November 2004 バックナンバー

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November 30, 2004

2004年の経済予測と投資戦略~大竹愼一氏の話は経済に興味のある人なら絶対お勧め

2004年の経済予測と投資戦略

表紙

投資に興味がある人でしたら、一度は大竹愼一氏の話を聞くことをお勧めします。大竹愼一氏はもともとはエコノミスト、現在は独立ファンドマネージャーとしてNYでファンドの運営をしています。

半年に1回ほど、講演テープが発売されていますが、とても的確に日本、アメリカそしてヨーロッパの時勢を把握しながら、早め、早めに経済の動きを予測するので、投資だけではなく、経済全体の予測としても非常に優れたものがあると思います。

ご本人の実際のセミナーに出席すると5万円もしますので、とりあえずこの5,000円弱のカセットを買って、ほお、と学ぶことがとりあえず手軽だと思います。

大竹愼一氏のロジックをひとことで説明するのはとても難しいのですが、基本的にはマネタリアンです。投資について、マネーのフローの中からお金あまりが生じているのか、そうでないのかを分析し、さらに政局や選挙、経済予想からコンセンサスとは全く異なる視点から、かなりの確率で正しい予測を導きます。

例えば、このカセットを聴いて驚くのが、大竹氏はかなり強い口調で、今回の株式の上げ相場はゴールデンウィークあけから夏で終わり、今年後半は株は上がらない、と言い切っていました。実際にはその通りでした。今日も鉱工業生産の指数が発表になりましたが、弱い数値で、株も弱く反応しています。

一つの理由として、例えば日本の家電相場はアメリカのベビーブーマーの超過需要に寄っており、この超過需要が今後も長くは続かないこと、あるいは日本での所得階層の分化が銘柄選択の中でも重要であり、金持ち向け、貧乏人向け以外の銘柄はよほど慎重に選択しないと勝ち目が少ないこと、などいろいろと、とても筋がよく、でもビジネスをしているものとして知っていなければならないことを丁寧に説明してくれます。

大竹愼一氏にとっては当たり前のこと、私たちにとっては新しいことがたくさん詰まったカセットです。

日本のカセット講演は、経営者の回顧録が多く、おもしろいことはおもしろいのですが、なかなか実際のビジネスの視点には役立たないことが多いのが難点です。その点、大竹愼一氏のカセットは、明日からの自分のビジネスへの視点が変わると考えています。

値段だけの価値はあると思いますので、経済に興味がある方はぜひ、お試しください。

2004 11 30 [5.日本語のお勧め, 7.投資・ファイナンス関連] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

November 29, 2004

How to ASSERT yourself~アサーティブということを学ぶ

How to ASSERT yourself
表紙

日本語にしにくい概念で、でもぜひ皆さんに知って欲しい言葉として、「Assertive(アサーティブ)」という言葉があります。このCDは1,900円弱で、とてもわかりやすくその概念を説明し、具体的に明日から使えるようにするものです。

日本語の辞書で引くとAssertiveは「断言的、独断的」などと悪い表現で出ていますが、英英で引くと「behaving in a confident way so that people notice you」とあります。後者の方が、より正しい概念です。アサーティブネス・トレーニングという言葉でも最近注目されていると思います。

アサーティブとは、自己表現スキルの一種で、必要以上に攻撃的にも、防御的にもならず、自分のことも、相手のことも尊重しながら、葛藤を上手に処理する方法になります。

このCDはどうやったらアサーティブになれるのか、実例やロールプレイを用いながら、聴く人に納得感を与えます。

では、なぜ今、アサーティブが重要なのか。

このアサーティブという概念は欧米では一般的で、比較的幼少の頃から訓練されるようです。しかし、日本のように和を重んじる国(?)では、葛藤は管理するべきものではなく、避けるべきもののため、特に女性にその概念が発達しないよう、教育も文化もあるような気がしています。

しかし、実際にビジネスをしていくと、相手がアサーティブではないと、本当に生産性が落ちます。言いたいことを言わないまま相手が突然爆発する、そんなケース、多くないでしょうか? これは、相手がアサーティブにどうやって振る舞うかを知らないからです。

