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December 28, 2004

ブログとユーザーの流れを考える~その2 「よいブログ」の5つのポイント

ブログとユーザーの流れを考えるの第2回です。

ネット上にブログがあふれかえっていますが、まだまだブログは「個人的な日記」と誤解されている部分が多く、市民権を得られていないように感じる面があります。一方、市販の書籍や雑誌に負けないくらいの濃い内容のものもあります。

そこで、私見ですが、以下の5つが「よいブログ」としてユーザーから認知する上でポイントになると感じています。

よいブログと認知する5つのポイント

1. ブログを書いている本人のプロフィールが明確で魅力的なこと
2. ブログの内容が他のメディアでは得られない内容であること
3. ブログの書き主とユーザーの間によいフィードバック・ループがあること
4. ブログとユーザーの間に多様な関係性があること
5. ブログが発展的であり、書き主・ユーザーにとって双方に成長をもたらすこと

以下、順番にポイントを説明します。

1. ブログを書いている本人のプロフィールが明確で魅力的なこと

ブログはある意味、個人のブランドであり、そのブログがおもしろいかどうかを判断する際に最も大きな条件となるのは、誰が書き手か、ということだと思います。その書き手を判断しないと、ブログの内容についても信憑性がわからないし、書き手のメッセージも伝わりにくいのではないでしょうか?

必要以上に個人情報を開示する必要はないと思いますが、少なくとも、ブログのかなりわかりやすい位置に、その書き手をユーザーがイメージできる情報が入手できることが好ましいです。

2. ブログの内容が他のメディアでは得られない内容であること

ブログの競合は、単にネット上の他のブログにとどまらず、テレビ、新聞、雑誌その他あらゆるメディアを含むと考えています。その場合、比較してユーザーが数分でも、そのブログを読むことに自分の時間、Eye Ballを費やしたい内容かどうか、ということは必要だと思います。

もちろん、個人的な日記としてブログを使う場合もありますが、その場合にも、本人なりの考え方、見方を少しでも加えると、広がりが出るように感じています。

できれば、テーマ性を絞った方が、よりわかりやすいでしょう。

3. ブログの書き主とユーザーの間によいフィードバック・ループがあること

コメントやトラックバック、アンケートなど、ブログの作者とユーザーの間にやりとりがある、これがブログにあって、雑誌や書籍にはない唯一最大の武器ですので、その部分をいかに拡張させるかが各ブログの持ち味になるのではないでしょうか?

また、BBSとブログの違いは、ブログの場合はホスト側が明確であると言うことだと思います。ホストとして、どうやってお客様をもてなすか、ということにポイントがあります。

ブログも頻繁に更新された方がおもしろいでしょうが、書き主にも負担がかかりますので、コメントやトラックバックを活用して、書き主以外のコンテンツの広がりが出てくると、楽しいと思います。

さらに、ブログの書き主とユーザーの間には「人間は憧れる人や似た人に惹かれる」という特性がありますので、ブログの書き主が魅力的なほど、集まるユーザーも魅力的になるはずです。

4. ブログとユーザーの間に多様な関係性があること

この項目は他の項目に比べてわかりにくいかもしれません。イメージしているのは、一見のお客様からヘビーユーザーまで、誰でも楽しめるようなブログの設計が必要だと言うことです。

過度の内輪受けはよくないし、かといって、ある程度シリーズで楽しんでもらえる内容でないとリピーターもつまらない。

その部分は、コメント、アンケート、メルマガ、メールのやりとりなど、ネットで多彩に認められているフィードバック・ループを使って、ブログの書き主が設計をしていくことになると思います。

5. ブログが発展的であり、書き主・ユーザーにとって双方に成長をもたらすこと

ブログが一般的に続かなくなるのは、

(1) 書き手がネタ切れする
(2) 時間がなくなる

というケースが多いようです。しかし、せっかくブログを開いている以上、ブログの書き主とユーザーが双方でコンテンツを話題としてふくらみを持たせながら、互いにラーニングしていく、コミュニティ・ラーニングという状態が理想だと感じています。

以上がいま、私が考える「よいブログ」の5つのポイントです。もし足りないものや、こういった考え方があるのではないか、というフィードバックをいただけると幸いです。

よいブログかどうか、ということについて、今回はコンテンツとユーザーの流れから分析していますが、実はブログのデザインを数十秒見ただけでも、それがわかる、という見方があるのですが、それはまた、別の機会に紹介します。

今年はこの更新で最後になると思います。旧年中は大変お世話になりました。新年もまた、お付き合いください。

それでは、みなさん、よいお年をお過ごしください。

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» ありふれたブログを作りたい人はこの逆をやるといい from 愛・蔵太の気ままな日記
少し俺とは違うな、と思う部分もありますが(特に「1」など)、8割がたは納得できる感じです。 続きを読む

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» [Blog]ブログとユーザーの流れを考える〜その2 「よいブログ」の5つのポイント from ryuzi_kambeの日記
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/point_of_view/2004/12/_5.html 1. ブログを書いている本人... 続きを読む

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こんな記事をみつけました。んーどれも当てはまらないような気がするけど。みなさんど... 続きを読む

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ブログ名 日々の生活から起きていることを観察しよう!! ★感想★ 《管理人雑感 ☆その12☆》で、ご期待下さいと申し上げたブログが、このムギさ... 続きを読む

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コメント

投稿者: かあこ (Jan 3, 2005, 1:33:30 AM)

