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June 20, 2005

The Future of Success(勝者の代償)~Geek(変人)とShrink(精神分析家)

The Future of Success

The Future of Success

今週は、ニューエコノミー論で有名なロバート・B・ライシュのThe Future of SuccessのAudio Bookを紹介したいと思います。

The Future of Sucessの邦訳は「勝者の代償」という題名で出ています(もう残念ながら絶版のようですが、中古なら手にはいるようです)。

The Future of Success(勝者の代償)の内容については、もう一つのブログの中で詳しく取り上げていますので、そちらも合わせて参照ください。

このCDは、New Economyがなぜ自分たちの生活に良い影響を与えないのか、日々のWorkバランスに悩んでいる方にはぜひ、お勧めです。決して解は提示されていませんが、少なくとも仕組みを知ることで、問題解決のヒントは得られると思います。

The Future of Successが主張する内容は至ってシンプルで、下記の3つのステップに分かれます。

1. The New Work
New Economyを供給者の論理から分析しています。

2. The New Life
New Economyについて、逆に自分たちが消費者・被雇用者として考えた場合、何が起きているのかを考えます。

3. Choice
ここがもっとも作者が言いたい部分でしょう。生産性を追いかければ追いかけるほど、失われていく生活の中の大事なものについて、どのようにWork-Lifeのバランスを取るのか、それを家庭単位、社会単位で問い合わせるものです。

この書籍で筆者が述べたいのは、New Economyによる生産性の向上が、逆に過度の競争を招き、私たちのライフスタイルを脅かし、必要な生活、コミュニティや家族・友人とのふれあいを失っていくというジレンマです。

Choiceの中で、作者は決して押しつけがましいアドバイスや方法論は述べません。あくまで淡々と、起きていることを事実として解釈し、説明を加えていきます。まさしくその中で、読者が自分のChoiceを行うわけです。

内容はかなりリッチなので、より詳しいコンテンツを知りたい方は、The Future of Successの目次を直接参照した方がいいと思います。

なお、作者の大きなコンテクストのなかの一部にすぎませんが、最後に、今後New Economyで生き残れる人の資質として、下記の二つをロバート・B・ライシュが挙げていたのが印象的ですので、紹介したいと思います。

資質1: Geek(邦訳-変人)

ある特定の媒体(コンピュータ、メディア、金融など)の可能性について、その可能性を認め、見いだし、新しい試みとして発展させることを喜びとする人たち


資質2: Shrink(邦訳-精神分析家)

人びとが潜在的に持つニーズを見いだし、そのニーズを満たす方法を考案することを喜びとする人たち

もちろん、資質1と2を両方兼ね備える人もいますが、通常はどちらかの資質が強いようです。

前者が比較的供給側からの新しい可能性追求であるのに対し、後者はマーケティングとして潜在するニーズを引き出すスキルです。

そして、1と2が合わさることで、例えば芸術家とマネージャー、デザイナーとマーチャンダイザーなどの組み合わせ、それは人の組み合わせかもしれないし、企業の組み合わせかもしれませんが、新しい市場が広がると考えます。

自分がどちらの資質があり、それがNew Economyの中で生かされているのか、考えてみるとおもしろいと思います。

ちなみに、言うまでもありませんが、私は圧倒的に資質1のGeekのカテゴリーなので、もう少しShrink的な力を自分でつけるなり、他の方法で補うなり、しなければならないな、と反省しました。

New Economyの仕組み、その中でのWork、Life、そしてChoiceを考えていく上で、非常に示唆に富んだAudio Bookだと思います。

2005 06 20 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク

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