アサーティブの特徴としては、感情的にならない、相手のせいにしない、相手の責任を自分のものとして受け取らない、自分は間違ってもいいんだと言うことを認める、などいろいろなことを学ぶ必要があります。また、ノン・バーバルコミュニケーションと呼びますが、言葉以外のコミュニケーションがいかに重要かを同時に学びます。

この「アサーティブ」という概念を持っているか持っていないか、と言うだけでずいぶん対人折衝能力が変わると思います。日本でも何冊か翻訳本や、日本の著者による本が出ていますが、残念ながら、あまりわかりやすくないようです。それよりは、このCDを聴いた方が、より丁寧な分、腹落ちするかと考えています。

アサーティブということに興味を持った方、アサーティブではない部下の教育に悩んでいる方、あるいは自身がアサーティブになりたい方にお勧めのCDです。

2004 11 29 [3.英語-Audio Bookのお勧め, 8.自己研鑽・Selfhelp] | 固定リンク | コメント (6) | トラックバック

November 27, 2004

情報起業(CD日本語セミナー)~メルマガ・ブログ初心者にお勧め

情報起業

情報起業

週末起業で有名な藤井孝一さんの講演CDです。約60分ですのでさくさくと聞けます。

CDの内容は情報起業、すなわち現代の紙芝居(タダの情報で見込み客を集めてあめ玉を売る商売)についてわかりやすく著者が説いています。目新しい材料はアフィリエイトやメルマガ上級者の人にはないかもしれませんが、まだメルマガを出したことがない人、出したばかりなどの人にお勧めです。

アマゾンで買うと、納期も4~6週間、値段も5,670円とかなり高めですが、フォレスト出版のメンバーズクラブで会員になると、納期も早く、4,410円で買えるようです。

具体的な内容としては、非常にシンプルな方法で、インターネットを活用した自身のコンテンツ(知識・情報・ノウハウなど)を売ることによる起業を説明しています。

藤井氏による情報起業による具体的なステップは以下の通りです。

1. ネタ探し→自分のスキル・経験・興味などを棚卸しして、人がおもしろがりそうな情報を探す

CDの中では繰り返し、「夜景コンサルタント」と言う人が出てきます。「1,000円以下ワインエキスパート」などもあります。そういう意味では、このブログもかなりニッチですよね?

2. メルマガによる情報発信→とりあえず、見込み顧客を集める

ここがボリュームが一番大きいかもしれません。発行頻度から改行のコツ、内容の書き方まで、事細かに説明します。だいたい、読者1名で月に10円くらい、すなわち1万人の読者がいるメルマガで月に10万円の広告収入が相場のようです。

また、目新しい内容としては、コンテンツが欲しい顧客を集めるのではなく、こちらから顧客の需要を喚起してコンテンツへの興味を起こさせるような需要創造型の提案をしている部分があります。この発想は新商品開発では一般的ですが、情報マガジンでも同じような手法が確かに使えるのかと感じました。

3. さらに詳しいノウハウの販売による収益獲得→よりいい顧客に重ね売りする

例えば、過去メルマガをきれいに製本して売って1,000円、音声を吹き込んで5,000円、セミナーを打って一人10,000円、などです。

すでに一般的な内容になってしまったものもあり今更、という感がある人も多いかと思いますが、個人的には細かくエコノミクスが示されているのがおもしろかったです。こういうコンテンツで何人集めて、コストがいくらでどのくらいの儲け、というのがかなり手の内が空かされています。

私はこういったメルマガ+ブログ→アフィリエイト/広告+セミナー/CD展開という新しい起業モデルがどのくらい広がっていくのか、個人的には大変興味があります。

というのは、ドラッガーの明日を支配するものの中でも指摘がありますが、20世紀と21世紀のマネジメントの違いに、以下の2つの大きな潮流があると考えているからです。

動き1.希少資源が設備から知識/情報へ

これはもう今更ですが、ハードウェア的な設備がオーバー・キャパシティになる中、インターネットとグローバリゼーションにより、知識や情報がこれからの富の源泉であり、希少資源になっていきます。

全く同じ指摘はThe 8th Habitの中でコヴィー氏も行っており、だからこそ、今社会全体がその転換期のきしみにあるという仮説です。

動き2.大企業中心型から中小企業/非営利団体/個人の活動の広がり

上記の設備集中型から情報分散型への社会のパラダイムの移転に伴い、必ずしも組織・株式会社形態が付加価値を産むのに最適な組織形態ではなくなってきています。

特に大企業であることは、これまでの設備投資余力やリスク体制能力、情報収集能力があるなどのメリットよりも、小回りがきかない、官僚的な組織体制、信賞必罰の欠如などにより、デメリットが広がってきている面があります。

