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November 29, 2004

ライアーズ・ポーカーから考える-成功/失敗、幸福/不幸の違い

ライアーズ・ポーカー~ウォール街は巨大な幼稚園

表紙

上記のライアーズ・ポーカーという本は、1990年頃にアメリカでベストセラーになった本です。内容は、ソロモン・ブラザーズという当時飛ぶ鳥を落とす勢いの証券会社に新入社員として入社した著者が、いかにそこで年収何億も稼ぐ社会的な定義では成功したと考えられるトレーダーたちが、幸せとはほど遠く、人格的に幼稚で、会社としておかしな状態になっているか、ということを事細かに書いたドキュメンタリーになっています。

ちなみに、ソロモン・ブラザーズ自体は債券市場の停滞と共に当時の超過利潤はなくなり、現在はシティグループに買収され、証券会社として今でも活動しています。

この本を読んで思うのが、成功の定義をどのように考えればいいのか、ということです。この本の中では、超過利潤にとまどった会社の中で、いかにして社員たちが金銭的報酬におぼれ、ヒエラルキーを作り、ばかげた規則でも黙々と従っていったか、ということが細かく書かれています。

世の中には成功のための本があふれかえっています。しかし、幸福になるための本って、少なくないですか?

実は私もこの本を読んで反省をするのが、外資金融に足を踏み入れたのは、1990年代の当時、外資金融に行くのがお金を稼ぐ最も手近な方法だと思いこんだからです。もちろん、判断として間違っていたとは思いませんが、では本当にそれが自分の「成功」ではなく「幸せ」につながる道だったのか、と聞かれると、また違ったかもしれない、と思っています。

例えば、日本語訳でおもしろいのが、「7つの習慣」も成功法則として訳されていますが、原題は「効率的に生きる方法」であって、別に成功するための法則、ではないんですよね。どうも、日本人全般的に、やや成功、成功という面を追いすぎていて、幸福、という概念が希薄になってきているような気がするのは私だけでしょうか?

本来、幸福な充実した人生というのが主であって、それに対して成功する、ということが一つの要件のであると考えています。それを、成功のために犠牲を増やす、あるいはモラルを捨てる、というのは本末転倒のような気がします。

最近、証券市場でもモラル・ハザードを起こしてきた会社に対する粛正が始まっており、いくつかの会社が上場廃止や、上場停止処分になっています。また、人生で成功してきた人が晩年になって破綻する、と言う話もよく聞きます。

成功したいと思っている人が成功しない場合には幸せになれないかもしれませんが、そういう人は成功したからと言って幸せにはならないのかもしれない、と考えるこのごろです。

さて、自分に立ち戻って、では、成功と幸せの定義は? 後者については、自分が考えているある役割を死ぬまでの間にゆっくりと実現できればいいかと思っています。前者はある程度目標数値をたてていますが、それはあくまで後者を実現するために、その方がいいか、と思っている手段として位置づけています。

もっとも、私も俗人ですから、もっとお金が欲しいなぁ、時間が欲しいなぁ、健康になりたいなぁ、なんていうことは考え続けていますが、欲しい欲しい病にかかっても仕方がないし、お金も、健康も、自分の努力に対してやってくることですから、そういうものが欲しいのであれば、努力の方を増やさなければならないといつも反省中です。

とはいえ、言うは易く行うは難し。コツコツといかなければ。

それでは、今週も一週間、よろしくお願いします。

2004 11 29 [3.お勧めの書籍2.実体験観察から] | 固定リンク

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コメント

投稿者: iwasakix (Nov 30, 2004, 3:42:45 PM)

幸福を目指す過程に成功はあっても、成功の先に幸福を追い求めるな、ということですね。

投稿者: ムギ (Nov 30, 2004, 4:29:26 PM)

iwasakixさん、こんにちは。

そうなんです。成功したからといって幸せになれないし、成功したからこそ不幸になるケースがある、という気がしています。

最近、あまりにもウェブに成功本や成功話が多いのでやや辟易しているのですが、まだまだこの問題は自分の中でもすぱっとした切り口でまとめ切れていないので、もう少し考えてみたいと思っているところです。

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