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November 03, 2004
組織の不条理~組織経済学の名著
普段、いろいろな意味で組織の不条理に悩んでいる方にお勧めの書籍です。
私はコンサルタント時代、ハイテク企業が担当だったのですが、ハイテク企業でコンサルタントを雇う会社は超大企業が多いわけです。そうすると、結局コンサルティングをするればするほど、実は戦略の問題ではなく、組織の問題であることが多く、かなり組織論については研究をしましたし、実践でもいろいろとリサーチをしました。
実際に行ったリサーチやアイデアはマッキンゼー 組織の進化の第1章にまとめていますが、各種リサーチの課程でもっとも感銘を受け、今でも会社の机のすぐ手が届く位置にあるのがこの本です。
具体的には、日本軍の第2次世界大戦での失敗をケース・スタディにして、以下の3つの理論を説明しています。
1 取引コスト理論
今行っている戦略を止めて違う戦略に行くためのコストが高すぎるため、万一にでも今行っていることが成功確率があれば、それをやり続ける方が当事者にとってはエコノミクスが合う、という理論
2 エージェンシー理論
プリンシパル(発注者)とエージェント(受注者)の利害が対立するケースの場合は、エージェントの利害が優先されて、プリンシパルの意図とは異なる、あるいはプリンシパルに取っては害するような結果が生まれる、という理論
3 所有権理論
細かいところまで責任や所有者を明らかにすると、それ自身がコストがかかってしまうため、その関係が曖昧になりがちであるが、かえって曖昧にしておいた方が生産性が上がるケースがあり、逆にきっちりとさせすぎるとモラル・ハザードが起きるケースもある、と言うことを説明する理論
特に取引コスト理論については、ふだん、なぜ相手がそういう行動を起こすのか、特に企業分析をする際にとても参考になっています。
組織の理論について学びたい方にお勧めします。
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