねていきましょう!
・P.S. 最近「クリックしてして病」を患ってます。クリックしてー(笑
・↓みなさんのクリックが成功への糧となります。
・【ブログランキング】にご協力くださいまし m(_ _)m

ブログのユーザーフロー3段階

一方、ブログのフローをユーザーから考えると、こういうことだと思います。

その1 なにかのきっかけでアクセスする
(ランキング、検索エンジン、リンクなど)

その2 中身を読む

その3 ブックマークをして、リピーターになる

どうも私が解せないのが、ブログランキングなどによる集客は、その1には役だっても、その2以降のプロセスに役立たないばかりか、ブログの記事そのものにとっては逆にノイズになるのではないかと言うことです。この辺は、逆にブログランキングに熱心な方たちの意見をお伺いしたいところです。

また、自身のブログもどこから人が来ているのか見ていますが、検索エンジンと他のサイトのリンクがほぼ大半を占めています。私がブログ解析の中でもっとも重視しているのは「1日に、これまで2回以上ブログに訪れてくれた人がユニークユーザー単位で何人いるか」ということです。

すなわち、その3の数値把握に熱意を上げているわけです。そして、そのためには2を充実させるしか解がないわけです。

ブログは実際のビジネスの箱庭である

ブログを実際のビジネスの箱庭と考えますと、それぞれの3つのプロセスは下記にあたると私は考えます。

その1-マーケティング・広告宣伝
その2-商品・サービス作り
その3-アフターフォロー、重ね売り

ふだん、特に大企業でビジネスをしている人は、どうしてもそれぞれのプロセスの一部にしか参加できないので、ブログを使ってそのダイナミクスを数字ごと把握する、ということをやってみるとおもしろいかな、と思います。

もしすでにブログを始めていて、ビジネスに興味がある方は、自分のブログを一つのビジネスシステムの箱庭だとみなしたときに、どこの部分が一番弱いのか、一度点検してみてると、おもしろいと思います。その経験は実際のビジネスにもきっと役立ちますよ!

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受信: Jan 30, 2005, 1:20:26 AM

コメント

投稿者: iwasakix (Dec 23, 2004, 6:23:53 PM)

姑息な手でランキングに投票させようとするのは
いけませんね。
売り込みの激しい営業マンという感じで構えちゃいます。


正直にやるのが一番だと思います。
それが証拠に本日もこちらのブログに投票しました!

Honesty is the best policy.

投稿者: ムギ (Dec 23, 2004, 7:46:47 PM)

iwasakixさん、こんにちは。コメントありがとうございました。

また、投票もしていただき、ありがとうございます!! 確かに、あまりお願い営業をすると逆効果になりそうですよね。

よく「トノサマ営業の勧め」のような、こちらからお客を選びましょう、という手法が最近活発化していますが、ドミナント・マーケットを狙わない限り、そちらの方が正しいのかな、と思います。

とりあえず、「一日当たりに訪れるリピーターの数」が減ってこないよう、注意しながら私も運営していくことにします。

投稿者: 政宗 (Dec 24, 2004, 2:00:47 AM)

「CD、テープ〜」とともに愛読しています。

自分もブログをやっているので、今回の記事はとても興味深く読みました。

ぜひ、今後ともシリーズを続けて下さい。

投稿者: kiyo-ricci (Dec 24, 2004, 11:07:27 AM)

わかりやすい分析、納得してしまいました。
ムギさんのおっしゃるとおり、ブログってビジネス(マーケティング)の箱庭ですね。いかにリピーターを確保するか、というところにそれが如実に現れていると思います。
ビジネスに興味がある人間にすれば、やっぱり勝負は「2」の中身だろうな、と思います。自分が興味を持ってみているブログはひとつ残らず、「焦点が絞られている」(散漫な日記調ではない)、「読みやすい」「読んでいて自分にとって有益な情報が得られる」という共通点があります。

投稿者: ムギ (Dec 24, 2004, 12:15:00 PM)

政宗さん、こんにちは。

コメントありがとうございました。政宗さんのブログも訪問させていただきました。

ちょっと、政宗さんのブログの中心テーマである「メンター」について簡単にコメントさせてください。

メンターですか。この言葉は大好きです。日本ではなじみが薄いでしょうが、まぁ、お師匠様、という感じでしょうか。

以前行った組織調査でも、メンターの有無が組織のパフォーマンスに大きく影響を与える、という結果が出ました。

でも、ホンモノの人間のメンターに対しては、正直、愛憎半ばだったりします。なぜなら、人間のメンターは必ずしも、きれいなところ、いいところばかりではないからです。

例えば私の場合、これまでのメンターはだいたい、所属した会社の上司でしたので、いろいろ学ぶところは大きかったのですが、最後の最後で人間同士のぶつかり合いみたいになるケースもありました。