もちろん、企業側もいろいろな工夫でこれを乗り越えようとしますが、これまで以上に日本でも中小企業や個人が活躍できる地盤が整いつつあります。

そのような大きなバックグラウンドの中で、藤井氏の勧めるような情報起業という概念はこれからますます盛んになるのかと感じています。

もっとも、一方難しいのが、実際に情報起業と言っても、現状のコンテンツは「金儲けをしたい人に金儲けの方法を教える」ような、ゴールドラッシュ時に一番儲かったのはツルハシ屋さんとジーンズ屋さんだった、という状況と同じ様相を呈している面もあり、まだビジネスモデルとしては勃興段階なのだと考えています。

このダイナミズムを肌で感じるには、とりあえずメルマガを出してみる、というのが一番のお勧めですが、その準備段階としてこのCDを聴いてみてください。

2004 11 27 [5.日本語のお勧め] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

November 25, 2004

Re-Imagine! アメリカ在住Jさんのお勧め第2弾です。

Re-Imagine!

Re-Imagine

The power of full Engagementを紹介くださったアメリカ在住のJさんから、さっそく第2弾がとどきました。

エクセレント・カンパニーで有名なトム・ピーターズの最新版CDです。トム・ピーターズはJさんと私の勤めていた会社の先輩でもあります。

Jさんのお勧めの理由として、内容はもとより、ぜひトム・ピーターズの発音が日本人の英語学習向けなので役に立つはず、ということでした。詳しいレビューはJさんからのメールを直接転載しますのでご参照下さい。

---------------------以下は、Jさんのレビューです。

人気者Tom Petersの最新刊です。オーディオCDはunabridgedで彼自身が読んでいます。CD7枚です。

そもそもこの本は本来オーディオで聴かれるより、実物を手にとって見てもらうために出版されています。彼の「デザイン」賛歌を実践するために、従来のビジネス書のスタイルから飛躍すべく、ビジュアル面に優れた独特の本のスタイルで有名な出版社DK(Dorling Kindersley)から出ました。外形はカラーの図鑑のような装丁で、大きさは26cm x 20cm。重さ3ポンドといいいますから、どっしり1.3キロ以上あります。

中身はカラー写真がふんだんに使われて、全体がコラージュのようになっています。その様子はサンプルをPDFでhttp://www.tompeters.com/reimagine/download.php から垣間見ることができます。ただしCDではさすがにこうしたビジュアル面は何ともしがたく、聴いている限りは普通の装丁の本と変わりません。

内容は基本的に、Tomがこれまでの著作でたびたび強調してきたことの繰り返し、発展、応用になっています。例えば、ブランド、デザイン、女性の力、商品でなく「経験」を売ること、自分ブランド(Brand You)、いわゆる”Wow project”などなど。”Reward excellent failures. Punish mediocre successes!” 昔からの読者であれば、なじみのテーマが多いかもしれません。

今回は内容とは少し離れた側面について書こうかと思います。

数ある著作の中から、一応最新刊なので本書Re-Imagineを紹介しましたが、「オーディオ」という観点からはむしろ過去のThe Pursuit of Wow!(邦題:トム・ピーターズの経営創造)やThe Tom Peters Seminarトム・ピーターズの経営破壊)、またはThe Circle of Innovationトム・ピーターズの起死回生)などの朗読版の方が個人的には好きです。(それにしてもすごい邦題をつけるものですね...)Re-ImagineのCDもよいですが、昔のやつの方が読み方にエネルギー、勢いがあふれているのです。(ただし、これらの本については要約版(abridged)でカセットしか出ていないかも知れません。)

こんなことを書いたのは、実はTom Petersのオーディオブックは英語の練習教材にとても向いていると思うからです。

彼の文章や写真からどのような声や発音を想像されるでしょうか。実はお腹の底から出ているような、大きな太いよく通る声で、英語の発音のメリハリがとても強いのです。例えば”despise”という単語があれば、そのdやpの子音はつばが飛んでくるような、また真ん中のsや語尾のzの音などは歯と歯との間からの空気音が直接聞こえるような、とてもパンチのある発音なのです。