ムギさんこんにちは。ムギ畑からのリンクで拝見してます。
もう4年前になりますが、営業の本部スタッフをしていたとき、全国の営業担当者に向けて「営業活動に役立つであろう」ニュースや知恵をまとめたメルマガを発行してました。できれば、私がもつ情報だけでなく、全国の営業担当者がもつ情報を共有できたらいいなと思っていました。でも、メルマガは発信者中心で双方向になりにくいこと、仮に双方向になっても一本線の本数が増えるだけで、広がりがうまれないこと、、から壁を感じてました。私が異動したあと、継続しなかったのも、共有できる「場・・ムギさんの言うフィードバックループ」ができあがっていなかったからだなぁ、と思いました。
会社が大きくなると顔さえわからない社員との連絡も増えますよね。ブログを活用して会社のなかでディスカッションできたり、知恵を共有したり、、、正式なプロジェクトや部署でなくても、新しいコミュニケーションの場があって、そこから創造的なプロジェクトが生まれたり・・。ブログにはそんな可能性もあると思っています。社内のシステムとの連携やセキュリティの問題もあるのでしょうけれど、、できることから少しづつトライしてみたいなと思っています。
そうそう。自分が「魅力的」である努力も必要。そのプレッシャーが、自分の成長に一番つながるのかも。

投稿者: ムギ (Jan 3, 2005, 2:08:56 AM)

かあこさん、こんにちは。コメントありがとうございました。

業務にどうやってブログを使っていけるか、悩ましいところですね。特に、メールが中心になってしまうため、それ以外のしくみにアクセスを定期的にしてもらう、ということについていつも敷居を感じてしまっています。

せっかくそういうことができる立場にあるのでしたら、ぜひいろいろと成果を教えてください。

あと、自分が無理に魅力的になろう、とするよりも、周りから魅力的に磨いてもらう、という形での受け答えの方がおもしろいかな、と個人的には思います。

またいろいろと、情報交換させてください。

投稿者: あだうちファン (Jan 7, 2005, 9:39:54 AM)

大変興味深く読ませていただきました。
一点どうか教えてください。
1番目の条件「ブログを書いている本人のプロフィールが明確で魅力的なこと」という点。プロフィールが明確を要することは非常によくわかります、まさにムギさんのblogがお手本ですね!ですが「魅力的なこと」という点についてちょっと詳解がほしいと思いました。
ムギさんのように美しく聡明かつ行動力あふれる方ならもちろん、そのblogも輝き放つのは明らかですよね!

でもどうあがいても魅力のかけらも持ち合わせない人間の見本がここにいて、その人は、もはや最初の条件で足切りを受けてしまいましたー

投稿者: ムギ (Jan 7, 2005, 9:53:46 AM)

あだうちファンさん、初めまして。

コメントありがとうございました。

いえいえ、きっとあだうちファンさんにも必ず、あだうちファンさんならではの魅力があります。なぜなら、魅力的という説明ですが、こんなイメージだからです。

ブログはその本人の考え方を示すコミュニケーションのわずかな窓にしかすぎないと思っています。そのブログを通じて、本人はこんな人なのかな、と頭の中で無意識にイメージして読むと思うのですね。

そのときに、魅力的な人、というのは一般の社会と同じで、例えば、下記のような人だと思います。

1.自分と趣味や思考が似ていて、共感がもてる人。
2.1とは反対に、自分が全く知らない世界を見せてくれる人。
3.その他、単純に「この人、おもしろーーーい」と思わせる何かがある人。

そのブログを書いている人をイメージすると、何らかの形で思考や感情にスイッチが入って、興味を持つモードになる、というのが、私がイメージしていた「魅力」です。

ですので、魅力というのは、読み手と書き手の関係性から決まってくるので、誰に対しても魅力がない人、というのは決していないと思います。例えば、同年代で家族構成が一緒であれば、その人の価値観や考え方に共感するようなケースが出てくる、それも魅力の一種です。

こんな感じでイメージが伝わりますでしょうか? あだうちファンさんの魅力を上手に言葉で表現してみて下さい。

投稿者: ふれふぇに (Jan 15, 2005, 8:20:54 PM)

はじめまして。ムギさん。

たいへん素晴らしいブログで、この記事を読んでとても参考になりました。

それで、今回幣ブログにて、貴ブログを紹介致しましたので、
ご連絡を兼ねて、トラックバックとコメントをさせていただきました。

ありがとうございます。

これからも、見させていただきます。

投稿者: ムギ (Jan 15, 2005, 11:47:18 PM)

ふれふぇにさん、

トラックバックとコメント、ありがとうございました。

ふれふぇにさんのブログも訪問させていただきました。過分な評価をいただき、大感謝です。

さすがに本業ではないので、そんなに緻密に計算してるわけではないのですが、細部への密かなこだわりについて、気付いていただいてうれしいです。

またぜひ、定期的に情報交換させてください。

これを機会に、よろしくお願いします。

投稿者: aniki (Mar 9, 2005, 7:42:22 AM)

 こんにちは初めてコメントさせて頂きます。僕もブログという媒体そのものに興味があり色々考えています。
 僕の散文的な考察と比べるとムギさんのはきちんと整理されていて分かりやすいですね。これからもよろしくお願いします。

投稿者: ムギ (Mar 9, 2005, 12:11:27 PM)

anikiさん、こんにちは。

コメントありがとうございました。

ブログはメディアとしてまだ発展途中ですが、他メディアと結びついてくるといろいろおもしろい展開があるかと思っています。

私も散文的に書いているブログは別にありますので、つかいわけるとおもしろいですよ。

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