3.英語-Audio Bookのお勧め バックナンバー


January 02, 2008

Healthy at 100 ~ 100歳まで元気に生きる! 年を取る事への価値観が変わる良書

Healthy at 100 by John Robbins

あけましておめでとうございます。2008年もどうか、引き続き、よろしくお願いします。

今年はじめて紹介するAudiobookは
Healthy at 100です。邦訳は100歳まで元気に生きる!という題名で出版されています。

この本の副題は「The Scientifically Proven Secrets of the World's Healthiest And Longest-lived Peoples」となっています。すなわち、パキスタンのフンザや日本の沖縄など、明らかに他の地域とは異なって長寿の地域の実証研究を通じて、どのような生活が長寿を導くかと言うことを分析した本です。

この本の一番いいところは、「年を取ることは決してネガティブなことではない」ということを気持ちよく、納得させてくれることだと思います。

もともと、子どもと買い物に行ったショッピングモールの中にある中規模の書店の店頭で邦訳の方をたまたま手に取り、あまりのおもしろさに原書とAudiobookを取り寄せて、特にAudiobookは何回も聞き直してしまいました。それくらくい、おもしろい一冊でした。

長寿の秘訣は下記の3つの要素に大きく分かれます。

1. 食事
2. 運動
3. 愛情

グルジアのアブハズ、エクアドルのヴィルカバンバ、パキスタンのフンザ、そして、日本の沖縄、どこも長寿で有名な地域です。長寿の地域は他の地域とどのような生活習慣、食生活、風土が違うのか、著者は研究と考察を重ねます。

そして、果物・野菜・精錬されていない穀物をたくさん食べ、飽和脂肪酸を少なくし、低カロリーの食生活、十分な運動、そして、長寿の人たちへの尊敬や地域での愛情が長寿の秘訣だと結論づけています。

長寿の村では、老人たちは死ぬ寸前まで健康で、頭もクリアで、私たちがイメージする老化に対する暗さはありません。むしろ、知恵のある人々として尊敬されています。

食事の話の中では、下記のフレーズが特に心に残りました。

白いものを食べれば食べるほど、早く死ぬ

世の中に流通している98%の小麦が精錬されており、全粒粉の状態ではなくなっています。私たちの主食である米も同じです。しかし、白い小麦粉や白米にしてしまうほど、ビタミンやミネラル分がなくなり、カロリーが上がり、過食の原因となり、心臓病や脳卒中、ガンなどを誘発します。

だからといって、食べ物だけを管理していれば健康かと言えばそういうわけではなく

運動が王様、食事は女王様

ということで、どちらも大事だとしています。

また、愛情について、愛情なしで禁煙をしている人よりも、愛情が一杯の生活での喫煙者の方が死亡率が低いなど、愛情の大事さについても統計データを使って強調します。

こういう健康系の科学はいわゆるトンデモ系と混同を招きますし、この本にしても、いろいろな実証データの中で、特に著者に都合がいいものだけを持ってきてストーリーを組み立てているというバイアスがあるおそれがあります。

それでも、科学的なエビデンスを使いながら、さまざまな生活習慣の改善を訴え、かつ、健康的に年を取るための秘訣について易しく説明をしてくれる本書は、一読の価値があると思います。

邦訳も比較的こなれているため、英語ではと躊躇するかたは邦訳からチャレンジしてみてもいいと思います。Audiobookではやや、医学用語が多く、私も知らない単語がいろいろ出てきましたが、何度か聞いているうちに、おそらくこういう意味だろうということはだんだんとわかるようになり、妙にガンや内臓の種類の英語に詳しくなりました(笑)。

ついつい、私たちは目の前の楽さを優先して長期的な視点を失いがちですが、このようなAudiobookを年初に聞いて、すっきりと新しい考え方を整理することもいいのではないかと思います。ぜひ、お試しください。

2008 01 02 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (8)