英語練習のリピーティングやシャドウイングなどに使えば、発音が上手になり、また自信満々の話し方というものを疑似体験できるのでは、と思います。子音の発音に力を入れるだけでも、ずいぶん上手に聞こえるようになるものです。表現に誇張・強調が多い分、さまざまなcatchyな単語も自然と身につきます。

昨年彼の講演を会場で直に聴く機会がありました。ワイヤレスマイクを胸に着けて、リモートのマウスを手に持ってパワーポイントをめくりつつ、壇上ではなく聴衆の中を大股でのっしのっし歩き回りながら、大声で話し、叫ぶ。時折、聴衆の一人一人の目の前まで顔を近づけてじっと目を合わせたまましゃべるなど、「お話」というよりは、まさにライブパフォーマンスという感じでした。ちなみに実物は写真で見るより太いです。

彼の独特のパワーポイント、カラフルな「おっきな文字」のスライドも彼のサイト(http://www.tompeters.com/slides/content.php)で見ることができます。

さて、Re-Imagineにはどんな邦題がつけられるのか、見ものです。

---------------------Jさんのレビューここまで

Jさんから、同じ紹介するのなら、邦訳が人気がある本の方がいいのかな、と言うことを聞かれました。私は自身の好みもあり、「いえ、邦訳がない本ほど目が届きにくいので、ぜひない方を優先的にお願いします」と、お伝えしてあります。

また、Jさんのお勧めのおかげで、トム・ピーターズのカセットは1,500円くらいで手軽に手に入ることもわかったので、このCDと合わせて、シャドウイングの練習用に買ってみたいと思います。

トム・ピーターズの声を直接聞くのは楽しみです。また、今考えると、ずいぶん前からトム・ピーターズはわくわくマーケティングとかわくわく会社系のことをずっと言っていたのですね。

The Pursuit of Wow!の方が、題名としてはとっても好きです。あまり邦訳で英語を曲げないでほしい、と思うのは私だけでしょうか?

久々に、トム・ピーターズの世界をぜひ、お楽しみ下さい。

2004 11 25 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

November 23, 2004

The 8th Habit ダイジェスト版 (英語)

The 8th Habit ダイジェスト版

The 8th Habit

7つの習慣の続編が出ました。題して「8つめの習慣」。邦訳は来年の春くらいの予定のようですが、とりあえずダイジェスト版を聴きましたので、内容をお知らせします。

The Power of Full Engagementのレビューを送ってくださったJさんによりますと、書名をつけるときにいくつかユーザーアンケートがあったそうですが、投票で「The 8th Habit」に決まったとか。Jさんも「The 8th Habit」に投票したそうです。

この8つのめ習慣のCDはCD 13枚組のフルバージョンと、このダイジェスト版 1枚組の二つがあります。前者は本を読んだもの、後者はコビー氏の講演を録音したものです。

アマゾンとかで普通に検索すると、13枚組の高い方(4,738円)しかでてきませんが、ダイジェスト版1枚組は1,423円で手軽な値段ですので、とりあえず内容を知りたい、と言う方にはまずダイジェスト版の購入をお勧めします。どちらのCDもコビー氏が吹き込んでいます。私は両方持っていますが、まだ13枚組の方は手をつけていません。

前置きはこれくらいにして、内容に入ります。

まず、この8つのめ習慣の中身は何か。

コビー氏からは、以下のように定義されています。

「to find our voice and inspire others to find theirs」
あなたのvoiceをみつけ、周りの人のvoiceが見つけることを喚起する

そうすると、問題はこのvoiceの定義です。日本語にすると「自分のわくわくさせるような心の声、希求心」というところでしょうか。

しかも、このvoiceはbody, mind, heart, spritの4つのハーモニーからできあがるものであるという定義と、さらに人にaffirmをしてどのように相手のvoiceを引き出すか、というのがこの習慣の骨子になります。

この8つめの習慣の位置づけは、7つの習慣と平行ではなく、それに深みを持たせるもの、と言う定義になっています。CDの中ではピーター・ドラッガーの著作もしばしば引用され、21世紀のナレッジワーカーを対象にストレスを減らすしながら、緊急なことではなく大事なことに時間を使う具体的な手法について言及していることが特徴です。