今は師匠-弟子の関係から、一応先方は「友人」と呼んでくれるようになっているメンターもいますが、メンターによっては互いに音信不通だったりします。

それでも、今度機会があったらブログにまとめて書きますね。

投稿者: ムギ (Dec 24, 2004, 12:20:17 PM)

kiyo-ricciさん、こんにちは。

コメントありがとうございました。

そうなんです、ブログの場合、読者のことを考えている訓練がある人なのか、ない人なのか、いくつか記事を読むと、すぐにわかる気がします。

特に、人に文章をお金を出して読んでもらっている人なのか、そうでないのか、というのは大きな分かれ目だと思います。

よく情報起業が話題になっていますが、私は気をつけないと、あれは新しいネットワーク・ビジネスだと思っています。本人が価値があると思っていても、他人が価値があると思わない情報にはお金がつかないはずです。

なのに、いかにも、「誰でも数千万円もうけられる」みたいな語り口で、一回数万円のセミナーや教材を売りつけるのはどうかなぁ、と個人的には思っています。

もちろん、値段分だけの価値はあるとは思いますが、必要以上にあおり立てると、夢だけを買って損をする、と言う人が出てくることを懸念しています。

おっと、話がそれてしまいました。このブログでは、私はあまりビジネスとは関係ないので、淡々とそういったいろいろな現象を観察していこうかと思っています。

またぜひご訪問ください。ブログの方でも引用、ありがとうございました。

投稿者: しらやん (Jan 7, 2005, 4:58:13 PM)

こんんちわムギさん
僕もブログやっていてこの話興味深く読ませていただきました。マーケーティングと一緒ですか…僕はランキングに入るには入ったけど順位に興味無しって感じですね。

一ブロガーとしては、
順位アップのためにやりすぎる人は見てて不快だけど上を目指したいって思うのが自然な人間のような気もします。とりあえずカウンターがたくさん回るとうれしいなーって誰でも思うと思いますよ。

投稿者: ムギ (Jan 7, 2005, 10:56:39 PM)

しらやんさん、初めまして。コメントありがとうございました。

そうですね、上に行く方がうれしいことはうれしいです。

そうすると、例えばユニークユーザーの総滞在時間等が自動集計できるといいのですが。

ブログランクにも視聴率調査やNet Ratingのような仕組みがあるといいのかもしれませんね。それだとユーザーに負担がかかりませんから。

投稿者: tiger.park (Apr 19, 2005, 1:02:16 AM)

ムギさん、はじめまして。
この記事で取り上げていただいた
「チャレンジ社長!中小企業のオレ流経営」の
朴寅鎬(パク イノ)と申します。ありがとうございます。
大変、光栄です。中身が濃く大変勉強になりました。
これからもお邪魔させていただきます。


投稿者: ムギ (Apr 19, 2005, 4:50:16 PM)

朴さん、こんにちは

こちらこそ、わざわざコメントをいただき、恐縮です。

よく、ブログはつまらない、と言う人が多いのですが、朴さんのようなおもしろいブログもあるのだ、ということをもっともっといろいろな方が認知してくださればいいな、と思っています。

またぜひ、遊びに行かせてください。

投稿者: 池谷瑠絵 (Aug 13, 2008, 12:48:02 AM)

私は自営業でライター(最近はサイエンスコピーライターと言っています)です。同業者を見渡しても、我(々)がどうしようもなく苦手だったり、それじゃあしょうもないぞということがあって、それをお互い誰も言わないという状況を感じています。これはかなり、笑いごとではありません。

ひとつには、今日たまたま「ブログは実際のビジネスの箱庭である」を読んで、また情報起業についての勝間さんの記事で、以前の私のブログで趣旨としてはかなり同じことを言おうとしたことを思いだして、2つのことが明々白々、明らかになりました。

1 私はビジネスがヘタである
2 私は物を書くのがヘタである

やっぱり!という結論です。そうなんだよ、ライターっていうのはほんとに優秀じゃないんですよ(私の場合、とお受け取りください)。

1にあるように、私はもともと起業(特に女性、IT系)に興味があって、ブログには当初からビジネスのモデルだと思って取り組んでいたにも拘わらず、内容的にはそういう取り組みに全然なっていない、特に検証の方法が感情的であるような(そういうのは検証とも方法とも言わない)、特に初期の頃はそうなっていたと思います。

そこで2は、すでに露呈しています。1がおこったのが「ブログは実際のビジネスの箱庭である」と明白に理解していなかったから、だからです。そのひと言が書ければ、もっとうまく回せたかもしれない、それは両輪だろうと思うのです。

どうしてそういうことが起こるのかというと──多少日本語の問題もあるかもしれませんが──書くということは誰にでもできるし、ある一定の教養のある人は原則的に書けるということを、我(々)が認めたがらないというところに一因があるのではないかと思います。(うーん、このような「説明」で一体何割を説得できるのか、と思うとおよそ自信がないことにも気づくわけですが)

で、2では特に、私が「同じこと」と称する記事がこちらになります。やれやれ、どこが同じなんでしょう。いろいろ勉強になったお礼に「内容のないブログの例」として献上いたします(笑)。

勝間さんのさらなるご活躍をお祈り申し上げます。

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