July 07, 2007

GO Put Your Strengths to Work

GO Put Your Strengths to Work by Marcus Buckingham

以前、First, Break All the Rulesというエントリーで紹介した、Marcus Buckinghamの新作です。2007年7月現在、まだ邦訳は出ていません。

Marcus Buckinghamが一貫して主張するのはシンプルで、要は、弱点を克服するよりは、強みを見つけて、それを行かした方が、本人にとっても、企業にとっても、ずっと楽しく、有意義である、ということです。

著者朗読の中では、比較的英語が分かりやすくシンプルで、かつ、途中のストーリーはちゃんと違う人が出てくる凝った作りになっており、CDの後ろにはPDFもついているので、Audiobook初級者の方にお勧めします。特に、弱点克服に悩んでいる方に、実はここに時間を使わなくていいのだ、という決意がついて、スッキリします。

今回も、その流れに沿った本ですが、今回はどうやって実際に強みを生かすのか、概念論ではなく、具体的な6つの方法論に分けて、ステップを記述しています。

そのうち、1つめのステップが「BUST THE MYTHS」(間違った俗説を壊せ)なのですが、ここだけでも、けっこう、参考になります。

その俗説を一つ一つ、統計数値やストーリーを使って壊してくれるのがけっこう、痛快です。

俗説は3つです。

1. As you grow, your personality changes.-信じている人、66%
(成長するにつれ、性格は変わる)

2. You will grow the most in your areas of greatest weakness.-信じている人、61%
(弱点分野こそ、成長余地がある)

3. A good team members does whatever it takes to help the team.-信じている人、91%
(よいチームメンバーは、どんなことでも、そのチームを助ける)

正解については、本に譲りますが、特に1がおもしろく、さあ、才能(じぶん)に目覚めようという本で著者が紹介しているStrengths Finderを同じ人が年数を経てやっても、強みがほとんど変わらない、という統計結果を出しています。

さらに、別れて育った一卵性双生児のStrengthsも統計上、非常に近く、何が強い、弱い、というのは、遺伝的な要素と、周囲のFeedback Loopから、10代半ばくらいまでには、その強みが本人の中で固定してしまうということです。

そして、どうやって強みを見つけるか、また、どうやって、弱みを見つけるか、と言うことに細かいワークシートや手法を展開しています。

弱みの見つけ方は、例えば、SIGNという頭文字で、

Lack of Success・・・成功体験がない
Lack of Instinct・・・直感的な好きじゃない
Lack of Growth・・・成長機会がない
Lack of Needs・・・必要性がない

ということを示しています。

ちなみに、強みの生かし方は、FREEです。

Focus・・・まず、何が強いか見つけること
Release・・・強みがあるのに、逃しているチャンスを見つけること
Educate・・・強みをより鍛えること
Expand・・・・強みを中心とした仕事を組み立てること

になります。

Audibleでもダウンロード可能です。ぜひ、楽しんで聞いてみて、自分のリソースをうまく、活用してください。

2007 07 07 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (7)

March 24, 2007

Seeing What's Next

Seeing What's Next

イノベーションのジレンマで有名なクリステンセンの、3部作の最後の著作になります。イノベーションのジレンマ、イノベーションの解の内容も合わせてあり、これだけ聞いても、楽しめます。残念ながら、CDでは提供されていないので、Audibleで購入する必要があります。

邦訳も明日は誰のものか イノベーションの最終解という題で、一応出ていますが、誤訳が多く、読みにくく、お勧めできません。この訳者の方の本は別の本でも懲りたことがあり、うーーーーむという感じです。

今回は、これまでのイノベーションのフレームワークを使って、車や電話などの産業を振り返った上で、これから、どういう変化が起きるかというフレームワークを提供し、さらに、そのフレームワークを教育・通信などに利用してケース・スタディを行っていくものです。

このオーディオの中で繰り返し出てくるのが

「非対称性」(asymmetry)