このCDを聴くと、いままで悩みであった「頭でわかっても体でわからないと言うことをどうやって解消するのか」「自分はともかくとして、どうやって他人にもいい影響を及ぼせるのか」という2点について、解の方向性を与えてもらったような気がしました。

より具体的な方法論については13枚組の方を聞き直さないといけないと思っていますが、きっと興味がある人が多いと思いましたので、早めに速報でお伝えします。

とりあえず、これを聴いて、反省して今日は家で運動していました。

body, mind, heart and sprit
ボディイ、マインド、ハート、あんどスピリット

このいい方をCDの中で繰り返し、繰り返しコビー氏が独特の言い回しで伝えるのが一番印象的です。

そう、私も、ついついマインド先行になってしまうのですが、ボディー、ハート、スピリットが伴わないと、voiceにはならないのです。

これを聴いて、みなさんでついついビジネスに偏りがちな思考に深みをつけることをお勧めします。

2004 11 23 [3.英語-Audio Bookのお勧め, 4.英語-講演のお勧め] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

November 22, 2004

誰にもわかるハイデガー 筒井康隆講演

誰にもわかるハイデガー

ハイデガーパッケージ

今回は筒井康隆氏が語るハイデガーの「存在と時間」の講演の紹介です。

以前、新潮カセットというカセット文庫が1980年代後半から1997年くらいにかけて、新潮社から発売されていました。アマゾンで検索すると97件あり、その大半はもう、品切れになっているようです。

しかし、その講演や吹き込みメンバーは非常に豪華で、三島由紀夫、向田邦子、小林秀雄など今はもう亡くなっている方々を含め、この人の話ならもう一度聴きたい、という人たちばかり。しかも、値段も在庫があれば1,500円から2,000円くらいと手頃です。

そのうち、ハイデガーということばと、あと私自身が筒井康隆のファンなので、最初に手に取ったのがこのカセットでした。おもしろかったです。こういうカセット文庫がなぜなくなってしまったのか、残念でなりません。

まず、ハイデガーを知らない人に簡単に紹介しますと、実在主義哲学の元祖、と呼ばれる人で、20世紀最大の哲学書と言われる「存在と時間」の著者でもあります。

私も存在と時間は買いましたが、そのまま本棚に積ん読、になっていました。そもそも非常に難解であるし、解説書やその本を研究する研究者が何人もいるとのこと。ちょっと手に余るかな、でもいつの日か読みたい、ということで本棚の肥やしにしていました。

そんなときにこの筒井康隆さんのテープを見て、お、と買ってみたわけです。内容は現存在(人間)の概念から始まり、現存在がなにをいつも畏れているのか(=死)、それを忘れるためにどのように人間は生きているのか、等々、わかりやすく氏が語ってくれます。

存在と時間を持っている人も、読んだことがない人も、このテープ単体でもある程度エッセンスは掴めますし、なるほど、という人生や死についての考え方を説明してくれます。

もっとも、これはハイデガーの解釈であり、それをさらに上乗せした筒井氏の解釈であり、聴いた人はこの二人の解説をヒントに、もういちどじっくりと自分の存在や死、周りの道具的存在者(=身の回りの道具のこと)や空談(=死の恐怖を忘れるための意味のない活動)などについて、より一つ一つ考える、というのがさらなる深い役割なんだと考えています。

また原書を読み直してみたいと思います。このシリーズのテープは徐々に入手していく予定ですので、おもしろいものがありましたら、また紹介します。

ちなみに、テープだという理由だけで躊躇する方も多いと言うことですが、いまテープのウォークマンは1万円未満で手に入りますし、音質も意外といいです。こういったアナログ・テープ系の講演を聴くために、1万円の投資をする、というのは十分価値のあることではないかと私は考えています。

2004 11 22 [5.日本語のお勧め] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

November 20, 2004

「7つの習慣」による実話集~Living the 7 Habits

Living the 7 Habits

パッケージ写真

7つの習慣を実際に活用して成功したエピソード集です。7つの習慣シリーズにしては珍しく、日本語版は発売されていません。

7つの習慣は全世界で1,500万部売れたそうで、ここまでくると一種の信仰のようですが、このCDでは、7つの習慣を実践することによって、幸せになった人のストーリーがずっと語られています。

