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January 15, 2005

Execution: The Discipline of Getting Done ~ 「有言実行」を達成する方法

Execution: The Discipline of Getting Done

Execution: The Discipline of Getting Done

いつも、いろいろ厳選されたレビューを送ってくださるアメリカ在住のJさんから、さっそく新年第一弾Executionが届きました。

この本は日本では経営は「実行」という邦題で出版されています。ビジネスでのパフォーマンスの上げ方、有言実行方法をビジネス経験の豊富な経営者とコンサルタントが語っています。特徴は、ビジネスだけではなく、人生のマネジメント・個人のマネジメントにもとても役立つことです。

今回は、Jさんからここ数年で一番おもしろかった、という折り紙付きですので、ぜひ期待してレビューをご覧ください。

以下はJさんのレビューの転載です。

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Execution
Larry Bossidy and Ram Charan

いわゆるセルフ・ヘルプ、自己啓発の本は、私は基本的には好きですし、特に年末・年始の決心を立てる上で参考にしやすいものです。しかしセルフ・ヘルプ物ばかりでは、気をつけないと目線が内向きになり、おとなしくなりすぎる危険性もあります。

私は今回この “Execution”というベストセラーのCDを聴いてみて、これは純然たるビジネス書でありながら、同時に読めば読むほど元気が沸いてくるセルフ・ヘルプにもなる、そんな感想を持ちました。邦訳が出ているのは知っていますが、それでも本書はぜひ紹介したいと思わせる強力な本です。

Larry Bossidy はGEのトレーニーからキャリアを始め、その後GEのVice Chairmanまで昇りつめたのち、Allied SignalそしてHoneywellのCEOとして文句なしのバリバリの業績を残してきた名経営者です。Ram Charanは多くの大企業から引っ張りだこで、熟練の実力派コンサルタントです。

本書を通して強調されているのは、現実を冷徹に直視すること、仕事の日常では“robust dialogue”という中身のある厳しい対話をリーダー主導で行うこと、そしてとにかく「人」にこだわることです。特に本書の4分の3ぐらいは「人」の問題について割かれているほど重要視しています。

彼らは冒頭で、多くの企業がいい戦略や優秀な人材が社内にあっても、経営が無残な結果に終わることが極めて多いことを指摘します。そしてその主原因は多くの場合Executionがリーダー主導で行われていないからだと断言します。

Executionとはとかくtacticalなもの、経営者が高所からの戦略やビジョンを作った後に社内の人たちがせっせと実行するものと思われがちだが、それはとんでもない間違いである。Executionは経営者やリーダーにとって最も大事な活動で、決して人任せやdelegationしていいものではないと著者たちは論じます。リーダーはheart and soulごとimmerseするまでの覚悟が必要だといいます。

そしてExecutionとはそれ自体が「戦略」「リーダーシップ」などと並ぶひとつのdiscipline (ここでは「規律」ではなく「科目」のような意味)でありsystemである。そして具体的には、3つのbuilding blocks – リーダーの7つの基本行動、カルチャーチェンジをもたらすフレームワーク、適材適所の人材配置 – がある。

リーダーの7つの基本行動とは、下記の7つです。
1.事業と社内の人をよく理解する、
2.現実直視(realism)にこだわる、
3.明確な目標設定を行う、
4.しつこくフォローアップ(英語ではfollow through)を行う、
5.Doers(実際に実行した人たち)に報償を与える、
6.人の能力を高める、
7.自分自身を知る。

この最後の「自分自身を知る」ということは、その他の基本行動を実践するのに不可欠で、そのためには “emotional fortitude”が求められる、と著者らは説きます。(こう聞けば、EQ/emotional intelligenceが思い浮かびます。

私は個人的にEQというと、そのアイデアはすばらしいが、履き違えるととただの「いい人」や「お利口さん」になれ、という軟弱なメッセージになりはしないかと危惧することもあるのですが、対照的にここで彼らが使う“fortitude”というのはとても迫力のある単語だなと感じました。)そしてそのemotional fortitudeの中身は、authenticity(内面の自分と外面の自分とが一致していること)、self awareness、self mastery、そしてhumilityです。

本書の後半ではExecutionの具体的なやり方として、strategy process、people process、operations processの3つのプロセスを紹介し、その個々のプロセスをいかに実行するか、そしていかにして3つのプロセスを完全に連動したものにするかが書かれています。

実際に「戦略レビュー」とはどのように行うのかということも、実に具体的に書かれています。Larry Bossidyが実際に経営で使ったレターや人材評価の実例など、生々しい題材が豊富で、それを本人の肉声で聞くと、あたかも自分がこの人の下で働いているかのような雰囲気を感じます。

この本を読むと(CDを聞くと)、経営というのはとても厳しそうだが、いざ実際にやってうまくいったときはさぞ気持ちのいいものだろうと思いますし、またLarry Bossidyの下で働いたとしたら、さぞかししんどいだろうけど、自分の本当の実力がとことん問われることになるのだろうとも想像できます。

CDはunabridgedで、Larry BossidyとRam Charanのほかにもう一人プロのナレーターも入って、3人が入れ替わり登場します。本自体も2人の著者に加えてFortuneのエディターだった人が執筆者にクレジットされています。

邦訳では「経営は「実行」」などという、あまりセンスのない訳題になっているようですが、Executionという言葉のニュアンスとしては日本語で言う「有言実行」に一番近い気がします。本書のニュアンス、とくに後半のリアルで生々しいところが邦訳でどこまで伝わっているかはわかりませんが、Larry Bossidyの、(少し甲高いダミ声ですが)実に貫禄ある力強いしゃべりを聞くのはなかなかのものです。Ram Charanはインドアクセントがかなりあります。

続編として “Confronting Reality”という本も去年出ました。Amazon.comの読者レビューは辛いものが多いのですが、こちらのビジネス論壇などでは2004年のベストに上げられていたりしますし、私も本屋さんで見た限りは面白そうだったので、そのうちに読んでみようと思います。

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実は、私もJさんのレビューを受け取る前後にちょうどこのCDを買っていまして、聞くことを楽しみにしていたものの一つです。日本語の「経営は実行」も複数の人から勧められていたのですが、題名がベタなので敬遠していました。

CDは7枚組になっています。ぜひ、「有言実行」をできるよう、私もさっそく聞いてみたいと思います。

Jさんのレビューはこちらで5つめになります。これまでの4つのレビューは例外なくおもしろいものばかりですので、これまでのレビューもぜひご参照ください。

Spontaneous Fulfillment of Desire
What Should I Do with My Life?
Re-Imagine!
The Power of Full Engagement

2005 01 15 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク

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