ということばです。

特に、動機付けの中で用いられます。ある人にとっては開発したい商品でも、別の立場ではまったくその気になれない、ということです。

また、イノベーションのジレンマには、動機によるものと、能力によるもの双方があるが、より重要なものは動機によるものだと繰り返し説明します。

そして、もっとも興味深いのが、その動機付けをどう形成するかということで、下手に政府が介入して、人工的な動機付け(例えば、通信における長期増分費用方式)を行うと、かならず失敗するので、フェアな競争原理が働くようにした方がいい、という考え方です。

イノベーションのジレンマ、イノベーションの解、みなオーディオブックが出ていますが、邦訳に難があった分、私はこの作品のオーディオブックが一番楽しめました。

クリステンセンファンの方はぜひどうぞ。Audibleの定価で買うと、$24とかなり高いのですが、月額課金のメンバーになれば、$10ちょっとくらいで買うことができます。

2007 03 24 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (2)

June 10, 2006

The Martha Rules ~ マーサ・スチュワートから「起業のレシピ」を学ぶ

The Martha Rules

The Martha Rules : 10 Essentials for Achieving Success as You Start, Build, or Manage a Business by Martha Stewart

久々の更新ですが、今回はThe Martha Rulesを紹介します。

マーサの法則、のマーサとは、あのカリスマ主婦起業家、マーサ・スチュワートです。証券取引法違反の疑いで入獄し、一度失脚しましたが、このCDはその後、復活した後に吹き込んだものです。ナレーターも本人になっていて、少し低めのよい声で、発音もかなりはっきりしていますので、あまりAudiobookになれていない方でも聞き取ることができると思います。

マーサ・スチュワートの元には、いろいろな女性などからビジネス・プランを持ち込まれるのですが、それが意欲が高いものの、あまりにも陳腐だったり、ツボを押さえてなかったりすることが問題だと感じて、そういう人たちのために料理のレシピのように、起業の成功の方法をレシピにして著したのが、このAudiobookになります。

ちなみに検索したところによると、5ヶ月の懲役の後、5ヶ月、自宅拘束期間があったので、その自宅拘束期間に書いたそうです。「マネーの虎」のような番組がアメリカにもあって、そういう番組での復活をねらったというエピソードもありました。

さて、マーサが勧める10の法則とは以下のものです。

1. What's passion got to do with it?
2. Ask yourself, What's the big Idea?
3. Get a telescope, a wide-angle lends, and a microscope
4. Teach so you can learn
5. All dressed up and ready to grow
6. Quality is everyday
7. Build an A-Team
8. So the pie isn't perfrect? Cut it into wedges
9. Take risks, not chances
10. Make it beautiful

一つ一つはわーーー、目鱗、という話はないかもしれません。しかし、こつこつと、彼女がこれまでの経験をふまえて、豊富な事例と共に語ってくるので、なかなか共感がもてます。

特に、私は1と10の法則が好きです。1は、とにかく毎日やってもやっても飽き足らないもの、毎朝、どんどんと新しいアイデアが出てくるようなものを仕事にしろ、という勧め、10は、仕事のサービスや中身の美しさに気を遣え、という法則です。

私は彼女のことは好きでも嫌いでもありませんでしたが、このAudiobookを聞いたら、けっこう好きになりました。彼女が入獄する原因となった証券取引法違反については、真相は藪の中であり(罪は証券取引法違反そのものではなく、捜査に非協力的だった、という理由から実刑になりました)、どこまで善人なのか、悪人なのかは私には判断できませんが、少なくとも、このAudiobookで彼女が後輩たちに残そうとしている「起業のレシピ」は非常に真摯なものに感じました。

日本語版は私は見つけられませんでしたが、もう出ているかどうか、知っている人がいたら、教えてください。

2006 06 10 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

April 30, 2006

Good in Bed ~ たまには軽い読み物を

Good in Bed

Good in Bed by Jennifer Weiner

今回は、軽い小説の紹介です。CDも安く、1,500円くらいで買えますので、オーディオブック初心者の方にもお勧めです。

Good in Bedというと題名から???と思う人もいると思いますが、意外とまじめ(?)な本です。映画にもなった「In Her Shoes」と同じ作者で、どちらもよく売れました。