このCDの目的は、7つの習慣を守るとこういう成功体験が得られる、ということを疑似体験させることで、「わかってはいるんだけれども、なかなか実行に移せない」というジレンマを説くのがねらいのようです。CDの冒頭では、一応7つの習慣を読んでいなくとも大丈夫、と言っていますが、一つ一つの習慣についての詳しい説明はないので、読んでいた方がよくわかると思います。

書籍によるLiving the 7 Habitsの方では50以上の実例が家庭、子育て、学校、価値観の違いなどのコーナーに分かれて紹介されていますが、CDではそのうち特におもしろいエピソードが10つほど抜粋され、コビー氏の語り→本人を模したスピーカーの体験談の語りという順番で並んでいます。

個人的には、10個目の心臓のバイパス手術を機会に大きく会社とファミリーのとバランスをとることを企業の文化変革ごと成功させたハードロックカフェのCOOのエピソードがとてもおもしろく、値段も1,400円と高くないので、この部分だけでも、元は取れるかな、という感触です。

あとは、8つ目の、多国籍企業の購買マネージャーが下請けに出している個人契約のトラック運送者の契約を解除しようとした時に、相手のロイヤリティの深さに打たれて、「理解してから理解される」の習慣を使って解いた、というエピソードもおもしろかったです。これは、以前カルロス・ゴーン氏の講演で聴いた、従業員やバリューチェーンを巻き込んだ日産立て直しの手法とよく似ていました。

私はたぶん、ビジネスに興味があるのでそういうエピソードをおもしろいと思いましたが、育児に悩んでる方は育児の話、家庭で悩んでいる方は家庭のエピソードがよりおもしろいと感じるのかと思いました。

各エピソードはだいたい5-6分くらい、10のエピソードを合わせてもCD1枚ですので、Audio Bookの中ではかなり短時間に聞けるものになっています。

7つの習慣がいったい何だったかな、とつい忘れてしまう方に、復習用としてお勧めします。

ちなみに、ほんの数日前に発売された同じStephen Covey氏の「The 8th Habit」(8つ目の習慣)のCDはなんと 13枚組(!)。とりあえず家には届いていますが、まだパッケージを開ける勇気がありません。

The 8th Habitのレビューはしばらくの間、宿題にさせておいてください。

2004 11 20 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック

November 19, 2004

The Power of Full Engagement - アメリカ在住の先輩コンサルタントJさんの一押しCDです。

The Power of Full Engagement
by Jim Loehr and Tony Schwartz

Package

このCDのお勧めレビューは、現在、アメリカ在住のコンサルティング会社時代の先輩のJさんが送ってくださったものです。

私がメールでJさんに「このような、ビジネス用のAudio CDを紹介するブログを始めたのですが」というお知らせを出したところ、「こちら(アメリカ)には、翻訳されていない本のため日本ではあまり有名ではないけれども、すごくおもしろいCDがたくさんあるから、紹介しましょう」というありがたいオファーをいただきました。

下記はJさんからいただいたお勧めの第1弾「The Power of Full Engagement」です。数あるCDの中でも、まずはこれをお勧めしたい、ということでした。

これから、Jさんや、またもしお寄せいただいたら、他の方のお勧めも載せていきたいと思いますので、ぜひムギのReviewと合わせて、お楽しみください。

また、邦訳が成功と幸せのための4つのエネルギー管理術という名前で出ている、ということをzonoさんから情報をいただきました。2004年10月に発売されたばかりのようです。情報ありがとうございました>zonoさん

----------------------以下、Jさんのレビューです----------------
The Power of Full Engagement
Jim Loehr and Tony Schwartz

From J (アメリカ在住)

「自分をもっと変えてみたいが、どうしたらいいのか分からない」、「何となくやる気が沸いてこない」、「こんなに忙しいのに、やりがいが感じられない」...こうしたテーマについてはさまざまな素晴らしい本が出ていますが、本書The Power of Full Engagementはその中でもとても説得力があり、かつ実際に使える良書です。

そのポイントは、以下の5つです。

1) 仕事も人生も、要はかけた時間でなくかけたエネルギーがそのパフォーマンスを決める。

2) エネルギーにはphysical, mental, emotional, spiritualの4つの源があり、これら全てが活性することが “full engagement”(つまりphysically energized, mentally focused, emotionally connected, spiritually aligned)。

