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December 20, 2004

First, Break All the Rules~知識とスキルと才能の違い

First, Break All the Rules: What the World's Greatest Managers Do Differently
by Marcus Buckingham , Curt Coffman

パッケージ

優れた管理職がどのように部下を生かしているのか、ギャラップ社の莫大な調査を元にまとめたものです。邦訳は「まず、ルールを破れ」という名前で、日経新聞から発売されています。

ギャラップ社というのは、アメリカでいろいろな世論調査や管理職、セールスマンのインタビューなどを行っている会社です。ビジネス系の書籍ではよく統計資料として参照されます。

この本のメッセージの主眼は「才能=その人が習慣的に身につけている、仕事上で生産性を上げるための行動様式」と定義して、マネジメントは才能を中心に行い、それ以外は従属変数として取り扱うべき、ということにあります。

才能の種類については、「さあ、才能(自分)に目覚めよう」という続編の方で詳しく触れていますが、いきなりこの本に飛ぶよりは、まずこちらの内容を聞いてからの方がわかりやすいと思います(続編もおもしろい内容なので、機会があったら紹介します)。

また、この本は著者が朗読しており、メッセージが本よりも伝わりやすい物になっています。邦訳もおもしろいのですが、かなり素直な直訳に近い物なので、私は直接英語を聞いた方が、構文的にはわかりやすかったです。

さて、それでは本題です。

まず、ルールを破れ、いったい何のルールか。優れたマネージャーとそうでないマネージャーの違いを突き詰めると、ギャラップは一つのことに行き当たりました。

「人はそんなに変わらない。足りない物を植え付けるよりは、優れたある物を引き出す努力をせよ」

最近は動機付けやわくわく系の会社活動などがようやく日本でも強く言われてきていますが、その流れと同じです。

これまでに言われてきた伝統的に優れたマネージャの特徴、すなわち

1.知識や経験、意志の強さで人を選び
2.業務手順を設定し
3.弱点の克服に力を貸し
4.昇進を助ける

ということに対し、本当に優れた最近のマネージャーは以下の4つをしていました。

1.経験や意思ではなく、習慣的に身に付いている才能で人を選び
2.業務手順は定義せず、成果を定義し、
3.強みのみに着目し
4.その活躍の場を昇進とは関係なく用意する

つまり、弱点を克服させ、マネージャーが考える良い部下のカタにはめるのではなく、上手に力を出せるよう、手助けをするわけです。

こういうこと、聞くと当たり前じゃない、と思うのですが、自分の会社に戻り、自分のボス、あるいは自分がボスの立場である部下に対して本当にできているのか、というと???です。

平均にこだわらない、すぐれた才能を生かせるよう、スタンダードは定める、完璧な人間を目指さない、など。一つ一つを言葉にしてしまうと平凡ですが、その背景にはすごい量の調査があり、その調査の詳細を聞くだけでもおもしろいものがあります。

また、他にも、「職場の強さを図るための12の質問」など、人の活用方法に興味がある人にとっては盛りだくさんの内容になっています。

もっとも、才能があると勘違いして働かない人もたくさんいるわけで、マネージャーの役割としては、適切なスキルや知識を与えられる環境を作ること、と言うのも同時に語られています。そのためには、もっともっと、マネージャーは部下との真摯な接触を持つべきである、ということも語られています。

このCDの特徴は、Whatではなく、Howの方がより聞き応えがあることだと思いますので、Howについてはぜひ、直接著者の音声を参照ください。

2004 12 20 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク

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コメント

投稿者: K (Dec 20, 2004 11:59:40 PM)

質問させていただきます。
①Abridged版というのは、原本の一部を読んだものなのでしょうか? それとも、原本からは離れて、自由に要約したものなのでしょうか?
②このCDもAbridged版のようですが、どうでしょうか?

投稿者: ムギ (Dec 21, 2004 10:56:14 AM)

Kさん、はじめまして。

質問の件ですが、以下のようになります。

(1)Abridged版は原本を組み立てを変えないまま、要点を抜粋した物になります。

通常、原本に対してはかなり忠実です。300-400ページの本をそのまま読むと5-8枚組になってしまいますが、要約版の場合は3枚組くらいまでに落としてくれます。

特に、著者による場合は、著者がもっとも大事だと思う部分は重点的に、エピソードや事例的な部分については大胆に、コメントを加えるケースが多いようです。

(2) このCDは要約版と言うよりは、フルバージョンに近いと思います。

後半の調査の方法などは省略してありますが、内容についてはほとんど削ってありません。事例などもそのまま入っています。3枚組、約3時間です。

要約版は、著者によるものが多いようです。著者でないと、どこを省いて、どこを重点的に読むかわからないからでしょうね。

私も著者のCDの方が、基本的には好きです。プロのリーダーの物もそこそこおもしろいのですが、割と単調なので途中で眠くなってしまうケースがあるので。あと、著者の声音とか言い回しとかを聞くと、それぞれの著者の性格が出ていて、おもしろいです。

こんな感じで参考になったでしょうか? またわからないことがあったら、コメントください。

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