Good in Bedの主人公キャニーは28歳、ちょっと太めですが、地元フィラデルティアの新聞記者として活躍中、恋人とは冷却期間中(Break)ですが、まぁ、それなりに過ごしていました。親友から電話がかかってくるまでは・・・。

親友からの電話とは、ある雑誌のコラムを読んだか、ということ。そのコラムには、冷却期間中だったはずの恋人が、自分とのセックスライフを記載して、デビューしていました。

恋人と完全に別れたつもりがないキャニーは大混乱、そして、そこから成長が始まる、というストーリーです。

まぁ、アメリカものらしく、けっこうご都合主義+波瀾万丈なのですが、それでも、その時々に起こる、周りでキャリーを助けるために登場する人物(有名女優、ダイエットセンターの医師、実の母親など)のキャラが魅力的で、楽しく一気に聞くことができました。

また、元恋人ブルースとの葛藤や、自分と母親を捨てていった父親との再会など、けっこう、つらい場面もいろいろあります。この辺はさすがにご都合主義ではなく現実的に書いてあり、そうなんだよねぇ・・・なんて同感してしまいます。

英語もナレーターが上手なのか、小説の中では比較的平易で、さくさくと聞くことができました。アリー、ブリジットジョーンズ、SATCなどにはまって楽しむことができるタイプの方は特に楽しめることができると思います。

2006 04 30 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

March 21, 2006

The Search -Webの進化をSerachという観点から俯瞰する-

The Search

今回は、ウェブの進化をサーチエンジンという概念を通して俯瞰する良書を紹介します。この本自体はハードカバーはどこでも手に入りますが、Audio BookはAudibleでしか手に入らない(Exclusive)契約のようです。

邦訳はザ・サーチという名前で発売になっています(私は邦訳は読んでいません)。

内容はどのようなものかといいますと、表紙その他からGoogleの印象が強かったのですが、実際にはGoogleはCase Stufdyの一つとして使われているだけで、ウェブについて、検索の進化がどのように私たちにとって知識の概念を変えていったか、また、今後、どういうことが起こりうるか、ということをよくまとめた本です。

吹き込み自体も著者がやっているため、朗読に思い入れもあり、楽しめました。

内容の中で、私がおもしろいと思ったのは以下の点です。

・Googleの検索の仕組みについて、詳しく説明してくれている。特に、Rank方式は有名ですが、そのほかにいろいろな工夫が凝らされているのがよくわかります。

・今後の検索の方向性について、どのような新機能が出てくるのか、説明してくれている。例えば、単に検索のヒストリーを覚えるだけではなく、ほしい内容がこれまでの経験を踏まえて出てくる、あるいはGoogle Desktopのような、検索のパーソナライズ化など。

・瞬時にあらゆることが検索できるということはこれまでと、これからが何が変わってきていて、今後、さらに検索の仕組みが上記のように発展していくと、社会にどのような変化をもたらす可能性があるのか。

中では、Yahoo!とGoogleの成り立ちや目指す方向性の違い、GoogleがIPOをしたときにどういう哲学があり、それがなぜ当局とぶつかったか、などのいろいろなエピソードも織り込まれています。

いま、ウェブ進化論が売れているようですが、ウェブ進化論はわかりやすいのですが、私にとってはThe Seachの方が視点が深く、新鮮でした。ウェブ進化論で物足りない方に、お勧めします。

2006 03 21 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

February 26, 2006

Psycho-Cybernetics 心の制御についての古典かつ名著を聴く

Psycho-Cybernetics

Psycho-Cybernetics by Maxwell Maltz

今回は、心と体の動きの仕組みを説いた古い名著であるPsycho-CyberneticsのAudio Bookを紹介します。この本は、累計で3,000万部売れているそうです。

Psycho-Cyberneticsは著者の造語ですが、直訳すると「精神が行動の制御に与える影響」といったところでしょうか。出版されたのは約20年前で、3年前にダン・ケネディにより新版も出ましたが、原盤の方がCD 2枚組でシンプルなので、こちらで十分だと思います。