3) そのためにはスポーツのトレーニングと同様、各エネルギー源を意識的に鍛えて、そして回復させること(periodic recovery break)の繰り返しを毎日の生活に組み入れることが必要。

4) 人間のエネルギーの土台はphysical (食事・運動・睡眠)から始まる。しかし自己変革は逆にspiritual(自分にとって本当に大事なもの)から始めなければ効果なし。決心してもなかなか禁煙できないが、例えば妊娠したらすぐにやめられる。

5) 自己変革のかぎは生活の中に “ritual”(儀式)という、あえて考えなくてもやってしまう具体的行動を数多く埋め込むこと。push するのではなく、ritualにpullさせること。意識しなくても毎日歯を磨くことのように。

はじめの方にRoger B.という人の、傍目にはとても幸福だが実際は大変に苦悩している男のケースが紹介され、途中の章で随時参照されながら、最後の章で彼にどのような変化が起こったかが感動的に描かれています。この手法、読者をひきつけます。

CDは共著者のJim Loehr とTony Schwartzが交互に話します。Jim Loehrは「メンタル・タフネス」の本が日本でも訳されていますが、もともとはさまざまな競技のプロスポーツ選手に対し、心理面のコーチングを行ってきた人です。「結果が出て初めてなんぼのプロスポーツの世界、そこではきれいな理論でなく実際に効くアドバイスしか意味をなさない」と言う彼らが長年蓄えてきたノウハウをビジネスに関わる人々向けに応用しました。EQは結構だけど具体的改善の方法が弱い、という彼らの問題意識もあります。

スポーツとビジネスライフとの関係では、日本でもアメリカでも成功した有名な監督が、リーダーシップや管理職としての心構えについて語るというものがよく見られます。本書はむしろ我々のような「プレーヤー」が一流選手のやり方から何を生かせるかに焦点を当ててあるところが特色です。特に私のようなスポーツファンであり。かつ体育会出身の人間には強力な説得力がありました。

スポーツでは「休むのも練習」も必要といわれますが、仕事においても、きちんと定期的なrecovery breakを入れることの重要性は発見でした。何となくのだらだら仕事というのもありますが、むしろ仕事がのっている時はその波に乗ってずっと何時間も続けてしまいがちです。しかし実際に試してみると、すいすい進んでいる時にもあえてその続けたい衝動に耐え、短時間のブレークを入れると、そのあとの生産性、持久力に大きな差が出ることに気づかされます。仕事が終わってもまだほかのことをやりたくなるエネルギーが十分残っている感じです。

もともとはFast Company という雑誌で簡単に紹介してあったのがきっかけでした。過去2年間に読んだ(聴いた)本の中では影響力(読んだ後に生活が具体的に変わったかという意味)という点で、個人的にはナンバー1です。

数年前にHarvard Business Review で“Corporate Athlete”という論文でも紹介されました。また著者らのサイトhttp://www.thepoweroffullengagement.com/で無料診断テストなんてのもあります。

---------------------Jさんのレビュー、ここまで-----------------

このJさんのレビューを読んで、「あ、すごく7つの習慣の最後の習慣である『刀を研ぐ』と言っていることが似ている」と感じたのですが、amazonの書評にも、やはり同じように「この20年間に読んだ自己啓発系の書籍の中で、7つの習慣とこの本の2つが秀逸」というコメント(英語)がありました。

食生活が乱れたり、運動がおろそかになるとどうも頭も回らないし、エネルギーも空っぽになる気がしていました。また、7つの習慣の7つめの習慣である「刀を研ぐ」という部分は、なかなか具体的なイメージがわかずに困っていたのですが、このCDによりMissing Linkがつながった気がします。

実際にJさんのライフスタイルも変わったと言うことですし、これを聞けばつい途絶えがちな運動や不規則になり学な食事などを改善できるようになるでしょうか? さっそく発注しましたので、届いて聞くことができましたら、またコメントを追加します。

Jさん、本当にありがとうございました。またぜひ、いろいろホットな情報をお願いします!!!

