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November 13, 2005
The Four Agreements ~ 自由な人生のための四つの約束
The Four Agreements by Don Miguel Ruiz
今週は、ドン・ミゲル ルイスという、元外科医の作者が臨死体験を経て思想家になり、その思想を非常に簡単な4つの考え方、そしてとてもシンプルだけれども実用的な考え方にまとめた、The Four Agreementsを紹介します。
日本語訳は四つの約束というそのままの題名で出ているようです。私は日本語訳は読んでいませんが、とても翻訳もよくできている、ということでした。
この四つの約束は、自身がいろいろしがらみから解放されて自由に生きるために、必要なもの、と定義づけられています。
では、その四つの約束とはなんでしょうか? 以下のものになります。
1. Be impeccable with you words 正しい言葉を使うこと
2. Don't take anything in personally なにごとも個人的に受け取らないこと
3. Don't make assumptions 思いこみをしないこと
4. Always do your best つねにベストを尽くすこと
ここで言葉だけ表記してしまうと、薄っぺらく感じますが、実際に聞いてみると、心にしみじみと染み渡るような話が続きます。残念ながら、ナレーターは作者ではありませんが、とても上手なナレーターでほとんど違和感を感じません。
この四つの約束の由来は、メキシコ南部で広がっていた、古代のスピリチュアルな知識を求める集団をトルテックと呼び、作者はもともとはその教えに反発して外科医になったものの、その後やはりスピリチュアルなものに回帰していった、という背景があるようです。
正直、私はその背景にはあまり興味はないのですが、作者が言う四つの約束は、とてもシンプルでわかりやすく、しかも真理をついたものだと思いました。この四つを心がける限り、確かにいろいろなことが自由になれそうです。頭の中を整理するのに、とても役立ちました。
一つずつ、もう少し詳しく説明します。
1. Be impeccable with you words
これは、日本語では「正しい言葉を使うこと」と訳されています。直訳すると、「言葉を使うときには完璧でありなさい」という感じなのですが、作者が言っていることは非常にシンプルです。
悪い言葉は「Black Magic(黒魔術)」のように悪い考え方や悪い環境を引き起こし、どんどんそこに自分を追い込んでいく、と言う発想です。
人間は自由に生まれてきたのに、だんだんといろいろな環境、親や学校、社会に飼い慣らされていき、悪い言葉を覚えていきます。しかし、人間と動物を分ける大きな違いは、私たちが言葉、すなわち思想を持っていることであり、それをもっともっと大事にすることが、人間としての尊厳を保つために必要だ、という考えになります。
例えば、ゴシップ、人の悪口などを作者は「ウィルス」と呼んでいまして、どんどんと人に悪い考え方が伝播していくと定義します。
この考え方は、as a man thinkethでジェームズ・アレンが言っていることと全く同じであり、一つの真理なのだと考えています。
2. Don't take anything in personally
こちらは「なにごとも個人的に受け取らないこと」と訳されていますが、直訳そのままです。
例えば、通りがかりの見ず知らずの人にあなたが、「おまえはどうしようもない人間だ」と言われても、相手の頭がおかしいと思うだけで、まったく個人的にとることはあり得ないと思います。
ところが、なぜか少しでもこっちのことを知っていたり、権威の人からそういわれてしまうと、そうかもしれない、と悩んでしまうわけです。
しかし、私は私であり、他者との比較は無意味であり、すなわち、人より優れている、とか劣っている、とかいう考え方そのものに、そもそも意味がないのではないか、という考え方です。
また、何事も自分のことととらえるのは、実は利己主義であり、自分中心的な考え方であり、相手に言われたことは、あくまでそれは相手の解釈と相手の世界観から生じていることであり、それによって自分たちに必要以上の毒を回す必要はない、という教えです。
この考え方は、この本では説明されていませんが、自我耐性と呼ばれる概念でして、健全な社会生活を送るためには不可欠と考えられています。
3. Don't make assumptions
こちらは「思いこみをしないこと」と訳されていますが、直訳すると、「仮定を置かないこと」となります。
思いこみをすることで、事実でないものを事実だと思いこみ、相手を誤解し、相手を責め、互いに毒を回すことになります。
常に、自分が相手に対して物語を作り上げてしまうのが人間の癖であり、それを自覚しているだけでも、実際に対人折衝がずいぶん楽になるはずです。
この考え方は、7つの習慣の中で「相手を理解してから理解される」という習慣に近いものがあると考えていまして、何かまずいことが起きたり、相手に頭に来たときには、それが思いこみでないかどうか、チェックする習慣があるといいと思っています。
4. Always do your best
こちらは「つねにベストを尽くすこと」と訳されています。
常に、一つ一つのことでベストを尽くすことで、その積み重ねが心の自由につながる、と言う発想です。
おそらく、この発想はflowの概念にとても近く、今この瞬間を充実させることで、新しい世界が見いだせる、というアイデアになります。
以上、簡単に四つの約束を説明しましたが、ぜひとも、原作を聞いて、読んで、一つ一つの内容を味わってもらった方がいいと思います。
きっと、あなたの心を解放するのに役立つはずです。
2005 11 13 [3.英語-Audio Bookのお勧め8.自己研鑽・Selfhelp] | 固定リンク
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コメント
投稿者: Sunny (Jun 10, 2006, 10:15:41 PM)
ムギさん、はじめまして。
この本の題名で検索している途中に、こちらの素敵なHPに知りました。 私もこの本を読んで目を開かされた者の一人です。私の粗末なblogでも紹介したのですが、本の内容をきちんと素敵に解説しているこのページを知りリンクさせていただきました。
その他にもムギさんのHPには沢山素晴らしい情報が載っているのですね。これからも度々訪れて勉強しようと思っています ^^。
投稿者: ムギ (Dec 28, 2006, 3:09:31 PM)
Sunnyさん、
コメントありがとうございました。最近は時間が少なくて、あまりUpdateしていませんが、そのように言っていただけると、心強いです。またぜひ、遊びに来てください。
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