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November 30, 2005
The Google Story ~ Googleの歴史をまとめて聞いてみるとおもしろい
The Google Story by David A. Vise and Mark Malseed
今週は、検索エンジンGoogleについて、その発端から現在の発展までをまとめた「Google Story」を紹介します。
このブログを読んでいる人は、Googleを普段使っている人が多いのではないでしょうか?私もブラウザーFirefoxのスタートページはGoogleになっています。「ぐぐる」(Googleで検索する)という言葉もあるくらい、メジャーな検索エンジンになりました。
このGoogle Storyを聞きますと、身近なGoogleがどのような開発コンセプトで生まれ、これまでなぜ発展してきて、今後は何を目指しているか、と言うのがよくわかります。英語もプロのナレーターが比較的上手に話す人でしたので、聞きやすいCDでした。
もともとGoogleはスタンフォード大学のコンピュータ・サイエンスの博士課程にいたセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジの二人が、当時もっとも学術ではメジャーだった検索エンジンである「Alta Vista」が使いにくい、と言う理由から自分たちで開発を始めたものです。
当時の検索エンジンの欠点は、検索した言葉を使って、検索した本人がたどり着きたかった情報になかなかたどり着けなかったことでした。なぜなら、検索されたページがランダムに出てきて、よい情報を検索するまでに一つ一つをチェックする必要があったためです。
そこで、セルゲイとブリンは、検索エンジンにこれまでなかった「ユーザーにとっての重要性」ということを考えるロジックを作り、重要なページ順から並ぶように、検索エンジンの概念を入れ替えたのです。
では、重要性の概念はどのように入っていったのでしょうか? また、Googleはその後、どうやってお金を調達して、研究開発が続けられたのでしょうか? そして、いまどのような発展を目指しているのでしょうか? 詳しくはCDを聞くとおもしろいのですが、簡単にポイントだけ説明します。
まず、重要性の概念です。これはもう、知っている人も多いと思いますが、「Page Rank」という概念を作りました。これは、よく論文にある概念で「よい論文は他の論文への引用回数が多い」という経験から来ています。
すなわち、よいページはたくさんのページからリンクされており、かつ、たくさんのページからリンクされたページからリンクされたページもよいページである、というロジックに基づいています。
しかし、この計算、言うは易く行うは難し、世の中に無数にあるウェブページを一度キャッシングして、その相互間の計算を行い、さらに結果を0.X秒で返す、と言う技術は、1999年では全く画期的なものでした。
はじめはスタンフォードの中でだけ口コミで使われ、そのうちユーザーが増えていったわけです。
ところが、このエンジン、インターネットが幾何級数的に発達するにつれ、どんどんサーバー代が不足していきます。このCDを聞いていると、笑っちゃうくらい、初期の彼らの悩みはサーバー代の確保でした。
安い部品を買ってきて組み立てて使い、データーセンターはあまり面積を取るとレンタル料が高くなるのでできる限り天井までパソコンを積み上げます。さらに、普通のパソコンと違って、利用頻度が高く、すぐに壊れるので、壊れたパソコンをいちいち探し出して修理をしてると手間がかかりすぎて仕方ないので、壊れたものを検出したら使わなくするロジックなど、いろいろな技術がちりばめられていました。
また、収入がないのにサーバー代だけ嵩むため、初期はエンジェルやベンチャーキャピタリストと言われる、リスクを取ってこういった新技術・アイデアの事業家にお金を出してくれる人を歩いて回ってお金を集める必要がありました。でも、集めても、集めても、どんどんサーバー代に消えていくのです。
収入はISPなどにこのエンジンを売って利用料で稼ごうとしましたが、結果はあまりはかばかしくありませんでした。売れないことはないのですが、爆発的に売れるとは言い難く、かつ、売れてもたいした収入にならず、サーバー代の足しにもならなかったのです。
この状況を打破したのが、今はもう、私たちになじみになった「Adsense」と言われる、あのGoogleで検索してくると、隣に出てくる広告です。このブログの右にも出ていますね。
このAdsenseは、実は先にYahoo!がOvertureという会社を通じて行っていたサービスのパクリでして、その後、GoogleはOvertureに訴訟されることになります。
もっとも、ようやくGoogleが安定してお金を稼ぎ出す手段を見つけたことで、Googleが事業拡大に力を避けるようになりました。その後、株式公開をして、かつ、全世界にGoogleのエンジンを広め、単なる検索だけではなく、GmailやGoogle News、Google Desktopなど、新しいサービスを社員のアイデアに基づいて、いろいろ作っていきます。
また、世の中のインターネット技術者にとって、Googleに就職すると言うことは最先端の研究に携われることになるので、世界中の優秀な若者がGoogleに就職していき、新サービスを作り続けています。
Googleの絶対のポリシーは「顧客のためのサービスに徹すること」。そのため、例えば広告を入れたときにも、いかに検索結果と広告をしっかり区別できるようにするかとか、検索をした人にとっても有益な広告とするかをずいぶん気にしたようです。
ちなみに、Googleは10の100乗の数字を意味する「googol」のもじりだそうです。今後は、インターネットだけではなく、例えば人のゲノムの解析など、さまざまな応用分野にGoogleの技術を展開して世の中を変えていくだろう、ということでこのCDはストーリーを終えています。
今後もGoogleが世界に影響力を持ち続けられるかどうかはわかりませんが、Googleがどのようにコンピュータやインターネットの使い方を変えてきたのか、振り返るのにおもしろいCDでした。
ちなみに、日本ではまだGoogleよりもYahoo!を検索エンジンとして使う人が多いようです。これは、Googleの検索の仕組みが必ずしも日本語に最適化されていないためで、Googleは2005年11月、日本に研究センターを開設することを発表しています。
今後、もっとGoogleの使い勝手が上がるのが大変楽しみです。
2005 11 30 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク
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