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September 12, 2005

Why We Buy ~ 「ショッピングの科学」の古典

Why We Buy

Why We Buy

今週は、ショッピングのフィールドリサーチの古典として、1999年に発売された、有名なWhy We Buyを紹介します。邦訳はなぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学という題名で発売されています。

Why We BuyはCDはありませんが、audibleから、非要約版をダウンロードをすることができます。

この本の特徴は至ってシンプルで、「ひたすらショッピングの様子をビデオなどにとって、人間の行動を観察し続けたこと」にあります。

実は、この本は邦訳は昔から持っていたのですが、積ん読になっていて、最近Audibleでいろいろな本の$10セール、というのをやっていたので、入手したものです。そして、聞いたら、意外にも目から鱗、というような話が多く、おもしろかったので紹介しようと思いました。

その目から鱗だったものは、例えば以下のようなものです。

・ショッピングのカートは入り口のそばだけではなく、途中にも置くことにより、売上が増える(みな、入り口までカートをとりに戻りたくないため)

・それぞれの配置に集まるであろうセグメントの人の構成に注意をしなければならない。例えば、清涼飲料水売り場の隣にアスピリンを置いてはいけない。なぜなら、清涼飲料水売り場は若者がたむろすので、アスピリンを必要とする中高年がそばに寄らなくなる

・最近の若い夫婦は必ずベビーカーで子連れで買い物に来るので、通路はベビーカーが通れるようにしないと、ベビーカーが通ることができるエリアに比べ、売上は如実に下がる

・女性と男性では、明らかに女性の方が店の滞在時間も長く、商品に対する吟味も厳しい。これは、古代から女性は果実の収穫や穀物の選り分けなど、ものに対する目利き能力を家庭内において育ててきたためではないか?

・一方、以前よりも買い物における性差が小さくなってきている。したがって、男性にいかに簡単に買い物をさせるか、例えば顧客ごとに男性のサイズを登録させるなどのサービスに大きな効果がある

などなど

一つ一つあげるときりがありませんが、一貫して流れているメッセージとしては、

「いかに気持ちよく顧客に買い物をさせ続けるか」

ということにつきるようです。

私は以前、仕事でよくフォーカス・グループ・インタビューという手法を使っていました。これは、ユーザーを何十人も呼んで、一人一人に買い物のプロセスや商品選択の意思決定について、事細かに尋ねるものです。

例えば、ある製品を購買に至るときに「なぜその製品を知ったのか」「どうやって競合製品と比べたのか」「その製品をどこの店に買いに行ったのか」などをコツコツと尋ねていくものです。

そうすると、製品やサービスの設計を手伝っていた私の側ではまったく想像もつかなかったような答えがよく返ってきて、びっくりすることがあります。

同じように、より気持ちのよい購買体験をしてもらうには、消費者の行動を直接観てみて、分析する、というのが一番早いのでしょう。

消費者はつねに変わり続けるため、どうしても既存の供給者側の対応は遅れがちになり、新規参入組に負けてしまう傾向があります。

それを防ぐためにも、このようなフィールドリサーチは必要だと思いますし、またその膨大なデータをまとめてエッセンスを報告してくれるような本は、たいへん貴重だと思います。

マーケティングに興味がある方でしたら、邦訳でも、英語でも、Audiobookでも、なんでもいいので、一つ手に取ってみてください。

2005 09 12 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク

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