この本の著者のMaxwell Maltzは医師でして、なぜ、同じ重症患者で、同じ治療をしても、治る人と治らない人が出るのかということに着目して、どうもそれは、心のイメージや考え方の癖のようなものから発生しているのではないか、という結論になりました。

今聞くと当たり前のように感じるかもしれませんが、当時はまだ脳科学も発達していなく、イメージトレーニングの重要性などもわかっていなかった頃で、非常に画期的な切り口だったわけです。この考え方は、現在のトレーニングや自己啓発書の基本思想に大きく影響してきました。

具体的には、著者は「Emotional Surgery」、つまり、「感情の手術」の重要性を説いており、心の持ち方を変えずに、対処療法を行うのは「Plastic Surgery」(形成手術、外科手術)のようなものであり、抜本的なところを直さないと意味がないのではないか、ということを事例とともに繰り返し説いていきます。

そして、幸せや成功は心の持ち方や行動の習慣から来るものであって、間違った心の持ち方の習慣に「Emotional Surgery」を行うことで、失敗や不安から離れ、自由な自分を楽しむことができる、と考えています。

具体的な「Emotinal Surgery」の方法としては、リラックスをして、そして、自分の心の中に、なるべく、具体的に、Visualになりたい成功のイメージを描くことを勧めます。そして、それが具体的なほど、私たちの心はそれが現実なのか、心の中のVisualなのか、経験なのかが区別をつけることができないため、どんどんとその心の中のVisualに現実の世界が近づいていくと説明します。

日本では邦訳などでは単なる成功法則の一つのような紹介をされてしまっていますが、どちらかというと、自己イメージを強化するための哲学であり、経験ある著者によって、半信半疑だった心と体のつながり方について、よりわかりやすく理解をでき、具体的なツボがわかる、という感じのAudio Bookではないかと思います。

最近はイメージトレーニングや心の鍛え方についての書籍がいろいろありますが、この本はその原典の一つで、よけいな商業指向や誇張がありませんので、心と体のつながり方に興味がある方にはお勧めしたいAudio Bookです。

2006 02 26 [3.英語-Audio Bookのお勧め, 8.自己研鑽・Selfhelp] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック

February 07, 2006

The Five Dysfunctions of a Team ~ チームが機能しない5つの理由

the five dysfunctions of a team

The Five Dysfunctions of a Team by Patrick Lencioni

今回は、比較的短時間、3時間ちょっとで聞けるビジネス寓話、「The Five Dysfunctions of a Team」を紹介します。チームワークについて悩んでいる方に、お勧めです。

残念ながら、CDでは売っていませんので、Audibleでダウンロードしてください。

(これが、前回、Audibleを紹介した理由です。)

このAudiobookの作者はDeath by Meetingと同じ人で、今回の作品の主人公は、Death by Meetingで活躍したWillのお母さんです。

話の内容は、すばらしいシリコンバレーのベンチャー企業、技術もあり、お金もあり、すばらしいマネジメントかそろっている、でもなぜか、競合に負けている、そんな企業に、55歳の、もと高校教師で、製造業の経験がある女性がCEOとして赴任します。

そして、このCEO、なぜか最初の2週間、何も仕事をせずに、ずっとみなの様子を見ているだけ。そして、2週間後、最初に始めたのがオフサイト・ミーティングでした。

彼女が優秀なマネジメントたちに、なぜ会社が機能していないのか、5つの機能不全の原因を紹介します。

5つの機能不全とは、

absence of trust,
fear of conflict,
lack of commitment,
avoidance of accountability, and
inattention to results

です。

私が聞いていて非常に実務的だな、と思ったのは、最初の信用があるからこそ、葛藤が可能になる、という部分でして、これは会社のチームだけではなく、いろいろな人間関係に当てはまると思いました。

この作者のチームワークの寓話は、他に『The Five Temptations of a CEO』と『Four Obsessions of an Extraordinary Executive』があり、後者はAudibleでダウンロードできますので、こちらもそのうち聞いてみようと思います。