2004 11 19 [3.英語-Audio Bookのお勧め, 8.自己研鑽・Selfhelp] | 固定リンク | コメント (10) | トラックバック

November 17, 2004

心が千分の一だけ軽くなる話~CDで斎藤一人さんの「ツイてる」を直接聴く

心が千分の一だけ軽くなる話

表紙

久し振りに日本語の講演CDの紹介です。

斎藤一人さんはスリムドカンなどの漢方薬の販売で有名で、全国累積納税額日本一、という肩書きがある人です。その斎藤一人さんの80分の講演を納めたのが、この本になります。

無理なポジティブ思考を強制するわけでもなく、でも、今のしあわせ・ツキ・周りに感謝をしながら、自分で自分の心に栄養を無理なく注ぎながら、生きていく方法を笑いの中で説いてくれます。その講演を聴いているみなさんの声がライブで入っているのですが、その場にいたかったなぁ、と思わせるような幸せそうな笑い声で、こちらも聞いていてうれしくなる感じがします。

もともと斎藤一人さんを知ったのは、コンビニに並んでいて何気なく手に取った変な人が書いた成功法則を読んだことがきっかけでした。もともと、斎藤一人さんが誰だかも知らずに手に取ったのですが、小さな文庫の中の一文に「働くというのはハタがラクになることを言うんですよ」という何気ない一言にじーーーーんと感動しました。

そして、他の著書も何冊か読みましたが、どれもそれほど複雑なことを言っているわけではありません。でも、本当に何かの一線を越えて達観した人の柔らかい響きのことばが著書にも、CDにもあふれています。

人によっては、何を当たり前なことを、とか、あるいはどの本も同じことが書いてある、と思う人もいるかもしれません。でも、それを説き続ける斎藤一人さんはすごく素敵だと思います。

「ツイてる」「ツイてる」

このことばをぜひ、斎藤さんのご自身の声で聞いてみてください。

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November 15, 2004

ネクスト~Next 少年のインターネット犯罪(?)が予言する社会学

Next

Next CD

ライアーズ・ポーカーでウォール街を描き、世界的なベストセラーとして一世を風靡したドキュメンタリー作家、Michael Lewisの2001年の作品です。日本語版の書籍もネクストという表題で出版されています。

日本版の表題が単にネクストという目立たないものだったので日本語版は見逃していましたが、英語版の副題が"The Future Just Happened"というものだったのに惹かれて、あまり内容も吟味しないまま、CDを注文しました。

そして、買ってみて大正解でした。内容は、いくつかの有名な少年によるインターネット犯罪(?)とみなされた事件を細かく追及することで、インターネットの本質に迫るものです。CDの冒頭で「Sociology(社会学)」であるということを断っていますが、インターネットが起こす変化の本質は何か、少年、というナイーブな存在を通して訴えかけます。

具体的な少年たちの事件は以下の通りです。

1. 15歳の少年がYahoo! Financeなどの掲示板で株の売買をあおり立て、デイ・トレードで80万ドルを稼ぎ出し、SECに処分されたケース
2. 15歳の少年が素人弁護士としてaskme.comというサイトで、本職よりも支持されたケース
3. 14歳のイギリスの少年がファイルシェアリングソフトを開発し、処分されたケース

他にもテレビという独占メディアからのオンラインへの解法、オンライン・テロリズムの問題など、私たちが当たり前に暮らしている社会の中での隠れた問題が、インターネットという、「単に情報共有を加速させるもの」の存在だけでどのように加速され、あぶり出されていくのか、また、その中で既得権益の人たちがいかに対抗しようとするのか、興味深い現象についての考察が続きます。

私も、大学生だった17年前からパソコン通信を初め、以来毎日数時間ずつ、欠かさず昔はパソコン通信、今はインターネットにさわる日々が続いています。自分の親の世代から見ると、ある意味、自分たちはこの少年たちだったのかもしれません。また次は自分の子どもたちがインターネットを通じていろいろな矛盾を表面化させ、暴いていくのでしょうか。

インターネットが何をもたらすのか、普段から興味を持っている方に、その視点を複眼的にするものとしてお勧めします。また、録音された英語が、ナレーション自体は聞きやすいのですが、原文の言い回しがやや難解なので、聞き流す、というよりはある程度集中して聞く方がむいているCDのようです。

とりあえず、この作品がおもしろかったので、この作家の他の二つのAudio Book、The New New ThingMoneyballも注文してと見ましたので、また順番に聞いたらレポートします。

2004 11 15 [3.英語-Audio Bookのお勧め] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック