10月1日から始まったJ-Wave インターネットラジオBrandnewJによるBook Loversです。
6月第1週は、TVプロデューサーの大野 茂さんをお招きして、お送りします。
今週の各本に対するコメントは、大野さんからいただいたものをそのまま、載せています。大野さん、ありがとうございました。
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6/1 月曜日
月曜に紹介する本は、『「エンタメ」の夜明け ディズニーランドが日本に来た!』(馬場康夫 講談社)です。


僕が今回の著作「サンデーとマガジン」を執筆するにあたって、もっともインスパイアされた本です。
著者は映画監督として有名な馬場康夫さん。
「私をスキーに連れてって」「彼女が水着に着替えたら」「波の数だけ抱きしめて」「メッセンジャー」そして「バブルへGO!」…彼の映画作品は、どれもこれも明るく徹底的にミーハーな娯楽の王道路線です。
しかし、これは彼の映画作品とはまた異なる切り口で描かれた綿密な取材に基づく実録ドキュメント。
主人公は、小谷正一、堀貞一郎、ウォルト・ディズニーという3人のプロデューサー。
小谷氏は、百貨店での絵画展を日本で最初に企画、プロ野球パ・リーグの創設、日本初の民間ラジオ放送を起こし、ソビエトから初めてミュージシャンを来日させ、電通でラジオ・テレビ局長を務め、大阪万博では複数のパビリオンをプロデュースしました。常に新しい試みに挑戦する姿は井上靖氏の小説のモデルとなりました。
堀氏は、電通時代の小谷氏の部下です。人気テレビ番組「シャボン玉ホリデー」や「11PM」の立ち上げにかかわり、万博では小谷氏の右腕として活躍した。そして、あのディズニーランドを日本に持ってくることに成功します。
ディズニーランド招致に賭けた2人の思いや、エンターテインメントビジネス草創期の活気が伝わってきます。稀代のプロデューサーたちが、エンタメ・ビジネスの礎を築いたあの頃へ、タイム・スリップ。
ディズニー招致を巡って三菱と三井のプレゼン合戦のところなどは、結果が分かっているけど、読み進めながらワクワク・ハラハラします。
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6/2 火曜日
火曜日に紹介する本は、『SF魂』(小松左京)です。


私が日本を沈没させました…。「日本沈没」でベストセラー作家となった日本SF界の巨匠が語る、その黄金時代、創作秘話、SFの真髄。日本SF界の草分け的存在の小松さんがSFに見た「大いなる可能性」とは何か。
今なお輝きを失わない作品群は、どのような着想で生まれたのか。そして、意外に知られていない放送作家やルポライター、批評家としての顔―。日本にSFを根付かせた“巨匠”が語る、波瀾万丈のSF半生記。
かつて「SF」という一大ジャンルがありました。そして、少年誌文化ばかりか、60年代末~70年代初に流行った未来学、大阪万国博など社会に与えた影響を語ります。
僕は、2007年に「日本のSF50年」という番組を制作し、小松左京さん、筒井康隆さん、眉村卓さん、豊田有恒さんらSF界の大御所にたっぷりインタビューしました。その時の取材ネタも交えてお話します。
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6/3 水曜日
水曜に紹介する本は、『少年マガジンの黄金時代 大伴昌司の世界』(講談社)です。


今回は、この本そのものというよりは、この本で取上げられている昭和の高度成長期における週刊少年誌のグラビア図解や読みもの記事の部分にスポットを当てたいと思います。
そのためのサンプルとなる当時の少年マガジンを何冊か持参します。一緒にページをめくってみましょう。
1970年前後、少年マガジンは大学生のバイブルと言われ、「右手(めて)にジャーナル、左手(ゆんで)にマガジン」という流行語があったほどです。その人気の秘密は、「巨人の星」「あしたのジョー」といったマンガもさることながら、マガジンが毎回展開する巻頭グラビア大図解シリーズにありました。
その内容は、DNA螺旋構造、情報化社会、公害問題の深刻化、エッシャーとマグリッド、など専門書以外ではマガジンが初めて一般誌で紹介した事柄も多く、かの立花隆をして「少年マガジンは現代最高の総合雑誌である」と言わしめたほど。
その図解シリーズをすべて一人で企画・構成していたのが天才編集者・大伴昌司さんです。そのクォリティの高さは、星新一・小松左京・筒井康隆らに「早く次号が見たい」と言わせ、三島由紀夫が毎週楽しみにしていたことからも伺いしれます。
しかし、大伴さんはわずか36歳で喘息による心臓発作で急死してしまいます。あたかもマガジンの黄金時代と軌を一にするかのように。
雑誌というメディアの進化の過程で、まさに「時代と寝た」のが当時の少年マガジンであったと言えましょう。なんと当時は18歳以上の購読者が8割を占めていたと言うのですから、今のマンガ専門誌のスタイルからは想像がつかないでしょう。
「マンガも載ってるナショナルジオグラフィックみたいな雑誌」を目指したと言う、大伴昌司さんの仕事の「ブッ飛び具合」を一緒にふり返ってみましょう。
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6/4 木曜日
木曜日に紹介する本は、『もったいない主義―不景気だからアイデアが湧いてくる! 』(小山 薫堂 (著))です。


今年上半期のエンタメ業界最大の話題は「おくりびと」のアカデミー受賞でしょう。
その脚本家が、小山薫堂その人であります。
小山さんの著書は、同じ幻冬舎新書の前作「考えないヒント」や、中公新書「人を喜ばせるということ―だからサプライズがやめられない」といずれも甲乙つけ難く、どれを推薦するか迷ったのですが、いちばん店頭で売れてる本書をピックアップしました。僕はこれらを勝手に「小山薫堂ノウハウ3部作」と呼んでいます。
ですから、他の2冊の内容での面白いところを少し入れたりしながら、小山さんの思考の方法のユニークさや、エンタテインメント作品を創る時の姿勢を紹介して、この業界に入りたい人や興味のある人の参考になればと思います。
とくに、一見ムダの様に見えて、実はそれが創作活動に大いに役立つことだったりする事が、エンタ業界ではよくあります。娯楽産業には計量できないファクターというか、パラメータがあり、それを掴むための行為が、小山氏のやっている「一見ムダに見えて実はそうでない」数々のトライアルです。
「センス」というものがこうした中から生まれてくるのです。(同じような話を手塚治虫さん関連の取材でも耳にしました)
僕は個人的にも小山さんと交流があるので、実感を持ってお話できると思います。
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6/5 金曜日
最後の金曜日に紹介する本は、『サンデーとマガジン ‐創刊と死闘の15年‐』(大野茂(著) )です。


1950年代終わり、高度成長の入り口に立った時代の空気を察知した小学館、講談社は週刊少年誌創刊に向けて始動。早くも激しい先陣争いを展開した結果、サンデー、マガジン2誌同時創刊に至る。
線の太く丸いメジャーマンガ家の獲得、"さわやか"イメージ戦略、正統派ギャグ・マンガ路線を掲げるサンデー。他方、マガジンは、原作と作画の分業体制、情熱的な"劇画"路線と巻頭グラビア大図解を展開----それぞれ独自の方針を掲げ、熾烈な読者獲得競争を繰り広げた。
本書は、両誌の黄金時代を現場で支えた男たちの人間ドラマに迫る。元編集者の証言は、私たちにスリルと多くの知恵を与えてくれる。懐かしい名作やブームの裏話も満載。
これはもう、表紙まわりの文言と帯が一番よくまとまっているのですが、取材秘話も含めてお話します。
まるで源平盛衰記のようなドラマチックなストーリー(でもノンフィクション)です。
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