英語も聞きやすいし、ドラマ自体でおもしろいので、Audibleの入門編としてお勧めです。

2006 02 07 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

January 01, 2006

The Ape in the Corner Office - サル学から企業での行動を考える

the ape in the corner office

The ape in the corner office by Richard Conniff

あけましておめでとうございます。新年も、よろしくお願いします。

さて、今年の初めは、企業を猿山になぞらえて、その類似点を探る本を紹介します。

猿の観察から得られた知見を企業行動に移し替えると、どのような類似点があるのでしょうか?

例えば、下記のようなエピソードを本の中では紹介しています。

・グルーミングの秘密

猿でよく見られる行為にグルーミングがあります。これは、互いに毛繕いをすることにより、相手への愛情を示すものですが、グルーミングをする同士はより助け合い、また、猿のヒエラルキーの低位に属した猿であっても、上手に上位の人へのグルーミングを示すことにより、上手に上位に上っていく猿がいます。

人間の世界では、では、何がグルーミングに当たるのでしょうか? それは本を聞いてみてください。

・リーダーの有無と組織の生産性

どんな猿の組織であっても、評判の悪いリーダーでも、いないよりはいた方が生産性が上がります。逆に、リーダー争いが激しい組織においては、捕食などの生産性が下がる傾向があります。

猿の遺伝子は、私たちと99%同じだ、ということはよく言われています。そのため、最近はサルの行動を研究することにより、人間の組織がどのように動いていて、よりよくなるか、ということを考えようとする分野があります。

この本は、そのような内容をまとめたものです。

例えば、なぜ人はより高位のポジションをほしがるのか、オスもメスもどのようにヒエラルキーの上位に上っていこうとするのか、それはどのような動機からくるのか、ふだん、なぜこんなに人間はサルっぽいのかなぁ、なんて思っている方に「なるほど」を届けるAudio Bookになっています。

アマゾンでも買えますし、audibleでもダウンロードできるので、興味がある方は聞いてみてください。まだ邦訳はでていないようです。

2006 01 01 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

November 30, 2005

The Google Story ~ Googleの歴史をまとめて聞いてみるとおもしろい

The Google Story

The Google Story by David A. Vise and Mark Malseed

今週は、検索エンジンGoogleについて、その発端から現在の発展までをまとめた「Google Story」を紹介します。

このブログを読んでいる人は、Googleを普段使っている人が多いのではないでしょうか?私もブラウザーFirefoxのスタートページはGoogleになっています。「ぐぐる」(Googleで検索する)という言葉もあるくらい、メジャーな検索エンジンになりました。

このGoogle Storyを聞きますと、身近なGoogleがどのような開発コンセプトで生まれ、これまでなぜ発展してきて、今後は何を目指しているか、と言うのがよくわかります。英語もプロのナレーターが比較的上手に話す人でしたので、聞きやすいCDでした。

もともとGoogleはスタンフォード大学のコンピュータ・サイエンスの博士課程にいたセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジの二人が、当時もっとも学術ではメジャーだった検索エンジンである「Alta Vista」が使いにくい、と言う理由から自分たちで開発を始めたものです。

当時の検索エンジンの欠点は、検索した言葉を使って、検索した本人がたどり着きたかった情報になかなかたどり着けなかったことでした。なぜなら、検索されたページがランダムに出てきて、よい情報を検索するまでに一つ一つをチェックする必要があったためです。

そこで、セルゲイとブリンは、検索エンジンにこれまでなかった「ユーザーにとっての重要性」ということを考えるロジックを作り、重要なページ順から並ぶように、検索エンジンの概念を入れ替えたのです。

では、重要性の概念はどのように入っていったのでしょうか? また、Googleはその後、どうやってお金を調達して、研究開発が続けられたのでしょうか? そして、いまどのような発展を目指しているのでしょうか? 詳しくはCDを聞くとおもしろいのですが、簡単にポイントだけ説明します。

まず、重要性の概念です。これはもう、知っている人も多いと思いますが、「Page Rank」という概念を作りました。これは、よく論文にある概念で「よい論文は他の論文への引用回数が多い」という経験から来ています。

すなわち、よいページはたくさんのページからリンクされており、かつ、たくさんのページからリンクされたページからリンクされたページもよいページである、というロジックに基づいています。

しかし、この計算、言うは易く行うは難し、世の中に無数にあるウェブページを一度キャッシングして、その相互間の計算を行い、さらに結果を0.X秒で返す、と言う技術は、1999年では全く画期的なものでした。

はじめはスタンフォードの中でだけ口コミで使われ、そのうちユーザーが増えていったわけです。

ところが、このエンジン、インターネットが幾何級数的に発達するにつれ、どんどんサーバー代が不足していきます。このCDを聞いていると、笑っちゃうくらい、初期の彼らの悩みはサーバー代の確保でした。

安い部品を買ってきて組み立てて使い、データーセンターはあまり面積を取るとレンタル料が高くなるのでできる限り天井までパソコンを積み上げます。さらに、普通のパソコンと違って、利用頻度が高く、すぐに壊れるので、壊れたパソコンをいちいち探し出して修理をしてると手間がかかりすぎて仕方ないので、壊れたものを検出したら使わなくするロジックなど、いろいろな技術がちりばめられていました。

また、収入がないのにサーバー代だけ嵩むため、初期はエンジェルやベンチャーキャピタリストと言われる、リスクを取ってこういった新技術・アイデアの事業家にお金を出してくれる人を歩いて回ってお金を集める必要がありました。でも、集めても、集めても、どんどんサーバー代に消えていくのです。

収入はISPなどにこのエンジンを売って利用料で稼ごうとしましたが、結果はあまりはかばかしくありませんでした。売れないことはないのですが、爆発的に売れるとは言い難く、かつ、売れてもたいした収入にならず、サーバー代の足しにもならなかったのです。

この状況を打破したのが、今はもう、私たちになじみになった「Adsense」と言われる、あのGoogleで検索してくると、隣に出てくる広告です。このブログの右にも出ていますね。

このAdsenseは、実は先にYahoo!がOvertureという会社を通じて行っていたサービスのパクリでして、その後、GoogleはOvertureに訴訟されることになります。

もっとも、ようやくGoogleが安定してお金を稼ぎ出す手段を見つけたことで、Googleが事業拡大に力を避けるようになりました。その後、株式公開をして、かつ、全世界にGoogleのエンジンを広め、単なる検索だけではなく、GmailやGoogle News、Google Desktopなど、新しいサービスを社員のアイデアに基づいて、いろいろ作っていきます。

また、世の中のインターネット技術者にとって、Googleに就職すると言うことは最先端の研究に携われることになるので、世界中の優秀な若者がGoogleに就職していき、新サービスを作り続けています。

Googleの絶対のポリシーは「顧客のためのサービスに徹すること」。そのため、例えば広告を入れたときにも、いかに検索結果と広告をしっかり区別できるようにするかとか、検索をした人にとっても有益な広告とするかをずいぶん気にしたようです。

ちなみに、Googleは10の100乗の数字を意味する「googol」のもじりだそうです。今後は、インターネットだけではなく、例えば人のゲノムの解析など、さまざまな応用分野にGoogleの技術を展開して世の中を変えていくだろう、ということでこのCDはストーリーを終えています。

今後もGoogleが世界に影響力を持ち続けられるかどうかはわかりませんが、Googleがどのようにコンピュータやインターネットの使い方を変えてきたのか、振り返るのにおもしろいCDでした。

ちなみに、日本ではまだGoogleよりもYahoo!を検索エンジンとして使う人が多いようです。これは、Googleの検索の仕組みが必ずしも日本語に最適化されていないためで、Googleは2005年11月、日本に研究センターを開設することを発表しています。

今後、もっとGoogleの使い勝手が上がるのが大変楽しみです。

2005 11 30 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック